休日にジャーナルを読む | terukunのブログ

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統計解析・経済学・マーケティングなどの雑記帳として用いているブログです。更新頻度は不定期です。

今日は、Advanced Macroeconomicsで紹介されていたジャーナルを読んでみました。
電子ジャーナルもいいけど、目が疲れるのでいつも印刷して読んでいます。
今日のジャーナルはEric M.Leeper(1991)の"Equilibria under 'active'and'passive'monetary and fiscal policies"を読みました。
Money in utility モデルのオイラー方程式から貨幣需要関数を導出し、Ad hocなmonetary policy ruleとfiscal policy ruleを代入して、中央銀行サイドのインフレ動学式と政府サイドの負債の動学式を求めます。この式の変数は対数線形化されて、定常状態からの乖離を示しています。
その二つの式のは差分方程式の形をとっているので、一期前の変数の係数が1よりも大きければ発散する方程式、1よりも小さければ収束する方程式となる。
二つの式で両方とも発散する式だった場合、モデルは収束しないので解は決まらない。
二つの式で両方とも収束する式だった場合、モデルはどこからでも収束してしまうので解が未決定となってしまう。
よって、二つの式で一方は発散する方程式、他方は収束する方程式である必要がある。
これをサドルパスという。
このジャーナルでは動学式の係数が1よりも大きい場合を'active'、1より小さい場合を'passive'と定義している。
よって、ここでは「金融政策が'active'で財政政策が'passive'」であるケースと、「金融政策が'passive'で財政政策が'active'」であるケースが均衡をもたらす。
「金融政策が'active'で財政政策が'passive'」なケースでは、経済に均衡をもたらすインフレ率を決める式がforwardlookingに決定される。
ちなみにこのケースではみんなが働き過ぎたらインフレ税によって税金が徴収されるという自動安定化機能が備わっている。
金融政策が'passive'で財政政策が'active'」なケースでは、みんなが働き過ぎても税金が十分に徴収されない(国債が積み増される)上に、インフレ率も反応しにくいモデルとなる。
どちらの方が経済厚生上望ましいのかな?
今夜はそれを考えてみよう。