とある二十代の独り言

10式戦車の装甲について

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さて、今回も10式戦車についての話題である。

 

10式戦車は陸上自衛隊の最新鋭戦車であり、現在も量産配備が継続中である。

 

その特徴の一つとしては、モジュール装甲の採用という部分がある。

 

脅威に応じて装甲の着せ替えが可能であり、技術革新により新しい装甲ができれば、装甲を新しいものに換装することが容易に行えるのである。

 

 

 

このモジュール装甲は、車体の軽量化にも大きな貢献を果たしており、従来の90式戦車が重量50トンだったのに対し、10式戦車は44トンと、6トンもの軽量化に成功している。

 

勿論、この軽量化には様々な要因があり、車体設計の工夫や、エンジントランスミッションの大幅な軽量化などが大きく貢献しているといわれている。

90式戦車の採用から20年経っている現在では、装甲技術も大幅にアップしているので、防御力を維持しつつ装甲の軽量化を行うこともできるので、そのような複合的な要因により10式は世界の同世代の戦車の中でも、最も軽量な戦車といっても過言ではない。

 

 

さて、いよいよ本題だが、

 

通常、戦車の装甲といっても、現代の戦車はすべて均一の装甲によっておおわれているわけではない。

被弾率が最も大きい車体前面と砲塔前面には「複合装甲」が施されており、それ以外の部分には防弾鋼板などによる装甲が基本となっている。

複合装甲はHEAT弾やAPFSDS弾による攻撃を防ぐ強力な装甲だが、戦車全周にこの複合装甲を施してしまうと、重量が無制限に増加してしまい、機動力が損なわれてしまうので、最も被弾率の高い部位にのみ複合装甲は設置されている。

 

 

 

そして、この複合装甲の設置範囲は、前方60度からの被弾に対し、乗員を防護できる範囲に設置することが基本になっている。

 

 

 

 

例① M1エイブラムス戦車の複合装甲配置

 

 

 

 

 

例② 90式戦車の複合装甲配置

 

乗員ハッチの位置を見るとわかりやすいが、いずれの戦車でも、前方60度の角度から乗員を防護できるように複合装甲が施されているのがわかる。

 

 

 

では10式戦車ではどうだろう?

まず、乗員ハッチの位置を乗員のいる場所と考え、上の2つの戦車の例を参考に、10式戦車の図に当てはめてみよう。

 

 

 

ハッチをぎりぎり覆う形で考えるとこのようになる。

90式戦車の例と比較しても、60度の支点が環境センサーの折り畳み位置となっているので、10式の防護区画もこの考えでまず間違いないとまずは仮定する。

 

 

 

 

さて、次は10式戦車の複合装甲は一体どこに存在するのか?という話であるが、実は10式は90式とは違い、複合装甲を含めた主装甲はモジュール装甲を含む装甲カバーにおおわれていて、外見から複合装甲の配置を推測することが非常に難しくなっている。

 

だが、現時点までに公開されている資料や写真から、おおよその装甲配置については大まかではあるが、ある程度は推測が可能である。

 

 

 

 

筆者の考える10式戦車の装甲配置①

赤で塗りつぶした位置が複合装甲

黄色が装甲カバー

緑がモジュール装甲

青が防弾鋼板等による装甲

 

筆者は装甲配置はこのようになっていると推測している。

 

しかし、この図をみてわかる通り、この複合装甲配置では前方60度からの乗員防護がなされていない。

 

 

この装甲配置で前方60度から確実に防護できる範囲は砲塔の中心部のみで、この状態では車長も砲手もカバーできていない。

 

車長、砲手ともにこの装甲配置でカバーしようとすると、前方25度程度の範囲の攻撃のみカバー可能ということになる。

 

10式戦車はモジュール装甲を取り外した砲塔の本体が、戦車後部に行くにつれて広がっていく形になっているので、砲塔前面を覆う複合装甲の幅は、車体後部と比較して、どう頑張っても狭くならざるを得ないのである。

 

 

 

さて、ここまで色々と推測してみると、いくつかの可能性が考えられる。

 

可能性①「複合装甲の防護範囲減少は別の要因でカバー?」

上で示した複合装甲の配置は、推測とはいえ、ほぼ間違いないと考えられる。

そして、この配置では前方60度からの乗員防護が達成されていない。

とすると、10式戦車はそもそも、敵戦車に側面から不意打ちを食らうような状況を想定していないという可能性が考えられる。

 

10式戦車は戦車では世界初のハイビジョンカメラによる画像認識技術を駆使した自動索敵機能や高度なセンサー、そしてC4I機能による情報共有により、敵を素早く発見し、追尾、攻撃することが可能になっている。

また、これも戦車では世界初の、新開発の無段階変速機能付ディーゼルエンジンによる高い機動性により、前進・後退いずれも時速70キロで疾走が可能である。

 

こうした新機能によって、10式戦車は常に敵を先に発見し、その敵戦車を常に正面に捕らえ、仮に攻撃されても、その高い機動性により被弾を避けるか、被弾を正面に限局させるというコンセプトなのかもしれない。

 

可能性②「脅威に応じ、モジュール装甲の中身が変化」

基本的な装甲配置は上の図に示した通りだが、10式戦車はモジュール装甲が側面を覆っていることをわすれてはならない。

通常このモジュール装甲はHEATのメタルジェットを外すための空間装甲ではないかと推測されているが、敵の脅威度に応じて、このモジュール装甲を別の装甲に付け替える可能性も考えられる。

76mm発煙弾発射器を覆う最前列のモジュール装甲は変更できないにしても、

その後ろからのモジュール装甲は脅威度に応じて別の材質の装甲に換装できるであろう。

 

たとえば2番目の装甲を複合装甲に交換すると、敵戦車からの前方60度からの攻撃にたいしての乗員防護が可能となるのである。

このほかにも、爆発反応装甲など各種装甲の追加も可能である。

 

外見の変化なしに、装甲の厚み、材質の変更が可能なのが、モジュール装甲の利点である。

 

 

10式戦車は通常の状態で44トン

 

最大で48トンまでの重量増加バージョンが存在するという情報がある。

 

この4トン分の重量追加は確実に装甲追加分の重さであるが、その追加される装甲も、側面だけではなく、上面や底面の装甲の存在もうわさされている。

 

現段階で最大重量バージョンがどのような姿なのかは不明であり、そもそも48トンバージョンが外見の変化があるのかどうかもわかっていない。

 

 

今後の情報に注意しつつ、10式の装甲についてさらなる情報がないか、今後も追及していきたい。

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