〈国立ハンセン病資料館〉日本財団・笹川保健財団は稲葉さんと大久保さんの不当解雇を撤回してください | すくらむ

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国家公務員一般労働組合(国公一般)の仲間のブログ★国公一般は正規でも非正規でも、ひとりでも入れるユニオンです。

 

日本財団・笹川保健財団は不当解雇を撤回してください

 東京都東村山市にある国立ハンセン病資料館は、厚生労働省の委託団体により運営されています。2016年度からは日本財団が資料館の運営を受託し、今年4月からは笹川保健財団が受託者となりました。笹川保健財団はこの受託者交替に乗じて、資料館で働いている学芸員等に対して採用試験を行い、学芸員の稲葉さんと大久保さんの2人を不採用としました。稲葉さんと大久保さんは国公一般の組合員として、ハラスメントの根絶や労働条件改善のために日本財団との団体交渉を重ねていました。

稲葉さんと大久保さんを、国立ハンセン病資料館に戻してください!

 稲葉さんと大久保さんの不採用による雇い止めは、組合つぶしの不当労働行為であるとして、国公一般は5月8日に東京都労働委員会に救済申し立てを行い、すでに2回の調査期日が開かれています。
 人権啓発の場であるハンセン病資料館で働く労働者の権利を侵害する不当労働行為は許されません。不当解雇を撤回させて2人の尊厳を取りもどすため、みなさんのご支援をお願いします。

組合員を監視カメラで日常的に監視!!
組織ぐるみの明白なハラスメント


 国公一般・国立ハンセン病資料分会の組合員2名が不当解雇された問題にかかわり、資料館の事業部長や現職の学芸員らが組織ぐるみで組合員を日常的に監視していたことが明らかになりました。
 資料館の部長らによる監視行動は、なんと資料館に設置されていた防犯用のカメラを用いて行われていました。カメラを用いて監視した事実は細かくエクセルシートに記載され、資料館内の共有フォルダに保存されていました。
 これらのチェックシートには、たとえば女性組合員が何時何分にトイレに行き、何時何分にシャワー室へ入ったなど細かい記載が生々しく記載されています。このような組織ぐるみの「組合員いじめ」は明白なハラスメントであり、国立ハンセン病資料館としての体質としてふさわしくないことも明白です。
 国公一般はこれを「財団の不当労働行為意思を示す明白な証拠」として、都労委に提出。財団側の明確な説明が求められます。

●国立ハンセン病資料館とは
 1993年6月25日、高松宮記念ハンセン病資料館として開館。自分たちが生き抜いてきた証としての資料を残す活動として1969年以来とりくんできた多磨全生園入所者自治会図書室をベースにして、全国のハンセン病療養所入所者自治会で組織する全国ハンセン病療養所入所者協議会(全療協)が実質的に設立しました。入所者自身による手作りの博物館施設で、主な目的は、自分たちが生き抜いてきた証を残すことと、社会に同じ過ちがくり返されないよう訴えかけることです。
 2007年3月31日、国立ハンセン病資料館としてリニューアルオープン。らい予防法違憲国家賠償請求訴訟における原告勝訴を受けて、国が補償の一環として名誉回復措置を講じるためにハンセン病資料館を拡充したものです。この時から、ハンセン病患者・回復者の名誉回復が資料館の目的に加わりました。

●資料館でのハラスメント(一部)

2016年2月~
P氏(多磨全生園入所者で国立ハンセン病資料館運営委員、語り部)による稲葉さんに対するパワハラ・侮辱・名誉毀損が始まった。

2018年1月~
国立ハンセン病資料館館長による、特定の職員を対象とした暴言が日常的に行われるようになった。

2018年 春~
館長による大久保さんに対するセクハラがたびたび行われるようになった。

2018年 秋~
館長の非常識な行動および指示を大久保さんが拒むと「辞めろ、辞めちまえ、辞めさせてやる」と恫喝され、同時にパワハラが行われるようになった。

2019年1月
館長が年頭の訓示で「あの学芸員気にくわねえよって、ひとこと言ったらね(…)どこかすっ飛ばすんだよ。辞めるか、飛ぶかだ」など職員を前に語った。

2019年4月
H事業部長・N事業課主任・O社会啓発課長が、大久保さん・田代さんの担当事業を一方的に取り上げようとし、春以降は、同じ事業課員でありながら田代さんと大久保さんを排除して、N事業課長とK、H学芸員の2人の事業課員だけで事業課の事業を決めていくようになった。

2019年10月~
事業課内においてN課長、K、H両学芸員の3人が事業を計画し、決定するまで、あるいは実施したことすらも田代、大久保両学芸員には知らせないという露骨な排除が日常的にくり返されるようになった。また事業計画の見直しを行うとして、H部長とN課長が田代さんと大久保さんを個別に呼び出し、従来の担当事業の取り上げと新たな事業の担当を一方的に通告し、了承を迫った。

2019年12月
他の学芸員などには配布・回覧されていた来館者調査報告書が、稲葉・田代・大久保の3人には周知されなかったことについて、12月9日、1月6日と2回の団交で理由説明と配布を求めたが、まともな説明はなく、報告書が配布されたのは2月7日であった。

2019年12月
療養所からの作品貸し出し依頼に伴い、資料管理課長である稲葉さんが展示作品2点を入れ替えたことについて、N課長が稲葉さんに対する言いがかりをH部長に伝え、H部長はN課長の言う「苦情」の妥当性を判断することなく稲葉さんを注意した。

2020年3月~
3月9日、組合は第1回目の記者会見を行った。すると日本財団は3月11日より、組合員3人について「監視カメラチェックシート」等と題する監視カメラによる行動記録をつけ始めた。これらのファイルは4月以降も更新されており、笹川保健財団がこの監視記録の作成を日本財団から引き継いだことが分かる。

 このように、資料館内における嫌がらせ等のハラスメントは枚挙にいとまがありません。2019年9月の分会結成後にも上記のような嫌がらせが多発・悪化している状況について、団体交渉でその改善を求めましたが、日本財団はコミュニケーションの問題と組合員に責任があるかの対応に終始しました。財団により資料館全体において組合を敵視・嫌悪する雰囲気が巧妙につくられてきたことの証左です。

 

 

▼ネット署名にご協力ください。

国立ハンセン病資料館で発生した不当解雇の撤回をもとめています。 不当解雇を撤回し、2人の学芸員を資料館に戻してください!