どうも。
日本ではまだ感染爆発がないので、危機感はあまり感じられませんが、感染爆発起こった欧米はすでに恐怖につつまれているようですね。
 
そして今はまだ平穏に見える日本であっても、現在は薄氷の上を歩むような状態で、セオリー的にはかならず感染拡大・感染爆発が起こるとされています。
感染爆発状態にある米国では、来る恐慌に向けて220兆円という大規模の経済対策を打つという話にまでなっていますが、ここ日本でもすでに大恐慌は始まっています。
 
それにも関わらず、政府は、民間支出も含めた30兆円の対策でごまかそうとするばかりか、消費減税は見送られた挙句、旅行者向けに助成金を入れるという、今にも首を吊りかねない低所得者を無視したブルジョア優遇政策を講じようとしています。
 
しかもこれ、「民間支出を含める」ということは、昨年の台風や消費増税対策としてぶちあげた「事業規模26兆円の嘘」(実際は2年で13.2兆)の二の舞になりかねず、今回の30兆円という額も、真水部分は見せ金の半額、15兆円程度である可能性が高いのではないでしょうか。政府は、リーマン時の15兆以上にすると言っていますので、ちょっと色をつけて16兆くらいで誤魔化す可能性が高いと、私は見ています。
 
ちなみにですが、実際に結果として、令和元年の補正予算として組まれた金額はたったの4.3兆円でした。
補正予算4.3兆円というのは下図を見ての通り普段と変わらない額です。

 
まったく、怒髪天つきすぎて殺意が集団でタンゴを踊り出しそうな状況ですが、本日は、アメリカの対応に倣うべく、現地の識者の議論を聞いてみたいと思います。

3月20日に、ありそうでなかったステファニー・ケルトン教授(サンダース大統領候補の経済顧問・去年、本邦に我々が招聘しました)とアレクサンドリア・オカシオ・コルテス議員のラジオ共演がありました。
スターの共演ですね。
 
コロナ恐慌にどう対応するか、どうやって米国経済を救うのかを語る県談を、以下にまとめます。
 
▼ How to Save the U.S. Economy, With Alexandria Ocasio-Cortez and Stephanie Kelton
https://theintercept.com/2020/03/20/deconstructed-podcast-alexandria-ocasio-cortez-coronavirus-economy/
(注: まとめ・要約なので訳は正確ではありません)
 
キャスター:
ムニューシン財務長官は失業率が20%に届くかもしれないと発し、ゴールドマンサックスとモルガン銀行は、この四半期だけで米国のGDPが5%減少すると予測しました。
また今週の世論調査では、既に5人に1人が解雇されたか、労働時間を削減されたと答えています。
そしてバークレー大の経済学部教授アイチェングリーンは2020年の第2四半期の消費支出が約30%減ると予測しました。
この不況はまったく前例のないことです。
現在起こっているのは、9/11に相当する経済的、財政的な危機です。
この危機に対して共和党は給与税減税と個人への小切手給付を提案しましたが、まだまだ大企業や富裕層を優遇するいびつな政策となっています。
しかもこのような緊急事態にも関わらず民主党のペロシ議長はこの小切手給付案にさえ反対しています。
フランスでは家賃や税金など家計の固定費を一時停止し、イタリアでは住宅ローンを猶予、スペインでは全私立病院が国有化されました。デンマークでは失業の恐れのある労働者の収入の大部分を保証しています。
これらはまったく可能なことなのです。
 
AOC:
2008年の金融危機とは違い、株式市場だけではなく日常の生産活動がストップするような恐慌なのに、現在の対策では全く足りていません。
コロナショックの前でもアメリカ人の40%が緊急事態のための貯蓄が400ドル未満しかない状況でした。
リーマンショックの時は大企業を救済する為だけに制度設計されていました。実物の人間の健康保険よりウォール街の健康を重視したのです。
また、給与税減税は貧困層に届かないため、住宅ローン、家賃、奨学金のモラトリアム、税額控除や現金給付などの策を盛り込む必要があります。
 
ケルトン:
今週、上院で民主党議員らと話し合いましたが、前回の危機の教訓を生かせば、前回のような7870億ドルのワンショットの投入では少ないと結論づけられます。
対策を間違えるとすべてが終わります。
今提案されている1兆ドルで不十分ならさらに用意する必要もあります。
対策には二つの重要なことがあり、まず家計の現金流入を増やすこと、そして現金流出を止めることです。
企業の従業員に対する支払いのサポートや直接の現金給付も大事ですし、家賃や住宅ローン、納税や社保料、学生ローンの支払いのモラトリアムも重要です。
光熱費、住宅ローン、家賃、健康保険料をどれだけ猶予できるかによりますが、1兆ドルの対策では小さすぎるかもしれません。
3700万の雇用が来週には失われようとしている、カタストロフィーが雪崩になって押し寄せるのですから、できることは全てやるべきです。
 
AOC:
2008年の危機から経済を立て直すのに10年もの歳月がかかったと思います。
それは働く人の実質賃金が30年間殆ど上がっていないような経済だったからです。
構造的に労働者階級の実際の繁栄よりも、企業減税や補助金に頼ってきたモロさがそこにはあるのです。
 
キャスター:
興味深いことに、現在は、市場に政府が介入して巨額の補償をする大きな政府主義的な主張をすることに共産党員やリバタリアン、大統領まで賛成しています。
私たちはみんな社会主義者になってしまったのでしょうか?
 
AOC:
私たちはいつでも社会主義者でしたよ。問題は誰に対しての社会主義かです。
例えば働く人たちや家計ではなく、大企業や株主を救済するための社会主義であったのです。しかしそれらは偽善として非難の的になっていきました。 
インシュリンが買えず、苦しみ死にそうな人がいるのは今も昔も同じです。
今医療保険の欠如を緊急事態と考える人たちには、なぜ1ヶ月前、半年前、1年前に緊急事態ではなかったと考えたのかと問いたいです。
アメリカは死にかけていたのです。対処療法ではなく恒久的措置が必要です
問題の多くが相互密接であるため優先順位を付けるのは難しいですが、債務モラトリアムやUBI(ユニバーサル・ベーシックインカム)も講じる必要があります。そして今は出血を止めることが先決ですので、全ての働く人々への小切手給付も併せて必要です。
 
キャスター:
さて、オカシオ・コルテス議員は国会対応で多忙のため、ここでお帰りになります。
ケルトンさん、私はあなたに、すべての怠惰なジャーナリストと熱心な保守派が繰り返し強調してきた質問をしなければなりません。財源はどうしましょう? 経済対策費をどうやって支払うのでしょうか?
 
ケルトン:
私達はその最適な例をたった今経験していますが、先週、議会は最初の80億ドルの支出を決め、数日後1040憶ドルの予算が議会を通過しFRBに支出するよう命じました。そして今ホワイトハウスは1兆ドルの支出を計画しています。
政府はどこかから税金を集めてきて支出するわけではありません。
例えばサンダース上院議員は、メディケア・フォー・オールや大学無償化、奨学金ローン免除の財源をどうやって調達するつもりなのでしょうか。お金はどこから来るのでしょう。
その支出を、他の場所からもってきて賄うのでしょうか?防衛やその他の分野の予算に費やす金額を減らして、今回の対策に充てるのでしょうか?
例えば500億ドルの支出をする時、議会は法律を書き、FRBに指示するだけで支払うことができます。
もし税金を徴収する形で賄うのなら、後に人々に高い税金を課してその500億ドルを奪わねばなりませんね。
しかし私達が実際に先週見たことは、議会がFRBに伝えてドルを支出しただけです。
あなたからは何かが引かれることなどありません。
 
(*訳者注:ケルトンは説明を簡潔にするため端折っているが、FRBが実際に動かすのは準備預金である。政府が小切手で民間に支出し、その民間が持ち込んだ政府小切手と交換される形で民間銀行が通貨を発行する形となる。国債は民間銀行の資産の部にあるその分の準備預金と交換される
 
キャスター:
それは多くの人々を驚かせるでしょうね。しかし「ちょっと待って、赤字はどうなった?政府債務はどうなるのか?返済する必要がありませんか?」という疑問も生まれるでしょう。
 
ケルトン:
例えば、政府が「支出する」という法律を執行するとき、支出した500億が経済を巡り、そして経済の他の誰かから500億を取り上げるとしますが、これは赤字支出ではありませんよね? 
しかし議会が先週行ったことは、経済から何も取り上げることなくドルを費やすことであって、これを赤字支出と呼んでいます。
私たちは、赤字支出は財政的に無責任だというひどい教育を受けてきただけなのです。
 
キャスター:
例えば、人々がMMTについて語るとき、ジンバブエの例を出し、財政が制御不能になった時、中央銀行はお金を印刷するだけになるのでハイパーインフレに繋がると言います。特にこのような経済危機の時代ですから、リスナーに簡単に説明してください、MMTとは何でしょうか?
 
ケルトン:
実は、MMTはほぼ完全に記述的(descriptive)な研究です。
規範的(prescriptive)で政治的なものもありますが、MMTは主に、人々が今日の通貨システムの性質をよりよく理解するのを助けてくれます。
私たちは金本位制を採用してはおらずフィアット通貨(国が発行・管理する法定通貨)、そして変動為替制をとっています。
政府は自国通貨を発行していますが、金本位制でも固定相場制でもないとしたら、どれほどの政策的スペースが私達の周りに存在すると思いますか。
より良い経済を構築するために、金融システムの政策的スペースを最大限に活用するにはどうすればよいでしょうか?
それがMMTの本質です。
 
キャスター:
あなたが経済顧問を務めるサンダース大統領候補についてです。
興味深いことに、多くの人はサンダース氏が大統領候補になるにはあまりにも極端であると考えられていると同時に、彼の社会主義の脚本を認めています。なぜでしょうか?
 
ケルトン:
2016年の大統領選挙で大学無償化などの政策を訴え始めましたが、今では最終選考に残った大統領候補者たちが皆受け入れるまでになりました。Medicare For Allや奨学金ローン免除なども今では彼らに受け入れられていますが、これらはこの経済危機の間にも役立てることのできる政策です。私達の社会保障やセーフティネット、医療システムはとても脆弱なのです。
 
キャスター:
最後の質問です。大統領の支持率は55%になりました。アメリカ人の過半数が、彼が危機対策に賛成すると言っているのです。
これは民主党がこれまでの大統領の明らかな失敗を指摘するのに十分な声をあげられなかったからでしょうか?
 
ケルトン:
そうでしょうね、彼がテレビに出ているのを見て、人々は心強いのでしょう。
メディアも民主党も十分に追及できていないようです。
正直言って来週あたりはポスト9/11のような状態になっているでしょうね。
 
キャスター:
皆が国旗の周りに集まったようにですね。
来週大きな法案が通り、世の中が変化するでしょう。
とにかく私たちは皆、議会で選出された代表者たちが、支援を必要とするこの国の人々のために、一刻もはやく財政援助法を可決できることを願っています。そして皆さん、手を洗いましょう。
 

ーーーーーーーー番組は以上ーーーーーーーーー
 

安倍らの集団と日本政府を軸とする売国ネオリベ右翼と、立憲の執行部を中心とする緊縮バラモン左翼は、日本国民をイナゴ程度にしか考えていないため、絶対に消費減税を認めません。
 
みんなで「滅びろ!」「バルス!」と唱えましょう。
 
我々が真に評価すべき対象は、反緊縮右翼と反緊縮左翼ですね。
 
今日はここまで。
ご覧いただきありがとうございました。
cargo