樹なつみ先生「一の食卓」5巻 | 白泉社のいろいろ

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樹なつみ先生の「一の食卓」5巻の感想です。

「一の食卓」は、明治4年、築地の外国人居留地のパン屋で働く西塔 明(はる)と、元新選組の斎藤一を中心にした歴史もの。
まだ日本人がパンになじめない時代に女性パン職人として奮戦する明、一の「今の仕事」や過去、上野戦争で孤児となった明を拾い職人に育て上げてくれた侍萌えの料理人フェリックス氏、パン職人仲間や一の新選組時代の仲間などが描かれていきます。

 

 

5巻は、前巻から続く一の過去話(江戸時代)と、

現在(明治時代)を舞台に明ちゃんが頑張る話。

(同年代の女友達ができたり、パン職人としてキャリアアップしたり)
流石巨匠、安定した力量で読ませていただけます。

この物語では一は、当時の男性としては大変珍しい位「先進的」に、

洋食の肯定や女性の社会進出、侍を捨てることへの割り切りがある人で、

その説明は彼の新選組時代や過去で築かれた思考基盤によって描かれます。

彼が通詞(通訳)を目指す少女や明に贈る言葉がいいです。


この物語は過去と今を行き来しつつ、一を描くことに比重が置かれているように見えます。
(個人的には明ちゃん推しですが、ちゃんと物語としても楽しませて頂いています。)

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2016年以降、白泉社が激変中なことについて、こちらで真面目なこと書いてます。もしよろしければ合わせてお読みください。

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