音楽を通じて一人でも多くの人が
幸せになってくれたら、と思います。
「僕 は滋賀の出身ということに誇りを持っています」。
インタビューはそのひとことからはじまった。T.M.Revolutionの活動を通じて、今や国内だけ でなく世界からも独自の音楽性が注目されている西川さん。音楽は小学生の頃からテレビで洋楽のヒットチャートを観るほど興味があった。
中学生の時、音楽好きの仲間に会えたことでバンド活動をはじめ、高校時代は地元の市民会館などで手作りのライブをやっていたとか。「野洲は遊ぶ所のない場所だったので、バン ドは遊びの延長というか、何かみんなで面白いことを探そう、そんな感じでした」。遊びの延長とはいえ、音楽に対する情熱は本物、プロへの意識もこの頃から 芽生えた。「滋賀は地方だからメジャーになるのは無理、そんな否定を聞くのは悔しかったですね。僕の場合、滋賀でやっていてもダメだという考え方はまった くなかったです」。
96年「T.M.Revolution」として活動を開始。ほどなくヒットを連発し、滋賀で生まれ育った無名の新人は瞬 く間にスターダムをかけ昇ることに。「西川貴教という個性や人間性と、ミュージシャンとしてのT.M.R.はある意味では別ものなんです。
これまでは T.M.R.として音楽のアプローチを探してきましたけど、これからは西川貴教の音楽性とは何かを問いながら、多角的にインプットとアウトプットを持って やっていきたいですね」。そう語る西川さん、気になる今後の展望を聞いてみた。「自分がアクションを起こす事で、音楽に興味を持ってもらえたらすごくうれ しいし、ベタな言い方ですけど僕の音楽を通じて一人でも多くの人が幸せになってくれたらと思います。またそれが僕の使命じゃないかと考えてますので、これ まで以上にできるだけたくさんの人とつながったり、何かを残せることをしたい。これからも地元のみなさんに恥じることがないようがんばります」。
4月から は全国ツアーもスタート。再来年にはデビュー10周年を迎え、地元の滋賀で記念イベントもやりたいという西川さん。僕たちにいったいどんな夢を与えてくれ るのか期待できそうだ。
【プロフィール】
1970年 滋賀県野洲郡生まれ
高校時代は自力でコンサートを企画運営するなど、積極的に活動。
96年「T.M.Revolution」として活動を開始。
「LEVEL4」「HIGH PRESSURE」などが大ヒット、
NHK紅白歌合戦に出場を果たす。
昨年は全国約40公演に及ぶツアーを敢行、
8月に米国メリーランド州で開催されたライブでは6000人の観衆を魅了した。