最近白泉社が変わった話 | 白泉社のいろいろ

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白泉社の作品や、最近白泉社が最近大きく変わってることとか

最近白泉社が変わったと思いませんか?


単行本派の方は現時点気づかない方が多いと思いますが、
久しぶりに雑誌「花とゆめ」や「LaLa」を見たら大きな変化が起こっていて、びっくりしました。(私も単行本派だったので。)
 

これがニーズで、自分は対象外判定受けたんだろうか、と思ったものの調べたら

読者や漫画家さんの意思ではなく

2015年に就任した白泉社社長の鳥嶋和彦氏が原因のようです。

 

悩みましたが、引っかかってる人は必ずいると思うので書いてみます。

(すみません、暗い話ですのでご注意ください。)

 

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花とゆめも、LaLaも、作風が大きく変わっています。別の雑誌として「乗っ取られる」勢い。

 

「質は低くても全く違うテイスト(集英社的とか)の作品」が次々載るようになり、

既存長編もやや勢い失い気味になったり。

 

「花とゆめ」が一番影響が大きいですが

「LaLa」も、看板である「夏目友人帳」や「赤髪の白雪姫」が

むしろ浮く位に侵食されている号まであって、大ショックでした。

ベテランぞろいの「Melody」や「別冊花とゆめ」は流石に改変しづらいのか

影響が少ないですが、それでもバイアスを感じるようになりました。

 

そして・・・率直に言って全体にすごく質が落ちました。
(話や構成や表現や人間描写など漫画表現技術など。)

 

何より、従来のような「白泉社らしい作風」の次世代生産が完全に絶たれていています

既存作を最後に、もう二度と、今までの白泉社のような、質が高く優しく思慮深い作品は生まれない体制に作り直されています。

(新人さんの登竜門、「ザ・花とゆめ」は、既に少女コミックの粗悪コピーのような恋愛漫画ばかりにごっそり入れ替えられました)


単行本派なので、1作ずつ見てると

「何となくテイスト違うけどこういうのもアリなのかな?」位に思っていたら

まとめて雑誌で見たら、雑誌全体にバイアスかかってると分かりました。

あちこちの作品見渡すと2016年から変わってるので調べたら、

2015年11月から社長交代し、

集英社ジャンプ出身で、ジャンプ界では 伝説のカリスマ編集者と言われる

鳥嶋和彦氏になりました。

 

そして、あちこちの発言みると「この人が原因かーー!」と。
 

「言葉で言うのは簡単ですけどね。本当はもう一回その雑誌が必要なのかどうか問いかけて作り直す作業をやらなきゃいけないんじゃないか。今この厳しい時代に、そんなふうに壊しながら作り直すというのは相当難しいとは思いますけれどね」
-『少年ジャンプ』伝説編集長が語る「漫画雑誌は一度壊して作り直せ」- 『月刊 「創」』2017年5・6月号

(ジャンプ立て直しの際)まず、前の編集長が立てた企画は全て潰した。(中略)同時にベテランの作家も全て切った。そして、編集部の連中の前で『新しい作品を作れない編集者には立ち去ってもらう』と言って、代わりに『作品を作った結果については、俺が全て責任を負う』と宣言した。」
「それが上手くいきだしたら、今度は競争原理をさらに徹底させた。作品を当てない編集者も編集部から立ち去らせることにした。一番大事なのは、担当者に競争原理を持ち込むこと</だからね。
 結局、やるべきことは作家と一緒だったんですよ。いかに編集者を短時間で効率よく失敗をさせていくか<。その過程で成果が出てくれば、編集もサラリーマン的な働き方はしなくなって、作家との向き合い方も変わっていく。ヒット作を出して、モノを作る喜びや痛みを知れば、おのずと人間は変わっていくんですよ。」
伝説の漫画編集者マシリトはゲーム業界でも偉人だった!- 電ファミニコゲーマー

佐藤氏:いや実は、僕はちょっと鳥嶋さんを心配しているんですよ。だって、白泉社というまったく新しい環境のなかで、任期3年という限られた時間で結果を残さなきゃいけないわけでしょう。それは普通に考えても、とても難しいミッションだと思うんです。
鳥嶋氏: そうだね。そうかもしれない。でも一方で妙な期待もされていて、「鳥嶋が来た」ということで何かが変わるんじゃないかとも思われている。――輝かしい経歴に彩られた「伝説の編集者」鳥嶋和彦、ですからね。
鳥嶋氏:だけど、会社を変えるのはやっぱり社員、それも若い社員たちであって、僕であることは絶対にないんですよ。
 だから、こうやって話しているけど、63歳の自分があと3年間で何が出来るのかは悩んでいるんです。たぶんそれは限られていて、1年目で古い体制を壊して、2年目で種を撒き、3年目で芽吹くかどうか……という感じだよね。
佐藤氏: でも、そのタイミングで社長を辞任するしかないのなら、「ただ壊しただけの人」という評価になっちゃうよ。そこを僕は心配しているんだよね。
鳥嶋氏:まあ、だからきちんと次の社長に託すところまでは絶対にやらないといけないんだけどね。それに、これは僕自身のモチベーションもあって、やっぱり自分が次のことに挑戦するためにも、ここできちんと成果は残したいんだよ。
伝説の漫画編集者マシリトはゲーム業界でも偉人だった!- 電ファミニコゲーマー

 


「既存の雑誌や会社や作品を壊して、自分色で作り替えたい」だけじゃん!

こんな理由で、白泉社の、

数十年かけて培われた高度な職人達の工芸品のような総合芸術が壊されているのか!


「最近の白泉社作品、自分に合わなくなってきて悲しい」

「これが皆のニーズなの?自分が読者対象外判定されたってことなのかな」

「楽しんでいる人に悪いし、悪く言いたくない。黙って去ろう」

 

そう思っている方、ぜひ声を上げてくれませんか。「元の白泉社に戻して」と。

 

好きな作品は褒めたいし、

暗い話して周囲に嫌な思いさせたくないから黙りますが、

それだけだと、「この方針の肯定票」に数えられてしまうのです。

周りに言うのに抵抗があれば、雑誌アンケートや編集部への手紙でも。

 

<もしよろしければ・・・>

より詳細には、外部ブログ「白泉社の少女漫画と方針変更のこと」で書いています。

ご覧いただけたら嬉しいです。(アメブロよりかなり固めの文で書いていてとっつきにくいと思いますが・・・)

(PCなら右側のカラム、スマホなら下部の「はじめにお読みください」にページリストが入っています。)

 

<後日追記>

*ネット上で私を実在の漫画家さんや編集者さんと混同される誤解を見かけますが、一介の漫画読みです。

*当ブログは漫画文化としての質低下や表現の自由の狭まり、1年前(数十年前ではない)にはヒットしていた作風の否定などを問題視しています。変化を否定してるのではなく、妥当性を欠く変化(劣化)を問題視しています。(「懐古」というご意見を受けて「?」と思ったので。アメブロは軽い読み物、外部ブログでは細かくという整理で書いています)

*「白泉社売り上げが右肩下がりであるため鳥嶋社長が投入された、現方針(集英社化)はやむを得ない」といった意見を見かけますが、日本雑誌協会に部数データが公表されている3大出版社+白泉社のデータで見る範囲では、グラフの通り、全社が右肩下がり。白泉社は資本金1/10以下の会社規模でありながら3大出版社と互角に戦っている(水色。シェア2割)上、シェアを伸ばしており、むしろ大健闘と思います(集英社がシェアを落としている)。随分理不尽な中傷に感じますし、「白泉社だけ丸ごと塗り替えるべき」とする根拠としては弱いと思います。

詳細(データご覧上の注意を含む)は外部ブログの「白泉社ほか少女漫画界の変遷のこと」にて。(なお、部数と純利益は比例しませんので一資料です。2017年9月休刊したAneLaLaもデータがなく計上されていません。近年フェア等版権ビジネスや電子書籍に突出して大きく力をいれてるので1,2年は収益自体は伸びるかも?)