ライオン チャーミーマジカの解析2 洗浄性能を検証してみよう編 | 化粧品犬が化粧品開発を模索するブログ

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大手会社の開発に勤務していましたが、好きな化粧品を好きなだけ追求するため円満退職。
ノラ犬となった化粧品犬が、面白いと思った情報を発信していくブログです。
化粧品コンサルタントとして仕事も受けています。
パームアミノ・ラボ合同会社 imori@palmamino-labo.jp

化粧品犬です。

前回からライオンのチャーミーマジカの解析をしています。
今回は第2回として、洗浄性能を検証してみよう編(タイトル長すぎ?)をお送りします。
ええ、タイトルから分かるように、化粧品犬が実際に実験して。洗浄性能を評価してみようという企画です(^_^;)

ライオンさんでは小学校を回って、マジカの洗浄性能を実演しているらしいんですよ。
ナノ洗浄に子供たちもびっくり ライオン 小学校で食器洗いについて学ぶ実験教室を実施
http://www.j-cast.com/trend/2015/01/23226048.html
マジカの解析第一回目のエントリーを見ていただくと分かるように、同様な実験をyoutubeにも上げてます。
当然、この実演の比較対象は、現在は販売していない、自社の旧商品になってます。

しかし、化粧品犬ブログはヒモ付きでは無い個人ブログなので、何でも自由にやれますから。
どーんと、キュキュット! ジョイ! なんかと比較してみようと思います(^_^;)
日本の台所用洗剤は花王、P&G、ライオンのいわば三国志状態らしいので、実質日本の台所用洗剤の頂点を決める実験になるかと!・・・ちょっと大げさに言ってみした(^_^;)
では始まりです~。

さて、実験に先立ってまず外観やpHを測定してみました。
洗浄性の実験には、売上上位三社の中心製品である下記3品
1)花王 キュキュットレギュラー品オレンジの香り
2)ライオン チャーミーマジカ フレッシュピンクベリーの香り
3)P&Gジョイコンパクト オレンジピール成分入り

を使うつもりなのですが、これらの位置付けも知りたいので、各種商品を買って横並びで性状やpHを測定してみることにしました。結果が以下です。
各製品の写真の下に、製品の名称と、性状やpH測定データの表が来るようにしてあります。
ちなみに化粧品犬の好みで、各シリーズの通常品→手荒れケア品のように選んでいます。
除菌ラインについてが、今後まとめてやりたいので、外しています。(通常品で除菌機能がある物はこの限りでは有りません)

各種台所用洗剤の外観と性状とpH
 


ついでに、除菌機能や野菜を洗えるかなども調べたので表中に書きました。
花王はどの製品も野菜を洗えるようにしてあるんですね。感心しました。
pHも実測では7.0よりやや酸性よりです。これもポイント高い。
キュキュットレギュラー品は除菌ラインでは無いのですが、除菌機能があるのです。しかしそれでも、野菜を洗って良いということになってました。意外です。

ライオンの2品は、液性表示は中性で野菜を洗える値なのですが(中性でないと野菜洗いに使えないという、法律があります)、用途としては野菜洗いは不可になっていました。pHも中性ではあるものの、7.0よりは高いです。

ジョイは弱アルカリ性なので、法律的に野菜は洗えません
ちなみに学問的な定義としては、pH6~8の範囲が中性という事になっています。

またちょっと面白いのが、キュキュットの手肌ケアラインであるハンドマイルドで、この製品のみ10%に希釈すると、白濁してしまいました。もっと濃くして30%希釈でも、まだ濁っていました。このあたりに、手肌にやさしい秘密があるのかもしれません。

さてこれで、キュキュットハンドマイルド以外は10%に希釈できることが分かりました。
化粧品犬が実際にスポンジで食器を洗うときに何%ぐらい濃度で行っているかを確認したところ、5~10%の間でしたので、この後の洗浄試験は10%で行うこととします。

では洗浄実験へ。
感じとしては、ライオンさんが小学校でやっている、実演実験の追試を目指しています(^_^;)
サンプルとしては、上記の
1)花王 キュキュットレギュラー品オレンジの香り
2)ライオン チャーミーマジカ フレッシュピンクベリーの香り
3)P&Gジョイコンパクト オレンジピール成分入り
各10%溶液を100ml用意します。

また他の準備としては、2×10cmのテフロン板と、1%竹炭入りの食用オリーブオイル0.25gを使用します。
そして着色したオリーブオイルで、テフロン板に5cm×2本の線を書きます。
これをサンプル溶液に入れて、汚れの落ち具合を見ます。(室温24.6℃で実験)

オリーブオイルを付けたテフロン板を、サンプル溶液に入れてから一定時間後に写真を撮りましたのでご覧ください。

30秒後の様子
カメラをセットするために少し遅れましたが、まあ、スタート時点です。


3分後の様子
マジカは既に結構汚れが溶けてます。キュキュットも意外にがんばってます。
ジョイもがんばってはいるのですが、意外な程汚れが残ってますね。


5分後の様子
マジカははっきりと汚れが溶けてます。キュキュットも意外に健闘しました。
ジョイは他の二つに較べ、はっきりと汚れが残ってしまっています。


というわけで、メーカー間の洗浄勝負は、ライオンのマジカの圧勝ですね。
次点はキュキュット。ケツは意外にもジョイでした。


この洗浄方法はライオンの実演試験に準じたもので、こすりの無い洗い方なので実際の皿洗いとあわない部分もあるかもしれませんが、一面の真実は表していると思います。また、つけ置き洗いなどには、この結果はかなり反映されるのではないでしょうか。
@cosmeなどでは評価が割れるマジカですが、化粧品犬が実際に使用した感想も、大体この結果の通りですね。
まあ化粧品犬は手荒れを重視するので、キュキュットハンドマイルドははずせないのですが(^_^;)
最近は、補助用にマジカを使うようになってしまいました。
ただ手が荒れるんですよねー。これで手が荒れなければ良いんだけどな。

次回に続きます。
次回はマジカ最終回で、処方解析編の予定です。