今回は、プーランクのフルートソナタを紹介します。
彼は晩年、フルート、オーボエ、クラリネットそれぞれの管楽器のために三つのソナタを書きました。この曲は、そのひとつです。
三つのソナタの中で、私はこのフルートソナタがもっとも好きなので、紹介します。
プーランクの曲の中には、メロディーらしきものがなく、断片が組み合わさった意味がわからない曲もあるのですが(こういった曲のほうが多い気がします)、この曲は、プーランク節ともいうべき本当にすばらしい旋律が泉のようにあふれかつまとまった名曲です。

第一楽章は、憂いを含んだメロディーでおもむろに始まります。ちらほらと出てくる七連符で駆け上がったあとに下る部分がとても印象的です。その後、ピアノの重々しい和音のあと、力強い旋律が出てきますが、長くは続きません。そして、冒頭の部分が回帰し、その後静かに楽章が終わります。


第二楽章は、カンティレーナ(歌謡的な旋律を持った器楽曲のこと)と題されています。
彼がもっとも得意としたのは歌曲でした。おそらくその経験が生かされた楽章でしょう。
悲しげなメロディーが切々と歌われます。


第三楽章は、それまでの暗さを振り払うような明るさを持った楽章です。
中間部分で、第一楽章がちらりと回想されてから、冒頭のメロディーが現れ、最後は潔く全曲を結びます。