~可能性を秘めたキノコ「たもぎ茸」の魅力を発掘し、伝えたい!~

うまP編集部ながです。
珍しいキノコ「たもぎ茸(たけ)」に魅せられてしまった「株式会社アスリー」の代表取締役、川谷彰紘(あきひろ)さんにお会いしました。たもぎ茸の美味しさを活かした、新たな食べ方を探って欲しい、とのご依頼です。

熱く意欲を語る川谷さん


たもぎ茸は、ヒラタケ科ヒラタケ属のキノコで、自生が見られる北海道などでは一般的だそうですが、本州以南ではあまり見ることができません。熊本県内での生産者も数少なく、人吉球磨地域では川谷さんが唯一の生産者とのことです。

(左)ハウスでは温 度と湿度の管理が重要です
(右)ハウスの中の様子。幻想的な雰囲気です


田んぼに囲まれ、澄んだ空気と美しい水が流れる環境の中に、国産の菌床を使用した、たもぎ茸を栽培するハウス(1棟40坪)が2棟あります。通年、温度18~24℃、湿度80%に保たれた明るいハウスの中では、1棟当たり3,000菌床のたもぎ茸がすくすくと育っています。

「たもぎ茸は成長しながら炭酸ガスを出します。空気がよどむと、たもぎ茸の形に影響し、光が一定しないとたもぎ茸の特徴であるきれいな黄色に悪影響を与えます。空調管理、光照射の調整などに気を配り、活水器などを使用して環境を整えているんですよ」と川谷さんが教えてくれました。

このたもぎ茸は、免疫細胞を活性化させるといわれるベーターグルカンがアガリクス茸の3倍近く含まれ、ビタミンEの7000倍の抗酸化物質「エルゴチオネイン」が含まれるなどのデータがあり、健康キノコとも呼ばれているそうです。

成長が早く、約5日で育つそうです


そんなたもぎ茸のお味は…?
この日、川谷さんに「生たもぎ茸の天ぷら」「乾燥たもぎ茸のスープ」「粉末たもぎ茸のクッキー」を作っていただきました。

まず、揚げたての天ぷらに塩を振りかけてパクリ…。軸の部分のシャキシャキ感とフワリとした食感の後に、独特の旨味と香りが追いかけてきます。

(左)揚げたてですよ!
(右)ダシがすごくしっかり出ます


乾燥たもぎのスープは、水とコンソメスープの素を入れたら出来上がり。旨みが凝縮した乾燥たもぎは、水につけるとすぐに戻るのが利点です。旨み成分(グルタミン酸)を多く含むため、お味噌汁やスープ、炊き込みごはん、パスタ、かき揚げなどレシピも多く、新たな料理の可能性も大です。
ちなみに川谷さんのオススメは「乾燥たもぎ茸をきんぴら風にして、それをかき揚げにしたもの。美味しいですよ!」とのことでした。

粉末たもぎ茸をお湯に溶かし、少しだけ塩味をつけて飲んでみました。いいだしが出ていて美味しい!魚介のような深い豊かな旨みを持つたもぎ茸は、日本のポルチーニ茸のような独特の食材になり得るのでは…?と想いを巡らします。

「免疫力や抗酸化力を上げる成分を多く含むといわれる、たもぎ茸の利点は、普段の食生活に取り入れられること。そして何より美味しい食材であることが魅力です。
ただ、これまでキノコはメインの食材ではなく脇役の存在でした。このたもぎ茸の美味しさを活かし、主役になり得る料理や適切な調理法などについてアドバイスをいただきたいです」と川谷さん。

今回、ぜひみなさんにこのたもぎ茸を味わっていただき、新たな食べ方のヒントをいただきたいと考えています。

作り手からの自己紹介

~たもぎ茸を普段の食生活に取り入れていただきたい~

Q.自己紹介してください!
株式会社アスリーの代表取締役、川谷彰紘です。地元でラフィティングのインストラクター、養護学校の教員、ホームヘルパーを経て、この会社を立ち上げました。
その背景にあったのは、進行ガンに侵された父が亡くなったことです。闘病中に抗ガン剤の副作用で苦しむ父を見て、その辛さが軽減できるものがないかと探していた時、たまたまこのたもぎ茸に出会い、高い栄養素や成分を含む食材であることを知りました。

たもぎ茸は、普段の食生活に取り入れることで免疫力を上げる働きが期待できるなど、今後さまざまな可能性を秘めた食材です。私が全力を傾けて生産を行っているたもぎ茸を、ぜひみなさんにも知っていただきたいと思います。

Q.会社について教えてください!
平成25年3月に創業しました。生たもぎ茸の栽培、乾燥たもぎ茸・粉末たもぎ茸の加工、販売(地元のスーパーや物産館、ネット通販)を行っています。たもぎ茸の収穫や加工などは、一つひとつ丁寧に手作業で行っています。

(左)乾燥たもぎ茸も旨味が凝縮してますよ
(右)刈り取り作業には神経を使います


うまPでやりたいこと

~たもぎ茸を新しい魅力や料理法開発し、ヒット商品を生み出したい!消費量・生産量 を上げ、雇用促進したい!~

Q.今回うまいもんPで実現したいことはなんですか?
多くの方にたもぎ茸の魅力を知っていただき、メイン料理になり得る食べ方や、新たな料理法のヒントをいただきたいと考えています。

Q.なぜ、たもぎ茸のPRや、新たな料理法の開発が必要だと思われるのですか?
地元のスーパーや物産館などで生のたもぎ茸を販売しているのですが、価格が1パック(100g)で350円程度と、他のキノコ類よりはるかに高い価格であるため、売れ行きが安定しません。

また、たもぎ茸の特徴の一つである綺麗な黄色を見て、「毒キノコみたい…」と言われることもあります。それらは全て、たもぎ茸の認知度不足によるものだと感じています。この美味しさを存分に味わえる料理法と、優れた成分などを知っていただき、消費量が上がることで生産量のアップや地元の雇用促進につながると確信しています。

Q.野望を教えてください!
たもぎ茸の収穫や加工は、一つひとつ手作業で行います。たもぎ茸の認知度が上り、消費量が増え、生産量が増えると、そこに雇用が生まれます。

以前、私が養護学校で教員をしていた時に、やる気と就業意欲があるけれど、働く場所がない生徒たちにたくさん出会いました。また、ホームヘルパーをしていた時には、在宅の障がい者の方々と多く接してきました。
当社のたもぎ茸が売れることで雇用を増やし、障がい者の方々が社会に出て交流する機会になればと考えています。

最後に、プロデューサーのみなさんに一言!
たもぎ茸を毎日の食生活に取り入れていただくための食べ方や料理法などのアドバイスをお願いします。
また、一般の方に広くたもぎ茸のことを知っていただくためにはどんな手段が有効でしょうか?
ご意見をどうぞよろしくお願いします!

たもぎ茸にも、川谷さんにも応援よろしくお願いします!

作り手のご紹介

株式会社アスリー
代表取締役、川谷彰紘です。
平成25年3月に創業し、生たもぎ茸の栽培、乾燥たもぎ茸・粉末たもぎ茸の加工、販売(地元のスーパーや物産館、ネット通販)を行っています。

住所:熊本県球磨郡あさぎり町岡原南269

URL:http://www.athree.info

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