圧倒された未来感! 《初音ミク》のパリお披露目ツアー | 西方見聞録(旧パリレポート)

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2015〜2020年パリ、2020年4月に本帰国しました。帰国後も”これは!”と思うものを探し、レポートしています!!

凄い、、、

いやー、本当に凄い、、、

先日、”凄いもの”(凄いパフォーマンス)を
見てしまいました。

今年の”凄いもの見た”3本指に
入ると思います。
(他の2つは、演劇『贋作 桜の森の満開の下』、映画『ボヘミアン・ラプソディー』)

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その、2018年に観た
《3つ目の”凄いもの”》と言うのが
先日初めてのヨーロッパ公演、
という事でパリにやって来た
“初音ミク”のコンサート

“初音ミク”??

その名を聞いて
眉をひそめる方も多いかもしれません。

確かに私もそうでした。

この”初音ミク”という
アーティスト、どれぐらい知っている方が
いらっしゃるでしょうか。

アーティスト、と書きましたが、
正解にはちょっと違うかもしれません。

“初音ミク” とは、
簡単に言うとバーチャルシンガー
日本が世界に誇る「電子の歌姫」です。
こちらがその”初音ミク”です

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いわゆる
オタク系の方に人気が高く、
正直個人的に関心がなかったのですが

今回、国際交流基金と
ラ・セーヌ・ミュージカルという
パリの巨大なコンサートホールの主催かつ

日本文化・芸術の祭典
「ジャポニスム2018」の一環として
パリ公演が実現。

好奇心が旺盛な奥さんが
「せっかくだから行ってみよう」と
チケットを購入し、
先日コンサートに行ってきた、
と言うわけです。

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“初音ミク”がパリでコンサート、
と聞いて思ったのが、

「へー、”初音ミク”って
コンサートやるんだ」

「パリでやって人入るの?」

と言うもの。

この感覚、全くズレてました、、、

チケットは発売するや即完売。
「え!? 初音ミクって
パリでそんな人気あるの?」

と驚き、迎えたコンサートの日、
会場であるラ・セーヌ・ミュージカルに行くと、
セーヌの中州に浮かぶ、日本人の建築家が設計したコンサートホール(^^)

入り口には大行列が出来ていて
人の多さにビックリ。
ちょっと写真がうまく撮れませんでしたが、入り口前に長蛇の列が、、、

ちなみに上の写真は夜、かつ
角度がイマイチなので

ラ・セーヌ・ミュージカルが
綺麗に撮れませんでしたが、
昼、いい角度から撮るとこんな感じ。
写真はbedoutよりお借りしました

日本人設計の、
かなり近未来的なデザインです!

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凄い行列に圧倒され、
その人気の高さを認識しながら
いざ会場の中へ。
会場前の巨大スクリーンには、”HATSUNE MIKU”の文字が!

会場入り口には、ジャポニスム2018の看板!

会場の中に入るや
その熱狂の凄いこと!
凄い歓声です

巨大なコンサートホールの一階は
座席がなく、スタンディング。
それでも満員電車並みにぎっしりで
隣の人のジャンピングが当たって
大変な状況。

どれだけの人が入っているか
想像いただけると思います。

2階は座席になっており、
奥さんは本当はそこの席で見たかった
ようですが、即完売で買えなかった、とのこと、
ぐるっと囲む2階席ももちろん満席

と、とにかく凄い人の多さですが、
そんなことより
“初音ミク”のライブです。

人生で初めて”初音ミク”を聞いたし
ましてやライブを見ましたが、

これが
スーパーハイクオリティー‼︎

音楽は好みがあると思いますが、
何が凄いって、

バーチャルシンガーの”初音ミク”が
まるで本当にそこにいるかのよう
舞台設定のテクノロジー。

透明な(?)巨大モニターに
“初音ミク”を映し出し、

そこに後ろからも
スポットライトを当てているので
本当に”初音ミク”がそこにいるかのような
そんな感覚に捕らわれ
正直全く違和感がありませんでした。
(難癖付けようと思えば、付けられますが)

そして、”初音ミク”の激しい動きと
音楽がぴったり一致していることにも驚愕。

「え? そりゃパソコンで
あらかじめ音楽と合わせて初音ミクの
動き作ってるから当然では?」

と思うかもしれませんが
音楽はバンドによる生演奏なので
実際にドラム、ギターが
“初音ミク”の歌とともに
演奏しているわけです。

(もちろん、”初音ミク”の動きに合わせたベースとなる音楽があって、それに合わせて演奏しているのでしょうけど)


そんなわけで、
リアル感に溢れた、バーチャルなライブ
となっており、

めちゃめちゃ新しい!!!
びっくりびっくりびっくりびっくりびっくりびっくりびっくり

と感動したわけです。

百聞は一見にしかずなので
ライブの動画見てみてください。


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ちょっと長くなって申し訳ないですが、
ここで感じたのが、

「これはもうすぐ、AIアーティストの
時代になるかもな」

というもの。

正直”初音ミク”はバーチャルなので
人間ではないわけです。

私はこれまで
アーティストの魅力は音楽だけではなく
その《人間性》にある、
と思ってきました。

例えば、
私は宇多田ヒカルが好きですが、
果たして私は宇多田ヒカルの人間性って
どれぐらい分かってるんだろう、、、

いや、厳密にいうと
宇多田ヒカルの本当の人間性に
果たして興味があるのか。

それよりも私の場合ですが、
宇多田ヒカルの歌う曲の世界観、
そして彼女のパフォーマンス、
そして”彼女が演出する彼女”、
に関心があるような気がします。

つまり、私が知ってる宇多田ヒカルは
実は宇多田ヒカルが自己演出している
“宇多田ヒカル”なのかもしれない、と。

そして、その演出された
“宇多田ヒカル”が好きなのであって、
それ以上、「いや、本当の彼女を知りたい」
とまでは、私の場合ならないわけです。

宇多田ヒカルが演出した
“宇多田ヒカル”という作品が好きなのだと。

こんなこと言うともっと深いファンに
〈浅い!〉と言われそうですが、
個人的には宇多田ヒカルの曲を聴いたり
彼女のミュージカルビデオを見たりして
楽しむだけなので、
私にとっては充分なわけです。

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しつこくなりますが
まだ言うと、

例えば映画や小説の登場人物を
好きになることがあるかもしれません。

ハリーポッターを好きになったり
スターウォーズのヨーダを好きになったり。

つまり、結局人間は
自分の頭の中で、
好きになる対象の像を作り上げていくもので

それは本当の人間でも
フィクションの登場人物でも
バーチャルアーティストでも

それは同じなのだと。

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つまり、
正直今回”初音ミク”のコンサートを
見るまで、

“バーチャルシンガーって、、、”
と思っていましたが、

人々が熱狂している様子を見て
またバーチャル世界の進化を目の当たりにして
「これはもしかして、人が
アンドロイドと恋愛する日も
遠くないかもな」
とまで思ったわけです。

さらに長くなって申し訳ないですが、
昔『ブレードランナー』という映画があって
大好きだったのですが、

その映画は、
“レプリカント”と呼ばれる
アンドロイドが自由を求めて人類に
戦いを挑む、というもの。

1982年と36年も前の映画ですが、古さは1ミリも感じられません。設定は2019年。来年です

ネタバレになるので書けませんが、
最後、レプリカントが人間にしたこととは、、、

人間らしさとは何か、

今回の”初音ミク”を見て
この映画を思い出しました。

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結局何が言いたいのか
支離滅裂になってしまい申し訳ないですが、

今回、かなり衝撃を受けたので
長く書いてしまいました。

ではこの辺りで!

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