『シンデレラ』実写版 アニメ版よりも豪華で美しいおとぎ話(再々掲) | アンパンマン先生の映画講座

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2024年4月26日に「金曜ロードショー」で『シンデレラ』実写版が放映される。そこで、参考のため2015年5月に掲載した「ネタバレの感想」を再々掲する。
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  評価 ☆☆☆☆★ 4/5

 有名な『シンデレラ』の実写版で、『アナと雪の女王』の続編の短編が併映されるとあって、ソラリスで見た。

先日見た『イントゥ・ザ・ウッズ』にもシンデレラが登場するが、『グリム童話』を原作にしていて、馬車やドレスを出したのは母親の霊で、靴は金の刺繍入りの絹製。城の舞踏会は3晩行われ、靴が脱げたのは王子が階段にタールを塗ったため。継母の二人の娘は、靴に足を入れるためにつま先やかかとを切り、最後は烏に目をつぶされる。など、結構残酷である。
本作『シンデレラ』は、馬車やドレスを出したのは、フェアリー・ゴッドマザーで、靴はガラス製。舞踏会は1晩だけで、靴が脱げたのは急いだため。継母の二人の娘は靴に足を入れるために何も工夫せず、烏に目をつぶされることもない。明らかにディズニー長編アニメ『シンデレラ』(1950)を元にしており、残酷な場面を避け、よりファンタスティックに描いている。
また、『イントゥ・ザ・ウッズ』のシンデレラ役のアナ・ケンドリックよりも、本作のリリー・ジェームズの方が美人で華がある。それと、『イントゥ・ザ・ウッズ』では4本のおとぎ話を並行して描いているので、時間の都合からか舞踏会の場面を描いていないが、『シンデレラ』の舞踏会の場面は豪華で美しく、本作をより華やかにしている。
本作の実写版『シンデレラ』はアニメ版と比べても良かった。まず、エラ(シンデレラ)は母親から「勇気と優しさ」について教えられ、父親にも愛情を注がれて生活していた。だから、継母と2人の連れ子にいじめられても、耐えることが出来たとわかる。本作は「勇気と優しさ」がテーマと分かって感動した。
アニメ版では、シンデレラと王子は舞踏会で初めて会って一目ぼれだったが、本作では、最初に森でシンデレラと王子が会い、お互いに魅力を感じた。この出会いの場面も美しい。また、王子が娘を探すために舞踏会を開いた事になり、納得できる理由になっている。12時になってシンデレラが急いで帰る時に国王にぶつかってお詫びを言い、国王もシンデレラの優しさを知り、王子とシンデレラの結婚を許した、と言うのも説得力がある。
また、継母は、シンデレラが王子と結婚するなら、権力をよこすように言い、断られるとシンデレラを閉じ込める。さらに、大公を脅迫して、伯爵夫人の地位を手に入れようとするなど、アニメ版よりも徹底的に悪役として描いているのも、面白みを増している。
技術の進歩で、カボチャ、ネズミ、トカゲ、アヒルがそれぞれ、馬車、馬、従者、御者に変身する場面がリアルである。また魔法が解けて、次第に馬車が崩壊していく場面もスリルがあった。なお、私の妻が「なぜガラスの靴だけ魔法が解けないの?」と言っていたが、馬車などは他の物が変身したのに対して、ガラスの靴は魔女が与えたからだろう。
ディズニー長編アニメ版を元にしていながら、アニメ版よりも美しく華やかに、面白くしている。評価は「4」。原題は『CINDERELLA』。継母の連れ子達が付けた、灰Cinder+エラEllaの造語で、「灰が付いたエラ」の意味。