※再掲①※ 治らないと告げられたら | ブラックジャックの孫 間 黒助 の ガン治療研究ブログ

間 黒助です。

 

毎日たくさんのがんの患者さんとメールのやり取りをしているのですが、

誰もがいつか訪れる「死について」常々イメージすることの大事さを痛感しておりますので、

前に書いた記事を再掲いたします。

 

※以下の記事で「がん」を「ガン」とカタカナで記載しているのは平仮名が連続で続くと読みにくいからです。



日本では2021年には年間38万人以上の人が、
ガンによって死亡しています。
言い換えれば、
これだけの数のガンを治すことができなかったということです。
もちろん治る人の数もそれ以上になるのですが、
ガンが治らない状態になる可能性は、
現在健康な人も含めて、
ほぼすべての人に起こり得ることです。

多くのガンで治るのが難しい状態の方々とメールのやり取りをしていますが、
多くの人が、
「1年前には自分がこんな状態になるとは思いもしなかった」
と言われます。
裏返して考えると、
現在何事もなく生きている人にも、
同じ状況がやってくるかもしれないのです。

ガンが治せない状態になったということは、
命の終わりが見えてきたということですから、
人生の一大事だと感じるでしょう。
それまでガンと戦ってきた人であれば、
ある程度の覚悟もできているかもしれませんが、
いきなり告げられたら青天の霹靂ですし、
そういう事態になることを考えないようにと避け続けてきた人には、
最後通牒のように感じられるかもしれません。
しかし現実には、
治らない状態になったと告げられる可能性はなくせません。
残念にもそう告げられたら、
どんなふうにこの事実と向き合っていけばいいのでしょうか。

まず大切だと思うのは、
正しい判断ができるような心の状態を保つことです。

どんな人でも、
多かれ少なかれ気持ちが動揺するでしょう。
医師をはじめとした医療関係者は、
動揺することを想定してそれなりの配慮はしますが、
心の中までは見通せません。
頭が真っ白になっていても、
「大丈夫です」
と答えてしまうと、
医師はそれ以上の心配のしようがありません。

最近はガン医療に携わる医療機関では、
心の問題に配慮する体制も整えられているので、
遠慮せずに相談してほしいと思います。

次に大切なのは、
「何が起こっているか」
について正しい情報を得て、
きちんと把握することです。
医師によっては、
治せない状況になると病状説明が曖昧になったり、
病状が進んだことを、
あえて言わない方針をとっている医師もいるようです。

確かに患者さんにとっては、
辛いところにさらに追い打ちをかけられるような情報はありますが、
それでも正しい情報を知りたいと望む人に対しては、
十分な配慮の上で、
時期を逃さず伝えるべきだと僕は思います。

患者さんには、
自分自身の残り時間をどのように過ごしたいかを決める権利があります。
その判断をする際に、
正しい状況が見えていないと、
間違いや後悔のもとになります。

もちろん患者さんの中には、
「悪い情報は知らないままでいたい」
と言う人もいます。
治すのが難しい状態になったときに、
そのことを知りたいのか知りたくないのかについては、
あらかじめ家族や医師に要望を伝えておきましょう。
ただし、
誰にでも事実を知りたい気持ちと、
悪い情報は聞きたくない気持ちが同居していて、
その割合は常に日々変動します。
1度要望を伝えたからといっても、
変更できないわけではありませんから、
気持ちが変わったときには、
それを伝えるようにしてください。

治せる見込みがなくなったことを知らされれば、
誰でも気持ちが落ち込みます。
厳しい現実から逃げてしまいたい、
正面から向き合いたくないと思うのも当然ですが、
逃げようと思っても逃げ切ることはできません。
少しずつでも構わないので、
正面から現実との距離を詰めていくほうが、
結局はプラスになることが多いように思います。

向き合わなければならない現実というのは、
どういうことでしょうか。

1つ目の大きな現実は、
命の終わりが見えてきたということです。
正確な残り時間まではわからなくても、
大体の目安はつきます。
いつかは……と思っていたことが、
急に現実として目の前に突きつけられるのです。
ここで勘違いしてはいけないのは、
命の終わりが突然自分にだけ現れたわけではないということです。
命が限りある長さであることは誰にとっても厳然たる事実です。
今の状況は、
その命の終わりまでの距離が見えたということにすぎません。
命の終わりが見えたからといって、
絶望することはありません。
まだまだできることはたくさんあるのです。

2つ目は、
ガンと向き合う姿勢です。
それまでと同じ「闘う姿勢」でいると辛くなります。
治せない病気に対して、
闘って勝つことはもう望めません。
闘うことにこだわっていると、
「負ける」という意識がどうしても頭から離れなくなります。
人生の最後を、
負けたという気持ちで終わってほしくはないのです。
ここでガンと向き合う姿勢のチェンジが必要になります。
完治を目指して闘っていたときには、
ガンは倒すべき敵でした。
今後は、
命の終わるときまで付き合っていかなければなりません。
敵だと考えている限りは、
勝ち負けにこだわって苦しくなってしまいます。
迷惑ばかりかける厄介な奴だけど、
最後まで一緒に生きていくことになったからには、
仕方ないなと腐れ縁の悪友のように捉えてみてほしいのです。

 

 

 

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