トヨタホーム・シンセの断熱はどうなのか?
追加費用で断熱強化の選択肢はあるのか?
我が家の仕様を確定した際に調べた内容を、まずは最初にまとめてみます。
シンセ研究、第1回!
もしも間違いや疑問点がありましたら、コメントにてご指摘ください。
誤りを確認したら履歴付きで修正致します。

シンセの断熱ですが、
天井:グラスウール210mm
外壁:グラスウール100mm
床下:床下断熱か基礎断熱の選択
玄関:JIS等級H-2/3/4/5の選択
窓:断熱/高断熱/トリプルの選択
換気:熱交換付第一種換気※全館空調時
となっています(2019年3月現在)。
季節によりどこが断熱で重要か判る図がこれ。
建産協サイトより)
季節問わず、まず窓や玄関ドアの開口部!
玄関と窓は別の機会にそれぞれ個別に触れます。
換気は全館空調採用ならピュア24セントラル全熱交換器で冬に影響が大きい熱の逃げを防止。
残る天井、外壁、床下について順番に触れます。


まず天井は、特に夏の暑さに利きます。
210mmという厚さは業界上位です、温暖な地域の夏にも十分対処出来るでしょう。
以前の標準ではもっとグラスウールが薄くて有償の高断熱仕様が210mmだったそうですが、スマートステージがZEH対応仕様になった時シンセ全ラインが断熱強化仕様標準化した時に高断熱210mmが標準化されたように推測します。
ちなみに小屋裏収納空間をつけた場合には、収納の上と横を150mmでグルッと巻くようです。小屋裏は暑くなりやすいですがしっかり断熱で、二階のスマートエアーズで十分快適になるかと。


続いて外壁です。面積が広く夏も地味に効き、特に冬の寒さでは影響が大きいようです。
シンセは125mmの太い鉄骨が構造を作っており、その厚みに合わせた100mmのグラスウールが鉄骨の周りにびっしり入った内断熱仕様です。
鉄骨自体は断熱性が弱いので、その表面を薄いポリエチレンフォームで包んだ上で内側に高性能硬質ウレタンフォームを敷きます。
この断熱が軽量鉄骨各社の中で高性能かというとまあ今時ではといったところだと思います。
他社はシンセの125mmほど鉄骨が太くないので、鉄骨と同列に断熱材を入れると薄くなります。
そのため構造材の鉄骨とは別に断熱材のための鋼材を重ねて複数層がある複雑な構造にしたり外張り断熱工法で家を丸ごと包んだりもします。
その分、より高断熱仕様を選べるようにしている軽量鉄骨メーカーも少なくありません。
そういうプレミアムな高断熱仕様には負ける、でも標準程度の断熱仕様で比べるなら外壁がよりシンプルな構造で施工ミスが起きにくく廉価に十分な断熱をできるのがシンセです。


そして床下ですが、ここは冬の寒さ、底冷えにそれなりに影響してきます。
床下断熱
基礎断熱
温暖地域仕様寒冷地域仕様
基礎断熱床下断熱ダブル断熱
がシンセには地域によって選べるようです。

床下断熱は床のパーティクルボードの下に高性能硬質ウレタンフォーム35mm。
正直言って今時なら中の下くらいでしょうか、本拠地の温暖な東海地方では十分過ぎる性能。
グラスウールは床下の湿気で湿りやすいからか、天井や壁と違いウレタンフォームを使ってます。
なお2019年度モデルより、床下断熱の強化仕様が選択出来るようになりました。
一階スマートエアーズの床下配置と排他(床下断熱強化仕様にスマートエアーズを設置すると他社同様の天井裏配管になるとのこと、要下がり天井)にはなりますが、断熱材が鉄骨周りに床下にとかなり強化されるようです。
(※2019/10/6公式サイト確認、追記)

ちなみに今時の注文住宅の定番なユニットバス、床下断熱の家でもここの断熱は他の箇所と分けて
別に施工されることが多かったりします。
ユニットバスって重さなのか漏水リスクなのか高さの問題なのか、断熱された床の上ではなく基礎に直で架台を作り置くことが多いようです。
その場合はそこだけ床下がないことになるので部分的にユニットバスだけ基礎断熱にする、それか床下から冷たい空気が上がってこないようユニットバスと周辺に断熱材と気流止め施工。
これを怠ったり施工ミスしたりすると、寒いお風呂という欠陥住宅の見本の出来上がり。
じゃあシンセで床下断熱ならどうしているのか?
聞くと今は他の床より低い位置で断熱材を敷き段差も断熱して鉄骨ユニットに工場で架台を付けユニットバスを設置するようです。
要するに他の部屋と同レベルの断熱済みで安心
鉄骨ユニットが強靱だから出来るのかな?
工場設置対応のカタログ収載品は限られますが、その中から選べば現場設置より安上がりです。

基礎断熱は、ZEHとかで数字が必要な時などより高断熱に出来る有償オプションです。
寒冷地域仕様が基礎内側に基礎立ち上がりからの硬質ウレタンフォーム100mm
温暖地域仕様が基礎内側に防湿コンクリ上からの硬質ウレタンフォーム60mm
その上に高性能硬質グラスウール200mm
(カタログより)
数値的には上々だと思います。
ただ写真の構造を見比べて、詳しい方なら
温暖地域仕様ってコンクリ経由で床下まで
寒さが伝わっちゃうんじゃないの?」
と思うかもしれません。
これ、基礎断熱致命的な弱点を考えて安全のために断熱性能を犠牲にしてるのかなと私は推測いたしました。
基礎断熱の致命的な弱点、それはシロアリ
地面の中から上がってきて、柔らかいものならなんでも食いついて穴をあけて家に侵入する
精神的ブラクラを見たい人は、
はい、寒冷地域仕様の作りだと土の中から奴らがウレタンフォームを通り楽に入ってくるんです。
温暖地域仕様はそれを防ぐため、防湿コンクリで土を遮断しその上に断熱材を敷いてるのかと。
じゃあ寒冷地域仕様はなぜシロアリ対策がない?
寒いところでは奴らが生存できないらしく、そもそもシロアリが居なかったりするそうで。
羨ましい!でも自分が寒いのは嫌!
やっぱそこまで羨ましくない!多分。
でも寒いとこは魚がまた美味しそう(関係ない)

ちなみに基礎断熱標準の大手セキスイハイムは一体どう対策しているのか?
ベタ基礎でシロアリの侵入確率を下げた上で、床下エアコンの快適エアリーで湿気を取り、基礎の内側及び近くの床までL字に断熱材としてポリスチレンフォームを敷き詰めてます。
トヨタホームが断熱材をL字にしていないのは、温暖地域ではそこまで必要ないとの判断かな?

最後にダブル断熱は、トヨタホーム信州のサイトで企画商品に見掛けたことがあります。
技術的には基礎断熱した上で床下断熱するだけ、デメリットは価格でしょう二重に費用が必要。
断熱重視なら選んでみたいかもしれませんが、地域の販社によって設定がないかもしれません。

以上を踏まえ、私の選択は…標準床下断熱
断熱材の厚み追加オプションは存在しませんし。
全館空調スマートエアーズで寒い冬は家ごと温めとけば良かろうもん!
温暖地域仕様が断熱性能的には妥協レベルなのにシロアリと床下の湿気の不安は増しちゃう基礎断熱にはお金を払ってまでしないかなあと。
深々と冷え込む山間部とかなら考えましたが。


というわけで三カ所の仕様が確定しましたがまあ高断熱の端くれくらいではあるかな程度、ZEHを取ろうと思えば取れるレベルになります。
冬の寒さは着込めば何とかなりますが夏の暑さには脱ぐのに限界がありますし、天井の断熱重視なのは悪くないバランスです。

家が完成したら性能値は一通り測定して、本ブログ内で公開してみたいものです。
それではシンセ研究第1回はこれにて終了、次回は基礎を予定しています。