・アルキメデスの大戦・・・ | 日本哭檄節

日本哭檄節

還暦を過ぎた人生の落ち零れ爺々の孤独の逃げ場所は、唯一冊の本の中だけ・・・。
そんな読書遍歴の中での感懐を呟く場所にさせて貰って、此処を心友に今日を生きるか・・・⁈

 梅雨明けも一週間過ぎると、太平洋高気圧も遠慮はしなくなったようで、けふの宮崎は、朝から炒られるような熱さを想わせる蒼空だった・・・。

 

 そんな熱さを逃げ、更に効率善く「お金(=エアコン代・・・)」も遣わず過ごすには、

「果たしてどうすれば善いか・・・⁈」

などと、姑息な知恵を働かせた禿げジジイが考えた妙案は、

「そうだ・・・、映画館に行けば善い・・・!」

との結論・・・(汗)

 

 定時ルーティンの

「夢屋カウンター・・・」

で、これも定番のチーズトーストを齧りながら「賢い電話(=スマホ)」を繰ると、宮崎市のAEON宮崎に在るセントラルシネマ宮崎で、

「アルキメデスの大戦・・・」

と云う作品(=新作)が、一昨日から懸かっているでは無いか・・・。

 

 作品のあらすじを読むと、

「1933年(昭和8年)。欧米列強との対立を深め、軍拡路線を歩み始めた日本。海軍省は、世界最大の戦艦を建造する計画を秘密裏に進めていた。この計画に反対する海軍少将・山本五十六は、巨大戦艦の建造がいかに国家予算の無駄遣いか、独自に見積もりを算出して明白にしようと考えていた。山本が目を付けたのは、100年に一人の天才と言われる元帝国大学の数学者・櫂直。ところがこの櫂という男は、数学を偏愛し、大の軍隊嫌いという一筋縄ではいかない変わり者だった。頑なに協力を拒む櫂に、山本は衝撃の一言を叩きつける。「巨大戦艦を建造すれば、その力を過信した日本は、必ず戦争を始める」…この言葉に意を決した櫂は、帝国海軍という巨大な権力の中枢に、たったひとりで飛び込んでいく。天才数学者VS海軍、かつてない頭脳戦が始まった。同調圧力と妨害工作のなか、巨大戦艦の秘密に迫る櫂。その艦の名は、【大和】…。」  (同サイトの作品紹介「ストーリー」を転載)

となっている・・・。

 

 ここら辺りの歴史には、滅法好奇心を示すジジイとしては、

「オオ、これは観て損は無さそうな・・・⁈」

な訳で、12時05分からの上映時間に合わせて、早速

「一路、MIYAZAKI-City・・・」

を目指し、

 

 

のチケットを「シニア割引(=1,100円)」で買い求め、いざ劇場内へ・・・。

 

 流石に、まだ公開三日目の日曜日とあって、本日二回目の上映ながら席は6、7割埋まっている気配・・・。

 

 この作品、スマホの情報に依ると、主演は、

「菅田将暉・・・」

と云う若手俳優だそうで、そのイケメン顔は辛うじて存じ上げてはいるような・・・(汗&笑) 

 

 

 で、脇を舘ひろしや橋爪功、國村隼人、笑福亭鶴瓶などが固めているとの事だが、そんな配役は兎も角、設定された時代にこそ興味をそそられた訳だが・・・。

 

 時代は、我が日本がまだ

「大日本帝国・・・」

と自惚れて居た1930年代・・・。

 彼の日本海海戦でロシアのバルチック艦隊を撃破(=1905年)した日本帝国海軍は、その余勢を駆って欧米列強をも睥睨した海軍保守派の

「大艦巨砲主義・・・」

に対して、今や

「仮想敵国化・・・」

したアメリカの桁外れの工業力を恐れる非(避)戦派の先鋒である山本五十六海軍少将らは、最早そんな戦艦の時代は終わって

「航空戦力の充実・・・」

こそが喫緊の課題だとして、

「航空母艦の建造・・・」

をこそ急ぐべきだとして、海軍省の幹部会議で意見対立すると云うストーリーである・・・。

 

 当時、この海軍増強(=軍拡)派と非戦(=軍縮)派の主導権の綱引きが激しく行われたのは歴史的事実でも有るし、作品に登場する海軍幹部軍人が実在の氏名で登場するので、

「果たして、この作品は実話か・・・⁈」

と錯覚しそうになるが、この作品は、実は

「三田房紀・・・」

と云う漫画家(=劇作家)によって描かれ「ヤングマガジン誌(講談社刊)」に掲載されているフィクションの実写映画化作品であるとの事だから、主人公である

「天才数学者、櫂直(かいただし)」

などと云う超人的人物は存在はして居ない・・・(笑)

 

 作品の良し悪し(=醍醐味の有無・・・)は人それぞれだろうから、それを論うことは控えるが、この作品を観た後、ふと考えた・・・。

 先々月だったか公開された

「空母いぶき・・・」

もだが、このところ、良くも悪くもこう云う形での

「軍略国、日本・・・」

を描く映画が、頓に公開される傾向に無いか・・・⁈

 

 まあ、然程の「他意・・・」は無いのだろうが、劇場に集って居た観客の年齢層の若さを眺めながら、

「若干の危惧・・・」

を覚えたのは、このジジイの撮り越し苦労だろう・・・。

 

 そんな危惧が働いたからだろうか・・・⁈

 2作目を待つ気力も失せたし、いい歳したジジイが独りで

「Toy Story 4・・・」

を観る度胸も無いし・・・(笑)

 結局、まだ午後2時過ぎの照り返す日中に放り出された禿げジジイは、

「このまま帰るには、些か中途半端だな・・・!」

と感じ、柄にも無く

「よし・・・、海を眺めにでも行ってみようか・・・!」

などと催し、AEON宮崎からもほど近い一ッ葉海岸に在る

「サンビーチ一ッ葉(=みやざき臨海公園)」

に行ってみた・・・(笑)

 

 

 宮崎の一ッ葉海岸は、

「白砂青松・・・」

をそのまま画にしたような風景だが、そこにアリーナ(=ヨットハーバー)が整備され、周囲に芝生を植えた公園が廻り、ブロックを敷き詰めた散策路が整備されている・・・。

(初めて来てみた・・・汗)

 

 

 少し先の宮崎港フェリー埠頭には、今夕出航するらしい

「神戸行フェリー・・・」

が停泊して居た・・・。

 夕方出航すれば、明日の朝には神戸の港に着けるから、貨物トラックや自家用車での旅行者などに人気が高いのだが、小生は、まだ利用した事が無い・・・。

 今度、是非一度利用してみようと想った・・・。

 

 

 空を見上げると、綺麗に抜け上がった蒼空が拡がって居て、一昨日東海地方に上陸した台風の余波らしい風が、幾分強く吹いて居て、案外涼しかった・・・。

 

 

 何の船かは識らないが、ただ一艘だけ停泊している船は、妙に画になるような・・・。

 

 

 散策コースでは、磯釣りが楽しめるらしく、夏休みの日曜日だけに家族連れが何組か釣り糸を垂れて居たが、その一本が、妙にしなって居た・・・。

 懸かって居るのは、どうやら「エイ」だそうで、手応えの割には旨味は無い(=食べられない)との事・・・。

 今の時期は、「鱚(きす)」が釣れるのらしいが、今日は、残念ながら釣果が上がって居ないらしかったが・・・。

 

 風の気持ち快く吹き抜ける東屋に座って、そんな長閑な光景を眺めながら小一時間ほどボーっと海を眺めて居ると、何と無くまた旅に出たくなって来る・・・。

 今年のお盆は、

「長い処は、9連休にもなる・・・!」

らしいが、果て然て、この夏は何処に行こうか・・・。