毒毒毒。

毒という漢字は、実は媚薬の事を表しております。これは嘘ではありません。
女性が子供をポロポロ産む(或いは産ませる)ために用いた、
服用しすぎるとヤバイことになる強精剤の類から転じて、
(子供を)生む母=毒、となったそうな。

別に、世にも珍しいキチガイさんは常に母親に影響されて生まれ来るものだ、
なんていう現代における猟奇殺人者の真理を見通していた訳ではありません。

毒という漢字の成り立ちはこんな訳ですが、人間と言うのはどうも、
本能的に毒物を欲している部分があるんじゃないかと、拙者はちと思います。

例えば、サッカリンやアスピリン、カフェインなんかは毒物です。
左から順番に、ダイエット食品、風邪薬、コーヒーに含まれています。
ニコチンやアルコールもまた毒物ですね。タバコと酒って奴ですね。
どれも、致死量が設定されておりまして、危険性を孕んでいます。
(まあ、よほど無茶な取り入れ方をしない限り死にはしないが)

これらのどれも必要としない人は大勢いるとは思いますが、
逆に、これらのどれかを必要とする人も同じ位の数、存在しているのではないでしょうか。
つまりね、ほとんどの人間ってどっかマゾいんじゃないかと思うの。


まー人間がマゾいかサドいかなんていう話は別として、本題、毒舌の話。

某所で、毒舌と暴言の違いを理解した方がいい、なんていう文言を見たんですよ。
えーでも、コレって同じものなんじゃないのかって思うんですよ、俺。
同じものと言うか正確には、暴言の一つの種類として毒舌がある感じ?

両者の意味をネット上の国語辞書で引いてみると、こうある。

暴言…礼を失した乱暴な言葉。無礼で、むちゃな発言。
毒舌…辛辣(しんらつ)な悪口や皮肉を言うこと。また、その悪口や皮肉。

要するに、発言相手に対して全く礼を欠く乱暴な言葉は"暴言"であると言える。
毒舌というのは、辛らつな悪口や皮肉とある。要するに、手厳しい悪口や皮肉だ。

で、悪口と皮肉を辞書で引いてみる。

悪口…他人を悪く言うこと。また、その言葉。あっこう。
皮肉…遠まわしに意地悪く相手を非難すること。また、そのさま。当てこすり。

絶対とは言わないが、完全に敬っている相手に対して悪口や皮肉を吐く人間はいまい。
この手の発言は、発言者が相手に対してどこか侮り、そこまで行かなくとも、
軽んじている部分が無い限り、ほとんど出てこないと思ってもいい。

そういう意味では、毒舌はやはり暴言であると言えるのではないか。

ただ、この文言を書き綴った人の気持ちは分からないでもない。
耳にしたり自身で発言したりしていて思うが、日常で使われる、毒舌という言葉は、
"聞いた人間大半の同意を得られる真っ当かつ辛らつな意見"、
という意味合いを持たされ、使われている気がする。

毒舌に晒される人間に対する礼、というのは捨て置いて、
周囲の人間が、"言い方は意地悪くて厳しいがそれは最もだ"、と思う言葉である。

逆に暴言とは、"言い方もなっていない上に納得もいかない"、
と思う言葉を指している気がする。平たく言うと、何言ってんだコイツ、である。

結局どちらも暴言だが、その中でも、"理屈が通っているもの"として毒舌がある。
マジモノの毒物で例えるなら、

カフェインやアスピリンの使い方によっては有用な毒=毒舌
サリンやらボツリヌス菌の殺人位にしか役に立たない毒=暴言

自分はそんな風に解釈している。

多分、暴言と毒舌は違うものと考えている人は、
単純に別種として考えているだけなんだろうなーと思う訳だ。

そして、毒舌キャラというものが受け容れられる世の中を見るに、
人間ってやっぱり毒を取り入れないと死んじゃうマゾい生き物なんじゃないかな、
なんて思うわけだ。

ところで、トニー・トニー・チョッパーって、殺人鬼の名前みたいじゃないすか。
いや俺、初めて聞いた時からぶっちゃけずうっと思ってました。

だってさ、chopって、動詞なら叩き切るって意味だぜ。滅多切りにするって意味もある。
名詞なら、(切り刻んだ後の)肉片って意味もあったりするんだ。
トニーうんちゃらっていう、大量バラバラ殺人者のあだ名で使われてそうじゃない。

ワンピースとか全然知らない英語圏の外国人に、

日本の有名な漫画にトニー・チョッパーって言うキャラがいるんだけど、そいつは、
シルクハットを被っているが、青鼻で全身毛むくじゃら、頭からは角が生えだしていて、
大きく見開かれた丸い目玉が特徴の、作中でも化け物扱いされているような奴なんだ。
でも、その漫画のファンの中では作品のマスコット的存在なんだよ。これ、どう思う?

なんて語ってみて、物凄く間違った想像をさせてみたいなあと思うんだよなあ、時々。
最近の英語圏の外人はどいつもこいつも、人が悪意に満ちた真実を吹き込もうとすると、
先回りして、チョッパーはクールだ、なんて抜かすから困る。


さて、切る、というのは素晴らしい動詞ですね。
何しろ、リョナラーにとっては必要不可欠な動作です。
リョナラーをとっ捕まえて、コマンド縛りで切るという動作を封じた場合、
多分、Gにゴキジェットをかける以上のダメージを与える事ができるでしょう。即ち、死ぬ。

そんな切るという動作。
上でも書いていますが、"叩き"切るだとか、"滅多"切る等、
前に付く言葉で大分意味が異なってきます。

とりあえずリョナラーならば、興味対象が嫌がってくれさえすれば、
噛むという動作における甘噛みに相当する程度の強さの切り方であろうと、
真っ二つに断ち割るような切り方であろうとも、喜ばしく思うものですが、
この"切る"という動作を文字で表現した場合、どれだけのバリエーションがあるのか、
ちょっと興味が沸いたので、辞書で調べてみる事にしました。


捻じ切る…強くねじって切断する事
断ち切る…切り離す事。
叩き切る…(鈍器等で)叩いて切り離す事。または、勢い良く切る事。
突き切る…突く様にして切る事。イメージとしては、"押し切る"に近いか。
噛み切る…噛んで切り離す事。
食い切る…噛み切るに同じ。
噛み千切る…噛んで切り離す事だが、特に細かくばらばらにすること。
食い千切る…噛み千切るに同じ。
打ち切る…強く切り離す事。
打っ切る…ぶっきると読む。勢い良く、打ち据えるように切る事。ぶった切るとも言う。
焼き切る…焼いて切断する事。
引き切る…引っ張って切ること。日常では、包丁使い等で主に使うか。
挽き切る…引き切るに同じだが、特にのこぎりを使用した時の表現。
轢き切る…車輪を押し付けて切断する事。
掻き切る…力を入れてものを切り裂く事。掻っ切るとも言う。
擦り切る…擦って切ること。ヤスリで切断をするときはコレ。
押し切る…押し付けて切ること。引き切る同様、包丁の表現でよく使われる。
ちょん切る…無造作に切り落とす事。
潰し切る…つぶして切り離す事。
滅多切る…無闇に切り付けること。滅茶苦茶に切る事。


一応、"切り裂く"とか、切るが先に来ている単語も入れればまだあるが、とりあえず保留。
意外とないというのが一番の感想かもしれない。
個人的に、掻き切るという単語の意味にちょっと驚いた。
個人的には、鎌のような鉤型の刃物を、引っ掛けて切る事だと思っていた。

あとはアレね、ちょん切る。
ちょんって触れるように、安易に、簡単に切り落とすってことのようだね。
なんつーか、コレがこんなに取り方によっては残酷な表現だとは知らんかったわぁ。


ん、ところで轢き切るってのは列車や自動車、馬車で引いて切る事を指すんだけど、
車輪引きにした場合って、轢き切るって言うのかな?
謎は深まるばかりである。誰か教えて車輪引きやったことあるグロい人。
甘口とか辛口とか、レトルトカレー等の辛さ表示ってありますよね。
いや、大辛とか中辛とかで表示している製品もありますけど。

この〇口という言葉、〇に入る文字で、その製品がどれだけ刺激的なのかを表す、
明解で良いものだと思うんす。

さてさて、〇口という言葉が使われている食品、他にもありますよね。
いや、もしかしたら食品以外にも使われている、例えば、甘口高枝切りバサミとか、
辛口スーパーはぼきとか、そういう物体も世の中にはあるのかもしれませんが、
とりあえずこのエントリ中には、存在しようが存在しまいが関係ないので捨て置いて。

〇口と書かれた食品と言えば、そう、醤油ですね。
某山岡さんが活躍する漫画では、牛肉に最も合うソースとして紹介された、
日本が世界に誇る調味料です。

その一方で、実は物凄い殺傷力を持っていたりする事も有名です。
個人差もありますが、スーパーなどに売られている、それなりの大きさのボトル、
アレを一気飲みさせると大抵の人間はえらいことになる、っていうか死にます。
しかも、手に入りやすくて即効性も高い。
ということで、徴兵を回避するために醤油をゴクゴクする若者が、かつて日本にはいたそうな。

そんな有害性を持っているのはもちろん、塩分濃度が半端じゃないからなのですが、
さて、ここでちょっとクエスチョン。

醤油には濃口と薄口というものがあるのですがね、どっちの塩分が高いと思います?
コレねえ、薄口なんですよね。薄口。1割位高いんだよ、濃口に比べて。

コレね、おじさんがもし、一口しか食べてないから大丈夫でしょ、
なんて、開封済みのレトルトカレーを返品しようとする、
いわゆるモンスタークレーマーだったら大変だったよ。

薄口とか書いてあるのに舌を刺すような塩辛さというのはどういう事ですかァー!
って怒鳴り込んでいたかもしれないね、ヤバかったね。
とはいえ、一体全体なんでこんな表記になっているんだろうか。ちょっと調べてみた。

薄口醤油のうすくちっていうのは本来、本来醤油が持っている、
甘辛い味わいと色、独特の風味を薄くしたっていう意味合いなんだそうだ。
全ての醤油の基本と言えるのは、粘り・甘辛さ・香り・色、そのどれもがとても強い、
たまり醤油という製品らしく、コイツを淡くしたのがうすくちなんだってさー。

なーるほどねぇー、良く分かったよ。
確かにうすくち醤油って、醤油の香りとか色は薄く感じられるもんなあ。
おじさんクレーマーじゃなくてホント良かったよ、恥かくところだったねぇ。

でも調べていて逆にちょっと気になりだしたのはさ、
濃口はたまり醤油を更に濃くしたもの……ではなく、うすくちとたまりの中間ってこと。
たまりがカレーの辛口だとしたら、中辛ってことになるんだけど、濃口って。

なんかおかしくね? コレ。いやだって、たまりが一番濃いはずなのに濃口って。
うすくちと比べたらそりゃ濃いのかもしれませんけどねぇー、ええ、でもおかしくないか。
たまり=激辛、濃口=辛口、うすくち=中辛と当てはめればいいのかもしれませんけど、
でもそうするとなんで濃口……。

適当に名前をつけた人、一歩前に出なさい。怒らないから。



しかし、某山岡さん漫画で、よくDQN関西人が、「あんな塩辛いうどんよう食わんわ」と、
東京の、濃口醤油で作ったうどんをバカにしているのを見かけるが、ぶっちゃけ、
関西の薄口醤油ベースのうどんの方が塩分高いってことになるんだが……。
アレって何なんでしょうかねえ、謎は深まるばかりです。