努力して努力して、執着して執着して、そして最終的にはその目的を果たす、という泥臭くも情熱的なヤンデレヒロイン・妖姫モルガンのことは、かなり贔屓にしている私ですが、

→「努力するヤンデレヒロインの完全勝利

 

 

 

まあでも、ですよ。

好きなんですけど、好きと憧れ、って別のものですよね。

 

私が憧れているのは、妖姫モルガンではなく、

湖の姫・ヴィヴィアン!(いろいろな名前がありますが本稿ではこれでいきます)

湖のお城に住む、妖精とも魔女ともいわれる絶世の美女。

 

謎が多すぎる登場人物で、その名前さえヴィヴィアンだったりニムエだったりニマンシュだったり設定もいろいろ変わります。

まあもともとアーサー王伝説って神話みたいなもので、いろんな逸話やその異説のごった煮だからそこは仕方ないのですが、どの説でも共通している「湖の姫」の設定は

 

1)幼いころからランスロットを養子とし、湖の城で育てた。ランスロットの異名は「湖の騎士」であり、彼が誰よりも優れた騎士になれたのは、母代わりの「湖の姫」に育てられたからである。

 

2)アーサー王の伝説のチート武器、エクスカリバーを湖の中から差し出し、彼に与えた。

 

というものです。

どちらも属性としては「善」というか「アーサー王の味方」と思えるものなので、妖姫モルガンが「悪者の魔女」なのに対し、役割としては「いい者の魔女」・・ともいえるのですが、よくよく見てみるとそうでもなかったりする。

 

というのは、アーサー王伝説において「いい者の魔法使い」ポジションには、マーリンという魔術師がすでにいるんですよね。

イメージとしては白い長いひげにフード付きのローブ、杖を持ったおじいさん魔法使い代表という感じの魔法使いがマーリン。

 

マーリンはアーサーが生まれる前からその父親にアドバイス(アーサーの出生を考えると呪いというか・・

 

 

していたり、アーサーが偉大なる王となるための陰のフィクサーとして大活躍しています。

絶世の美女である「悪者の魔女」モルガンに対して、白髭の老人であるマーリンが「いい者の魔法使い」であるという構図はバランスとしてもいい。

 

ところがです。物語ではこの、世捨て人というか仙人的イメージのある魔術師マーリンが、突如として湖の姫・ヴィヴィアンに発情するという謎のシークエンスが挟まりますwwww

何それ急にwww

 

まそもそもマーリンてこんな外見のわりにやたらと女好きらしく、悪者の魔女・モルガンとも一波乱あったりするんですが、湖の貴婦人・ヴィヴィアンについては熱烈に恋に落ちてストーカーに。

ヴィヴィアンもそれを利用して、マーリンの魔術や秘術の秘密をすべて教えてもらうのですが、それにしてもマーリンの執着ぶりと、一説にはあまりに無体な性的欲求(ってどんなのよ)に耐えかねて、

ヴィヴィアンは、マーリンに教わった術を使って、逆にマーリンを決して出られない魔法の折の中に閉じ込めてしまいます

 

せっかく希代の英雄・アーサーのアドバイザーとして暗躍していたのに、美女に夢中になって秘密の魔法を駄々洩れしてしまったあげく、その魔法を使って囚われの身となったマーリンは、これで物語から姿を消します(笑)わかりやすい、女で身を亡ぼす男ですね~色狂いって怖いわ~

これだから男って・・!!

 

というわけで改めまして、マーリン亡き後の「いい者の魔法使い」の座にはヴィヴィアンが座り、アーサー王およびその円卓の騎士たちの危機を救っていくわけですが。

 

結局のところ、アーサーは彼女の養い子であるランスロットの不倫が原因で身を滅ぼしてしまうのは今まで語ってきた通り。

そして瀕死のアーサーは、妖姫モルガンによってアヴァロンに連れていかれる・・はずなのですが、時々この役目がモルガンじゃなくてヴィヴィアンだったりするバージョンがあるから二度びっくり。

なんだよ結局ヴィヴィアンよ、おまえもか・・迂遠にいろいろやってきたけど、目的は結局アーサー独り占めかよ・・と、読者は愕然とするわけですが。

(アーサーのヤンデレたちからのモテっぷりにも驚愕ですけどね)

 

わたしがヴィヴィアンに憧れるのは、その「執着のなさ」なんですよね。

モルガンは執着の女。ヴィヴィアンは執着しない女。

長くなりそうなので続きは次回!