真面目にぶっちゃけてみます | 渡瀬悠宇 OFFICIAL BLOG
こんばんはー。
先日のブログあと、心配してくださってる読者さん方も何人もいらっしゃいまして、本当にありがとうございます。

数日間横になっていたので、良くなるかな、と淡い期待も抱きましたが、コイツは本格的に再発したかな?という状況でして…

もう、なんか別に恥ずかしいことでもなく、寧ろ現代人には当たり前になってきたし、悩んでる仲間も多かろうという感じですし。
今日知ってた2人除いてアシさんたちにも話したら、スッとしたので。

えー。
渡瀬さんは、所謂「うつ病」でございます。

正確に診断されたのは2005年、読者さんの方は、私が休筆していたことを覚えてらっしゃるかと思います。
なんとなく当初でピンと来た方もいたんでは?と思い「今更」ですが(笑)

長くなります。
発症自体はその2、3年前でしょう。
不眠症から始まり、発熱、原因不明の胃痛、と来て無視し続けた結果、2004年末にはベッドの中で金切り声を上げたり、外を見てると涙が出てきたり(早く気付け)

一人目の医者には「働きすぎ」「そうでもない!!」「あなたね、死んじゃうよ?!」抵抗しまくりで言い合い(笑)
母に連れていかれた二人目の医者に「うん、よかったね、このままいったら死んでたよ」……ああ、もうこれは仕方ない、とようやく認め。(笑)
評判のいい先生でしたので、それは良かったですが…

それまでは、テレビで言ってても「大変だなあ」でしたけど、よもや自分がか!
ざっと知ってるだけで、友人、元アシ、などなど10人はいたので多少安心?したのですが、これはなってみないと、その苦しみは分かりませんよ、本当に。

ちょうどサンデーからお話しがある時でしたが、一旦打ち合わせ(アラカンの元ネタ中)止めて貰いました。
悔しかったので、せめて玄武だけでも描こうとして必死でしたが、机に座ると身体の熱がおかしくなってくる。
描きたくても、もがいても腕が動かない。
もう、悲鳴を上げてるんで、出来ない訳です。

結局、休筆するしかなくなり、当初はどう読者さんに説明していいのかも分からず、また言いたくなくて、なにより
「自分に裏切られた」と絶望感で、毎日ボンヤリしては泣いてましたよ。
夕方まで身体は棒のように動かないし。

同じ病気の方はご存知でしょうが、地獄ですよね。
働きたい、あんなに出来てたのに、出来るはずだ、なんで出来ないの?
出来ない自分は最悪だ。
生きてる意味が分からない。
テレビもうるさいだけで面白くない。
ご飯は食欲もないし、味も分からない。
第一、いつ仕事を再開できるの、いつ治るの。
私は5歳から漫画描いてたの、空気を吸うように、食欲と同じように、自然にやってたことが、なんで今、やれないの。

まあ、原因だなんだはネットですぐ出ますから、飛ばしますが…ぜひ、調べて一人でも多くの方に理解して頂けたら、と思います。

カウンセリングに抗うつ剤、一年近く経って、それでも「櫻狩り」はなんとか描こうと、ちびちび気力ある時に描きました。
そして、その時励ましてくれた元アシさんは、妹のように思っていたその子は、完成待たずに心不全で急死しました。
そしたら今度は「ショックによるうつ状態」で、うつの二重奏です。

彼女も漫画で疲れ切ってまして、過労が原因ですから、もうね、毎日「漫画があの子を殺した、私もこんなに頑張って来てこんな地獄か!」と、死なせてくれ、と毎日泣いては、あとは死んだ目をして茫然自失でしたよ。
ところが、そう言いながら「負けてたまるかあ!!」と内面の奥では不屈の根性が燃えてましてね…根性あるわな。

実際、幸い自殺願望だの、実行だのそれはなかったですよ。
酷いイジメで11歳の時点で未遂やらかしてるんで、その「死ぬかもしれん」恐怖は知ってるんで、それだけはしない!と当初から誓ったんですよ(どんな子供時代)

ああ、そのイジメは一部アラカンの二話で門脇にやらせましたけど。あれ、私の実話ですから(笑)机とか、休み時間蹴られ続けるとか、まあ実際はもっとですが。

結局、祖父の死が元アシさんの2ヶ月後にあったんですが、なんと、それで「死」を受け入れられたんですね。
彼女は、会ってからたった数日でお骨になってましたから、認められなくて苦しんでたんですが…
葬儀のとき、祖父と一緒に、ようやく彼女を見送れたんですね。
不思議と翌日から、憑き物が落ちたようになりまして…それがキッカケで、どんどん良くなっていきました。
まあ、その経験は「玄武」の葬儀シーンに生きましたけど…

「生きるとはなんだ、死ぬとはなんだ」という究極のところまで、自分を持っていった経験でしたね。
イジメのときは「人間とはなんだ」でしたが(だからどんな子供時代…)

そこから、半年後に復帰するわけですが。うつ病診断されてざっと一年半の復活です。

一人暮らしも始め、ちょっと玄武再開して「なんでもかけるぜー!」調子に乗ってたら「うん、躁状態ですね」「えっ?!」とか(笑)
暫くは薬も続けましたよ、再発の可能性高いので。

亡くなった彼女との完成約束だった「櫻狩り」も連載の目処が立ちました。その死を電話で聞かされたときにボンヤリ目に入っていた、掲載予定もなかったただの下絵が、雑誌掲載ですよ。(私がどれほどの思いであれを描いたか、お分かり頂けたでしょうか)

まあ、その後も、やれ「乳腺症の激痛」だわ次は「椎間板ヘルニアの激痛」だわ、痛みで唸ってない日はありませんでしたが、描けなかったあの頃に比べたら!で、どちらも治してやりましたけど。

で、櫻狩りを執筆しながら、サンデーでようやく「アラカン」始められました。
まあ、またこれが。
連載開始したら、今度は肝硬変の母(それまではなかなか元気)の静脈瘤破裂、入院で、連載しながら大阪まで行ったり来たりですよ。
常に「うつ再発」の意識はありましから、それでもまだ自分を省みてたほうですが…
母と弟ですが、これまた弟が発達障害(自閉症)ですから、全部私におっかぶさって来ます。
(そもそも、先のうつ発症時も、玄武と絶彼を連載しながら、こやつのワーキングの施設を連れて廻ったりして、その過労も込み)
漫画だけならまだしも、その後も母は胸水で数ヶ月入院、私は行ったり来たり。
それでも流石、渡瀬の母は更なる大根性で復活!…は、良かった。病気だけど。

その合間にも、まあ今になって改訂版やらなきゃいけない仕事の上での精神的苦痛に苛まれ、ようやく解放されてきたら3.11後辺りから、また家族こちらに?
で、不動産購入+また母入院、で、流石にうつ再発(笑)

幸い仕事は出来たのですが、止まってた薬とカウンセリング再開。
これは、今の場所に環境変えて改善…
された…かに見えた…

のですが。
ここまで、抗うつ剤と睡眠薬を飲みながらやってきましたが。

このところの発熱、胃腸痛などの「身体の信号」にまずい…と休んだりさぼったりしてたんですが、とうとう先週木曜日から、頭が真っ白になりました。
無気力、だるくて腕が描こうとしない、頭痛がする、憂鬱、机に座っても緊張で強張る。と、来た。

今日もアシさんたちには直しをやって貰い、そこで出来たのはペン入れ一枚。
夕方から、多少お喋りも出来るようになり、表情も出てきたので、ちょっとネーム始めて、先週からたったの八枚。


まあ…もう、分かってるので、自分を責めたり嫌ったりはしません。
寧ろ、またしてもごめんね、と謝らないといけない。
今、思えば以前は「裏切り者」なんてよく身体に言えたと(笑)自分が無視して痛めつけてたくせにね。

なるべく休んだりさぼったりしてたのですが、アニメ化自体も、嬉しさ反面、凄いプレッシャーを感じてたのも事実です。

正直、「今こんなの打ててるんだから、大したことないんだろ」と思われそうですが、沸かした風呂に動いていけません(苦笑)ネームも夜なら!と思いましたが、頭が重いです。
確かに、まだ前回よりは軽めです。
もう、こういうの黙ってるのもストレスになってきまして。
なんか隠すこともないがな!って。

皆さんからはいつも問われるし、本当に思われるのでしょうけど、なんでそこまでして描くの!
…ですね(笑)

私は先ほど述べたように、有り難いことに苦しい経験を幾つもさせて貰ってるんです。
両親の別れ、も知ってます。
イジメも、裏切りも、サイコパス遭遇被害も(笑)、障害者を家族に持つというのも、病気の重さも、死別の辛さも、あと助けてくれる人たち、いつも励ましてくれる人たちの暖かさも、まあ他にも色々ありますが、越えて来たもの、そこで得て来たものがあるわけです。

それは、もう作品の中で、形を変えて、あるいはありのまま、描くしかないでしょう。
描いて、励ましてくれた人たちへの唯一出来るお返しであり、同じように悩んだり苦しんだりしてる人に、もし読んで貰えたら、力になれたら、こんな嬉しいことはない訳です。
寧ろ、そのためにこの職業に付いてるんだとさえ思います。だから、今も辛いのはありますが、こんな人生でなければ良かった、とも思いません。
(ときたま、皆もっと楽しそうだな…とも思いますが笑)


だからといって、自分をないがしろにはしてるつもりはありませんでした。
かなーり、昔よりは気をつけてたつもり、でした…が。

ちょっとばかり、肉体的にも精神的にもストレスきつかったみたいです。
案外強がってますが。そーでもなかった。

でも。あんなめちゃくちゃ状態で、それでも必死でそれなりに思いを込めて描いてきた「アラタカンガタリ~革神語」が、こうしてアニメにしようと思ってくださる方々がいたんだ、と本当に嬉しかった。

だから、なんだかホッとしたのかもしれないです。

うまく纏められませんが、きっと、また様子見てたら元通り描けると思います。
ただ、もしかしたら休載、などの変更が起こるかも知れません…
その時は、どうかご容赦下さい。
昔は言えませんでしたが、今は言えます。

同じように、本当に「うつ病」で苦しんでる方がいたら、そっと話を聞いて、頷いてあげてください。
うちの母のように、娘がうだうだ暗いことを言ってるのを、黙って受け止めて支えてくれる、そんなご家族になってください。
元気になってから母に「あの時はお母さんも地獄やった」と笑って言われたとき、私はシャワー出して風呂場で、有り難くて声聞こえないようにして泣きました。

今日も担当さんからのメールで「一人で頑張らない!何のために私達がいるんですか~!」という言葉に涙出ました。
Def Techの「雪柳」の歌詞、先ほど聴いて~頑張らなくていいんだよ♪のとこで涙出ました。

頑張りすぎた人は、もうそれ以上頑張らなくていいんです。
最近は「うつ」にも色んな種類があるそうですが。
私の普段を垣間見て、よもや「サボり病」だの「甘え」だの「根性なし」だの言う人はいないと思いますが(笑)
本当は苦しんでいても、元々気を使うから人前では、元気に振る舞ったりね。
普段のその人の言動から、本当かどうか分かるんじゃないかなあ…
出来るなら、周りの人はゆっくり、休ませてあげてください。

今回、久方振りに全身の虚脱感と食欲低下、無表情な自分に会いましたが、アシさんたちに笑わせて貰い、編集さんや友だちにも気遣ったメール貰い、頭はうまく働かないけど、自分は恵まれてる、幸せだ、ボンヤリした感覚の中で感じました。

だから、今回も大丈夫です。
ご心配下さった方、私は作品を読んで頂けてるというだけで、本当に幸せです。
好きだからこそ続けてられてはいますが、自分の為だけなら描いてる意味は、幸せは、私にはないのです(笑)

打つのが遅くて、まとめる力も低下してて、こんな時間になってしまいました。
もうすぐアニメ第三話放映やん!
テレビの音が不快で、今は観れませんが…

何かしたいけど動かないので、思い切って色々割愛しつつ、ぶつけて書きました。
明日気力があるか分からないし…もしかしたら良くなってるかもしれないけど…
でも、スッとしました!(笑)
読んで重い気持ちになった方、自分勝手ですみません…

ゆっくりゆっくり、元に戻していきます。
幸い、体温はおかしくなるけど絵はなんとか描けそうです。
うん、負けませんよ!p(^-^)q

読んで頂いてありがとうございました。