鬱払い ~ 歌盛り(うたさかり) ~ 声楽科入学二十周年 | 愛唱会ジャーナル

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外国曲にも積極的に取り組んで、脳の老化抑制を期待する  
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このところ、ちょっとした怪我や花粉症などで体調不良をかこっていた。寒暖の忙しい交替にも調子を狂わされたようだ。そんなこんなで当欄の更新もままならなかった。老化で気力も衰えたようにも思われる。

 

東京芸大声楽科入学二十年記念のコンサートを聴いたのが3日前、4月30日(日)、会場は早稲田のスコットホール。エネルギー溢れる歌声に気鬱を払われたように感じた。

 

遠縁のソプラノさんが出演するというので出掛けたのだが、他にもその名に聞き覚え、見覚えのある歌い手さんが少なくとも4名いた。

 

企業の文化活動、いわゆるメセナが盛んだったころ、ランチタイムコンサートなどの恩恵に浴していたのも今や遠い昔の思い出だ。

 

プログラムのタイトルに≪今 歌盛り≫と大書するだけあって、皆さん声量凄まじく、耳を聾せんばかりだった。司会者の言う通り、会場が小さ過ぎたのかも知れない。

 

お目当ての遠縁さんは地方在住、子育て真っ最中のピアノ教師という、声楽家としては不利な境遇で、やはり出演者の中では地味な印象であった。ソプラノの魅力とも言うべき高音の聴かせどころは無く、中音域での声量で面目を保っていた。

 

演目中、馴染みのある曲は、モーツァルト(魔笛)の「パパパの二重唱」と最後全員合唱(AC)、木下牧子の「鷗」、そして(盛大な拍手に応えての)R.シュトラウス(こうもり)の「乾杯の歌」だけであった。

 

最後の最高音三点Dによる歌い上げは、プロの歌手なら誰でもできるというものでもなく、これを聴いて、満足のうちに帰路に就いた。