「休みたいなら辞めろ」発言 | 知財業界で仕事スル

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知財業界の片隅で特許事務所経営を担当する弁理士のブログ。

最近は、仕事に直結することをあまり書かなくなってしまいました。

本人は、関連していると思って書いている場合がほとんどなんですが…

「休みたいなら辞めろ」発言
http://www.j-cast.com/2008/04/27019540.html


「休みたいならば辞めればいい」「社員全員が休日返上で働く企業だから成長できるし給料も上がる。たっぷり休んで、結果的に会社が傾いて人員整理するのでは意味がない」――。

日本電産の永守重信社長が2008年4月23日の記者会見でそう述べたとされる。その真偽は不明で、日本電産は発言を否定しているらしい。が、あの社長なら言ってもまったくおかしくないとは思う(個人的に知っているわけではないが)。



引用したJ-CASTの記事に載っていたコメントの中で私が一番賛同したのはこれ。「批判は慎むべき」とまでは私は言わないが…

「日本電産の社長がいるおかげでどれだけ倒産しかけた企業の『正社員』とその家族の人生が豊かなものになっているかを考えて欲しいものだと思います。倒産した社員(=非労働組合員)のためにどれだけ高木委員長が頑張ってきたのか知りませんが、少なくとも日本電産の方が税収に結びつく成果を上げてきた以上、批判は慎むべきだと思います」(J-CASTコメント)

連合の高木剛会長がメーデー中央大会でこの発言を「言語道断」と批判したのを受けたコメントだが、労働組合運動がすでに時代にそぐわなくなってしまっていることを如実に描写したコメントと思う。「護送船団」方式が機能しなくなったという認識が普通だが、労働組合はまだそれをやっている。まともに相手をしていたら船団全体で沈没することになるだろう。

また、
「アメリカ大統領候補のオバマ氏が、激しい選挙戦の中、しっかりと休暇をとり家族と何日かを過ごした、ということを知り驚きましたが、そういったことが当然のこととされるような、より成熟した社会を、日本も、そして私自身(連休でも働いている)も、目指さなければならない、ということなのかもしれません」
というようなコメントは筋違いと思う。
私は、このオバマ氏のような状態がなぜ「成熟した社会」となるのか理解できないし、「日本が目指さなければならない」とまで書かれると、ちょっと待ってくれと言いたくなる。

私からみた「成熟した社会」は、オバマ氏のような生き方も永守社長のような生き方も共存できる社会である。日本全体で同じ方向を目指さなければならないようでは、その方向がどうであれ「未熟社会」だろうと思う。
オバマ流で生きるのか永守流で生きるのかが、普通に違和感なく選択可能な状況が「成熟した社会」なのだと思う。



日本電産のような会社で働きたい人は日本電産に就職したらよい。そして、そんな労働環境はゴメンだと思う人は日本電産に就職しなかったらよいだけのこと。

ちなみに、私は日本電産では絶対に働きたくない。
私は、土日祝日はたいていちゃんと休んでいる。何をするかといったら、基本は犬の散歩(笑)。
「公私混同」(事務所経費を私用で使っているということではない)状態で、どこからが仕事の時間でどこからがプライベートな時間なのかがよくわからないところがあり、起きている間、会社(事務所)のことを考えている時間は相当に長いと思うけれども、それを強制されたくはない。

事務所では、一人前の弁理士になっている連中には、有給休暇もないし残業代も出ない。休日返上で働いてもよいし、たっぷり休んでもよい。出勤時刻も決まっていない。自分の業務管理は自分でやってもらうシステム。
「社員全員が休日返上で働く企業」にはうちはなり得ないけれども、それで良いと思っている。日本電産のような会社では働けない人(働く気になれない人)が、働きやすいなと思って来てくれたらよいと思っている。

どれだけ長く働くかではなく、賢いヤツが効率よく働いてくれている状況が弊所の理想状態だ。
休日返上で働くのが能の連中は日本電産に行ってくれたまえ!