美術でめぐる日本の海 | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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横須賀美術館は、今年2017年でめでたく開館10周年を迎えました。
おめでとうございます!
それを記念して、現在、開催されているのが、
横須賀美術館とは切っても切れない 『海』 をテーマにした展覧会。

海


その名も、“開館10周年記念 美術でめぐる日本の海” です。
ちなみに、こちらは・・・

旗
傍


この展覧会のために特注したというオリジナルの旗。
神奈川県で唯一大漁旗の制作を行っている三富染物店が制作したそうです。
さすが10周年記念だけあって、気合が入っています。


さて、今回の展覧会は、全4章仕立て。
まずは、「日本の海を見る」 という章から始まります。
こちらでは、日本各地の海を題材にした浮世絵や、

登戸
葛飾北斎 《富嶽三十六景 登戸浦》


油彩画、日本画、写真作品などが紹介されていました。

古賀春江《海水浴》
古賀春江 《海水浴》


次から次に海が描かれた絵が登場するわけですが、

“そりゃ、海に囲まれた日本だけに、海を描いた絵は多いよなぁ”

という印象しか受けませんでした。
そして、ここには展示されていない海の絵も沢山あるでしょう。
まさに、大海の一滴。


続く章は、「船いろいろ」
こちらで主に紹介されていたのは、汽船会社のポスターと、

汽船
東洋汽船株式会社(天洋丸) 1917年 横浜みなと博物館蔵


トリスウイスキーのキャラクターの生みの親にして、
無類の船好きとであったイラストレーター柳原良平が手掛けた絵本の原画の数々です。

船
柳原良平 《『貨物船のはなし』原画》


章のタイトルに 「いろいろ」 とあった割には、
そこまで、「いろいろ」 無かった感じでした (笑)


第3章は、「日本人と鯨」
こちらでは、浮世絵や資料を通じて、日本人のクジラ文化が紹介されています。

山海愛度図会 早く見たい 平戸鯨
歌川国芳 《山海愛度図会 早く見たい 平戸鯨》

宮本武蔵の鯨退治
歌川国芳 《宮本武蔵の鯨退治》


展示された品々を見ていたら、日本人として、
大事にしないといけない文化なのだなぁと、改めて実感させられました。
クジラ漁に関しては、海外の一部の人からやんややんやと言われがちですが。
そういう意見に丸呑みされないよう、気を付けたいと思います。


さてさて、ラストは 「海への祈り」 という章。
展示空間に足を踏み入れた瞬間・・・

「!!!」

思わず目を疑ってしまいました。
展示室一面に飾られていたのは、大漁旗研究会の森庄平氏が集めた貴重な大漁旗コレクション。

大漁旗「第三源漁丸」


「白鶴まるのCMかよ!」 とツッコみたくなるくらいの数の大漁旗。
それが美術館に飾ってあるという。
おそらく二度と見ることはないであろうインパクト大な光景でした (笑)
星


ちなみに、現在、横須賀美術館の常設展示室の一部では、
“へんなあみもの 203gow 編んだ~わーるど展” という展覧会が同時開催中。

編
編


変な編み物を作り続けている編み師・203gow (ニイマルサンゴウ) さんの個展です。
お気に入りは、こちらの 《編みチャッカマン》《編みすりごま器》

チャッカマン


それから、《編み蛇口とレモン石鹸》

編み


スゴい技術なのに、スゴさが伝わってこないのが、スゴい。
203gowさんのこれからにも期待です。




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