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『企業の基盤①』三橋貴明 AJER2017.1.24
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ろくに宣伝もしていないにも関わらず、なぜか視聴回数が22000回を超えてしまった、ソーシャルレンディングのmaneoマーケット代表取締役の瀧本憲治氏との対談動画「第1回 三橋貴明氏に教わる 【お金とは何か?】 」の続編がリリースされました。
【お金とは?お金の担保とは何か?】 三橋貴明氏に教わる 第2回
https://youtu.be/cNhX0YLj5aw
https://youtu.be/8bj3AdDsgEM
https://youtu.be/hWpRskSUJ-c
今回は前編、中編、後編の三本に分けてみました。
さて、2016年のインフレ率が出ました。コアCPIで、マイナス0.3%。
『去年1年間の消費者物価指数 4年ぶり下落
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170127/k10010854601000.html
去年1年間の全国の消費者物価指数は、原油価格の下落で電気代やガソリン代が下がったことから、変動の大きい生鮮食品を除いた指数が前の年を0.3%下回り、4年ぶりに下落しました。
総務省の発表によりますと、モノやサービスの値動きを示す、去年1年間の全国の消費者物価指数は、天候による変動の大きい生鮮食品を除いて、おととしを100とした指数で99.7となり、前の年を0.3%下回りました。年間の消費者物価指数が前の年を下回るのは平成24年以来、4年ぶりです。(後略)』
2016年12月のインフレ率(対前年比)
・消費者物価指数:0.3
・コアCPI(インフレ率の基準):▲0.2
・コアコアCPI:0
2016年 年平均のインフレ率(対前年比)
・消費者物価指数:▲0.1
・コアCPI(インフレ率の基準):▲0.3
・コアコアCPI:0.3
個人的にまずいな~と思うのは、年平均の四年ぶりのマイナスもそうですが、それ以上に12月のコアコアCPIが「0」になってしまったことです。10月は+0.2%、11月は+0.1%だったため、「食料(酒類を除く)及びエネルギー」を除いても、物価上昇力が弱まっていることになります。
というわけで、日本のインフレ率(年平均)の推移をグラフ化してみました。
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_55.html#CPI
※1997年、98年、14年、15年の数値は消費税増税分を含む
上図から、94年以降の過去に三回、日本のインフレ率が上昇した時期があることが分かります。
すなわち、橋本政権による消費税増税、08年の資源バブル期、そして安倍政権による消費税増税です。
08年の資源バブル期は、何しろ「資源」バブルでございますから、食料・エネルギーを除くコアコアCPIは上昇していません。
安倍政権期による消費税増税時、すなわち2014年は、増税と同時に金融緩和も実施していたため、コアCPIで2.6%とインフレ率が上昇しました。もちろん、内2%は消費税増税分ですが。
結局のところ、消費税増税による物価上昇は、その後の物価下落を引き起こす。さらに言えば、日本銀行が四年近くで300兆円超の日本円(日銀当座預金)を発行しても、政府が緊縮財政をやっている限り、物価が安定的に上昇することはないという「真実」を、安倍政権は証明したことになります。
それでは、どうしたらいいのでしょうか。
もちろん、政府が需要創出のための財政政策に乗り出さなければならないのですが、「いつまで」やればいいのでしょう。
デフレギャップの額が正確にいくらなのか、厳密には誰にも分りませんので、より確実な指標があります。すなわち、一般企業(非金融法人企業)の資金過不足です。
【日本の非金融法人企業、一般政府、家計、海外の資金過不足(億円) 】
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_53.html#sikinkabusoku
そもそも、資本主義とは企業が負債を増やし、つまりは資金不足となり、投資を拡大し、成長していくものです。ところが、デフレ期には企業までもが資金過剰(貯蓄)に走り、
「民間主導の経済成長」
は実現しない状況に置かれます。
だからこそ、政府が資金不足(財政赤字)を拡大しなければならないのです。そして、「政府による需要創出の期間」を定めるならば、「企業の資金過不足が資金不足になるまで」でございます。
図の通り、日本の非金融法人企業は98年のデフレ化以降、ずっと資金過剰状況を続けています。これでは、資本主義が成り立っていないも同然です。
また、2014年の日本の非金融法人企業の資金過剰は、前年(13年)と比較し、大幅に縮小しました。もう少しで、資金不足に「戻れる」というところで、安倍政権が緊縮財政でぶち壊しにしてしまったのです。
というわけで、政府が真剣にデフレ脱却を望むならば、非金融法人企業が(せめて年単位で)資金不足になるまで、財政拡大の継続をコミットをするべきです。非金融法人企業の資金過不足が「不足」になれば、一応、民間主導の経済成長が始まったと判断して構わないと思います。
政府は、少なくとも民間主導の経済成長が確実になるまで、財政出動による需要創出を続ける必要があるのです。
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