壽 初春大歌舞伎/夜の部 ①絵本太功記・勢獅子 | Lunaのブログ

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観終えて1週間ほど経っていますが、
1月14日
壽 初春大歌舞伎/夜の部
桜門松観終えての感想です門松桜

*素人の感想ゆえ
誤字脱字・解釈違い・言葉違え等ご容赦をショボーン
 
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今年は初春大歌舞伎に
大ハマりしておりまして、
二十日正月を過ぎて尚、
“初春”から抜けられずにおります、ハイ笑い泣き汗


そして私を含めファンの方へ朗報ですが、
2019年壽 初春大歌舞伎
舞台写真の発売
既に1月18日〜
発売なっているそうです。

歌舞伎座  1階 東側
【お土産処 木挽町】奥の舞台写真コーナー
売っているそうです桜
名シーンの数々の写真、
楽しみですラブラブ
【追記】
(観劇でない人は午後14時30分〜15分だけの
店内インが可能。
確か入れない時間帯もありました)


今回は夜の部の感想です。
長文と内容分けのため、
幾度かに分けて投稿します。
桜門松悪しからず門松桜


今年の初春大歌舞伎
どちらも面白いときてるから
ある意味困りものです笑い泣きあせる
幾度も観たくなってしまう汗
観ないで後悔するくらいなら、
えーい、ままよ存分楽しむ
あともう一回だけ夜の部行きます笑い泣きポーンポーン

ということで備忘録致します。
ご興味のない方には無用な長文ですので
どうぞ一読無くお過ごし下さい門松桜


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夜の部も、
9日昼の部と偶然同じ1階席。
相変わらず近くてドキドキしました。
歌舞伎座・座紋の鳳凰
今日もようこそおいでませ音譜、とニヤニヤ
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1.絵本太功記(えほんたいこうき)

明智光秀が織田信長を本能寺で討った
本能寺の変を素材にした話。
但し史実に基づいてはいない話です。
また歌舞伎では実在人物が居る際は
その名前をそのまま使う事は避けるそうです。
(といった所から明智光秀は、武智光秀

【 あらすじ 】
武智(明智)光秀が本能寺で
主君小田春永(織田信長)を討ち取ったのを、
快く思わない光秀の母・皐月は、
尼ヶ崎の庵室へこもってしまいました。

武智光秀 妻・操は、
そんな姑 皐月が心配になり、
息子の十次郎光義と、
その許嫁(いいなずけ)初菊と共に
尼ヶ崎へやって来ました。

そして十次郎光義は祖母の皐月に会い、
死んだ主君小田春永(織田信長)の
仇を討とうとする、
真柴久吉(=羽柴秀吉)と、
父 武智光秀との間に起きる合戦に
出陣したい、
ついてはその許しを乞いたく
祖母 皐月に申し出て許可される。

若い十次郎の初陣が、
討ち死覚悟である事を察している、
皐月や皆の者。
まだ祝言も上げていない若い2人を含め、
一同涙涙で別れの盃を交わし、
十次郎光義は出陣していきます。

そこへ風呂が沸いた、と告げに来たのは、
旅の僧の姿をした、
実は亡き主君 ・小田春永の仇を討とうとする、
真柴秀吉です。
秀吉はこの庵に潜(ひそ)み、
動向を伺いに来ていたのです。

さて夜も更け、
この庵の傍らの竹藪に現れたのは、
何を隠そう、謀反を起こした当の本人、
武智光秀(明智光秀)。
光秀は、
久吉(秀吉)がこの庵に忍び居るのを見て、
これを討とうと、
障子越しに竹槍で突きました。

しかし突いた相手は、なんと我が母 皐月。
苦しい息の中 皐月は息子光秀に、
主君殺しの光秀の母として
このような報いを受けるのは当然と言い、
又、武智の家名を穢(けが)したと
光秀を厳しく諫めます。

しかし光秀、
春永を討ったのは天下の為と語る。

そこへ出陣した息子 十次郎光義が
瀕死の重傷で戻り、
戦の現状を語り出します。
(このときの十次郎【幸四郎さん】は、
止血のための白布が
背も腹も赤く染まっていた事から、
この深傷は、
体を突き抜かれてるのですね汗えーん汗
痛々しかったあせる

そして戦の現状は
味方軍勢が、
後方から現れた佐藤清正(加藤清正)に、
不意をつかれて総崩れ。
一刻も早くここを離れ
本国へ落ち延びるよう、父 光秀に勧めます。

死に臨んでも、
父 光秀を気遣う
十次郎の様子を見た皐月。
尚も光秀を責め、
2人は共に息絶えていきました。

そこへ佐藤清正、真柴久吉が姿を現し、
早速斬りかかろうとする光秀を
久吉(秀吉)は止めます。
ここでやり合うので無く
決着は合戦の場で出そう
と改めて申し出て、
後日の決戦を約束し、別れ。
〜ここで幕〜

**************

光秀母・皐月【東蔵】
息絶える間際のセリフ、
『孫と一緒の死で三途…』という言葉には
武家に生きる女の覚悟というものを
死に際に大いに見せられた感が有りました。

又、光秀息子・光義【幸四郎さん】が、
こちらも息絶える間際の、
『もう目が見えぬー』
大変に切なかったです

明治時代前までは
理由によっての可否は有れど、
仇討ちが許されていた私たちの国日本。

理由があれば相手の首を討ち取っても
罪に問われないとは、
今の時代では考えられません。
(自分の親を殺されたら、
仕返しに相手の首を取っても良いとは、
今の時代は例え情が許しても、
法では許されないのが現状です)

この物語では
光秀が謀反を起こしたことで、
結果大事な2人が命を落としてしまいます。
この時代特有の感覚では有りますが、
忠臣蔵然り、
相手の首を討ち取る事を
許されていた時代の日本と、
それを美談悲談と捉えていた
我が意識に気づき改めて驚いた次第。

実母・皐月【東蔵さん】と、
光義【幸四郎さん】
命を落として切なかったです。

人を殺すことは、
まわりの皆をも不幸にするから、
だから人を殺しては無らないのでしょう。
光秀さん、
どこからどう見ても
あまりに無常理で無茶ざんまい。
我をも含め、全ての者が不幸になるから、
いくらムカついても
謀反・絶対・ダメニヤニヤ汗

(でもそれが無ければ
この物語は成り立たないのでした笑い泣き

幸四郎さん、すごく華があってキラキラ
どんな姿・役であっても
舞台に立つだけで華が立つのは、本当に素敵キラキラ


2.勢獅子(きおいじし)

江戸三大祭りの ひとつである、
日枝神社の山王祭。

賑やかな祭礼の中、
やって来たのは 
鳶頭の鶴吉【梅玉】と亀吉【芝翫】、
人気芸者のお駒【魁春】と、お京【雀右衛門】

そのほか鳶の松吉【福之助】や、
竹吉【貴之資】、正吉【歌之介】

皆、総出で踊っていると、
そこへ獅子舞がやって来て、
飛び交う蝶に戯れ始め、
終い近く獅子舞の中から、
踊り手の鳶が現れて、
おかめと
ひょっとこの面をかぶって面白く踊り、
こうして一同が賑やかに勢揃いして
目出度く舞い納め。

******************

なんと言っても、
若い世代の役者さんお二人の
獅子の舞に見惚れましたキラキラ

『飛び交う蝶に戯れる獅子
の場面のは、
牡丹の花が描かれた扇2枚を
持って、合わせて、
蝶と見立てています。

蝶は花から花へ飛びまわり、
その花の繁殖を手伝っている事から、
花蝶はペアになることで、
子孫繁栄を意味します。
目出度い組み合わせですよね。

その上、獅子は、
“邪気を払う魔除けの意味”を持っていますし、
この上なく新春にふさわしい題材です。

又、獅子牡丹の組み合わせも、
唐獅子牡丹】という言葉を
よく耳にするように、
獅子牡丹それぞれが、
『百獣の王』と『百花の王』という事で
最良のペア題材としてよく使われます。

この獅子舞も御多分に漏れず、
その獅子と、
蝶に見立てた牡丹がペアになっています。
新年の幕開けに最良の題材の舞でしたキラキラ

また、獅子牡丹と組み合わされる
もうひとつの理由、
【獅子身中の虫】(しししんちゅうのむし)
という言葉があるように、
外敵のいない百獣の王の獅子でも、
体内に寄生した
ほんの小さな虫一匹に体を蝕(むしば)まれ
命を落としてしまうことがあります。
そのような理由から獅子は、
虫下しの効果がある牡丹を食べて
体内に潜む敵から身を守るとされています。

そして仏教では、
体内に潜み内側から蝕むこれを
煩悩と捉えます。
私たちの心を翻弄させ惑わせるものは、
決して外的なものばかりではなく、
身の内にある煩悩が原因となっていて、
そのような己の姿に気づかせてくれるのが、
仏の言葉=牡丹であり、
解毒に導くとされています。
 そんな観点からも、
やはり獅子牡丹
最良の組み合わせなんですよね。

イヤホンガイドでは、
獅子は牡丹の露にあたり
腹の虫の虫下しを図っていると
言っていましたが、
地域性や諸説があるのでしょうか。
いずれにしても【獅子】と【牡丹】
最良の組み合わせである事に違いはなく、
まあ、なんとも優雅で雅な舞いでしたキラキラ

牡丹の蝶の舞いが下がったら、
さあここからは
福之助さんと、鷹之資さん
若いお2人の
更に息合った舞いでした!
耳の後ろを掻いたり、一回転したり、
2人の息が合っていないと魅せられません。
緑地に獅子の毛並みを表す華鬘(けまん)模様
獅子が眠気を催してこくりこくりとする様も 
誠にお見事!キラキラ

中村歌之介さんの、
センスの良さと光る芝居に
目が離せませんでしたキラキラ

緑地に獅子の毛並みを表す華鬘(けまん)模様
獅子が眠気を催してこくりこくりとする様も
愛嬌あって可愛らしくもありました。

続く→
(次は、夜の部最後の演目、
【 松竹梅湯島掛額 】
あらすじのみページです。