川村真ニ氏の心に響く言葉より…


行蔵(こうぞう)は我に存(そん)す。
毀誉(きよ)は人の主張、我に与(あずか)らず我に関せずと存じ候(そうろう)。
各人へ御示し御座候とも毛頭異存(もうとういぞん)これなく候。
(勝海舟)


我が行いは自らの信念によるものである。
けなしたりほめたりするのは人の勝手である。
私は関与しない。
どなたにお示しいただいてもまったく異存はない。

福沢諭吉が書いた『痩(や)せ我慢の説』に対する勝の有名な返事である。
命を賭けて、信念を持ってやったこと、学者・福沢ごときにとやかく言われる筋合いはないというのである。

『日本人の心に響く名言』日本経済新聞社



勝海舟は、維新のとき、江戸を火の海にしないため、
内乱を避け、江戸城を無血開城し、官軍に勝ちを譲った。

後に、そのことを福沢は、「痩せ我慢の説」で、
官軍に対し一戦もせずに膝を屈するとは、幕臣としてあまりに情けない、と責めたのである。

実践の人は、その行動の結果を、後でとやかく言われやすい。
もっと、ああすればよかった、他の選択肢もあったろうに、と人から言われる。


行蔵(こうぞう)とは、世に出る、あるいは世に出ない、といった自分の行動のことであり、
いわば出処と進退。

自分の行動は全て自分の責任であり、貶(おとし)められようが、
非難されようが、すべて甘んじて受ける、という言葉は胸に突き刺さる。

ダンテは神曲の中でこう言っている。
「汝(なんじ)の道を行け、而(しか)して人の語るにまかせよ」

時には、断じて行わなければならないこともある。
自らの行動の結果には、一切言い訳をしない。
そして、言いたいものには言わしておけと、ニッコリ笑って受け止める。

行蔵(こうぞう)は我に存す、と覚悟を決め毎日を過ごしたい。



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