先日、地上波で放送された映画「クライマーズ・ハイ」を観た。

 

 

内容は、群馬の地方新聞社が大手新聞社とスクープを競い合う中で、日航123便墜落事故の総括担当を任せられた主人公・悠木の葛藤を描いていた。様々な各社報道合戦で、新聞社の人間たちの思惑や関係が交錯する中、デスクは次第に興奮状態になっていく。悠木は、自分の趣味である登山におけるクライマーズハイに近い状態に自分たちがいると感じるようになる。

 

 

クライマックスは、日航機が墜落した原因追及だった。

悠木は。事故原因に関するスクープネタ(隔壁破壊と関連して事故機に急減圧)を出してきた工学部出身の女性記者に先輩・佐山(堺雅人)を付けて確実なウラ取りを指示する。翌日の原稿締切が迫る中、このスクープを世に出すべきかどうか二者択一の決断を迫られるのだが、完璧なウラを取れなかったこともあり、悠木はスクープの掲載を見送る。翌日、毎日新聞がその特ダネを抜かれてしまった。

 

 

でも私は、悠木の決断は最終的に正解だったなと思いました。

 

映画の最後のテロップでは「航空史上未曾有の犠牲者を出した日航機123便の事故原因には、諸説がある。事故調は隔壁破壊と関連して事故機に急減圧があったとしている。

しかし、運航関係者の間には急減圧はなかったという意見もある。再調査を望む声は、いまだ止まない。」と出て終わり、「隔壁破壊」を安易に原因説にするべきではないなと感じた。

 

 

ここで、森永卓郎著「書いてはいけない」が一つの回答を出している。

 

 

・なぜ日航は事故機のボイス及びフライトレコーダーを公開しないのかは、大きな疑問だ。

・墜落現場の特定はなぜあんなに時間がかかったのだろうか

 

事故当日、横田基地所属のC-130輸送機が事故機の緊急信号をキャッチしていた。その後、事故機の機影がレーダーから消えると米軍横田基地司令部が、輸送機に日航機の捜索指示を出して、墜落地点の特定したことで日本の航空関係者に強い衝撃が走った。

輸送機が現場で1時間ほど旋回しているとキャンプ座間所属の陸軍UH-1が到着、すぐにでも生存者の救出の準備に入っていた。

生存者のC.A落合由美さんは、ヘリの存在に気づいて手を振ったそうだが気づいてもらえなかったと証言している。

実際、ヘリが降下しようとした時、横田基地から至急帰還せよとの指示があり帰投したということだ。

航空自衛隊は、サーチライトや夜間暗視装置を装備した米軍ヘリが現場にいた時点で救難ヘリV-107を発進させてはいたが、現場に降りて実際の救助を行う能力はなかった。

米軍の救助を断ったのは、日本内部でのメンツだけだった。

米軍の救助を要請していればもっと生存者を助けられただろうに。

 

さらに米軍に支援されては困る事情があったと思われ、墜落現場の発表まで時間がかかったのは証拠隠滅が必要だったからだとまで想定されていた。なるほど、一理あるな。