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『なぜ緊縮財政を好むのか①』三橋貴明 AJER2013.5.21(1)

http://youtu.be/KZGg7qD4heQ

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一般参加可能な講演はこちら。

 6月13日(木) 蒲田法人会「アベノミクスで激変!どうなる日本経済!」

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_42.html#Kamata

 6月30日(日) 益茂証券主催「アベノミクスと日本経済の行方」(会場:福井県福井市)

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_42.html#Masmo

もしくはhttp://www.masumotto.com/contribution?id=cnt47113

 7月11日(木) 第11回烏山講演会「世界経済とマスコミの嘘」

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_42.html#karasuyama

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 ワック社から「だから、日本経済が世界最強というこれだけの理由 (WAC BOOK) 」が発売になりました。



Voice (ボイス) 2013年 07月号 [雑誌] 」に金美鈴先生との対談「「デフレ中韓」は相手にしない。「自由と繁栄の弧」を推進すれば向こうからすり寄ってくる」が掲載されました。


経済界 2013年 6/18号 [雑誌] 」に連載「実践主義者の経済学」第27回「GDPデフレータ」が掲載されました。


 さて、久々に欧州の話。いや、「世界の話」と言った方が良いのでしょうか。


ギリシャ支援に「重大な失敗」、見通しに過度な楽観論も=IMF
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE95408C20130605
 国際通貨基金(IMF)は5日、ギリシャ支援に関する報告書を公表し、金融支援を行うために債務の持続性に関する内部基準を緩めていたことを明らかにした。またギリシャ経済の見通しが楽観的過ぎた可能性があることを認めた。
 2010年にIMFはユーロ圏離脱やデフォルト(債務不履行)の危機に直面していたギリシャに対し、欧州連合(EU)、欧州中央銀行(ECB)と共に金融支援を行うことを決定し、第一弾として300億ユーロ(390億ドル)を融資した。
 報告書はギリシャの問題がユーロ圏や世界全体に広がるのを食い止めるために支援は必要だったと指摘した。「しかしギリシャには支援が必要だったが、債務が持続的でない可能性が高いというジレンマがあった」とし、その結果、支援を行うかどうかの判断で債務の持続性に関する基準が組織的に緩められたとしている。
 ギリシャ支援は承認されたがその後、同国は債務再編や構造改革の実施に追い込まれた。
 報告書は支援には「重大な失敗」があったとし、具体的にはギリシャが市場の信頼を得られなかったことや、同国経済が2008年から2012年までに生産が22%落ち込むなど厳しいリセッション(景気後退)に見舞われたことを挙げた。その上でIMFのギリシャ経済見通しは「楽観的過ぎたとの批判が可能だ」とした。
 またIMFはユーロ圏当局との共同作業には非常に制約が多く、ギリシャの政治勢力から急激な改革に対する支持を取り付けることに集中できなかった可能性があると指摘した。
 またギリシャに関する定期審査で、公式な統計に対してもっと懐疑的にな
る必要があったと振り返った。』


 というわけで、ドイツ、ギリシャ、スペイン、ポルトガル、アイルランド、キプロス、ユーロ圏の経済成長率をグラフ化してみました(13年は見込値)。


【ドイツ及びユーロ破綻国の経済成長率推移(対前年比%)】
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http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_42.html#GDPEuro


 ポイントは、
「ギリシャは22%もGDPが落ち込んだので、財政が悪化した!」
 ではありません。
「財政悪化を受けて『緊縮財政』『構造改革』を実施したため、GDPが22%も落ち込み、財政が悪化した!
 でございます。すなわち、IMFやEU(やドイツ)がギリシャに要求した緊縮財政、構造改革こそが、同国の財政悪化、経済の急収縮を招いたのです。


 断っておきますが、別にわたくしはギリシャの国民経済に「罪がなかった」と言いたいわけではありません。インフレギャップが拡大し、高インフレと貿易赤字が続いている中、政治家が有権者と結びつき、公務員支出や社会保障支出を拡大したギリシャは、まさに新古典派経済学者が嫌う「典型的な国」でございました
(ユーロに加盟した後は、通貨発行が自由にならなくなったため、インフレ率は抑制されましたが、その分、貿易赤字が膨張した)


 そういう意味で、日本政府は08年のバブル崩壊以前に、ギリシャに竹中平蔵氏らを派遣し
「規制緩和!」
「民営化!」
「増税!」
「公務員削減!」
「公務員給与削減!」
「公共事業削減!」
「社会保障支出削減!」
 といったデフレ化政策推進を支援してあげるべきでした(冗談ですよ、冗談)。


 とはいえ、バブルが崩壊し、経済がデフレ化している時期に緊縮財政やら構造改革やらをやって、どうするの? 国民経済(=国民の所得)が急収縮し、税収が減り、財政が悪化したことを受け、さらに国民にカネを使わせない政策を打ち、財政を悪化させる。その期間、国民はひたすら貧しくなっていく。


 これが現在のギリシャですが、どう考えても「経世済民」という政府の目的からかけ離れているでしょう。


 まあ、とても他国のことを言えた状況ではありませんが、少なくとも日本は内閣総理大臣や財務大臣が、
デフレから脱却しない限り、財政問題は解決しない
 という正しい認識をお持ちです。


『首相、財政問題「デフレから脱却しない限り解決しない」
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFL070RV_X00C13A6000000/
 安倍晋三首相は7日昼、首相官邸で開いた日仏首脳会談後、オランド仏大統領と共同の記者会見に臨み、長期債務などの財政問題に関して「デフレから脱却しない限り解決しない。強い意志を持って、今の政策を前に進めていく」と述べた。』


 ならば、デフレ化政策である構造改革系、規制緩和系の政策は止めるべきだと思いますが、
構造改革、規制緩和=物価抑制策(デフレ化政策)
 ということは、まだ政権首脳部にインプットしきれていないと思います。内閣官房参与で言えば、藤井先生はもちろん分かっており、浜田先生も、
第三の矢(成長戦略、規制緩和)は生産能力を増やす政策
 と仰っていたので、ご理解されていると思います。


 まさに、第三の矢は浜田先生の言葉通り「生産能力を増やす(供給能力を高める)」政策です。デフレの国、供給能力が需要を上回り、デフレギャップが存在している国が、生産能力を無闇に増やしたところで、デフレ深刻化と国民所得の縮小を招き、財政が悪化してしまいます。


 そういう意味で、デフレの日本で、
プライマリーバランス黒字化(財政再建)です! そのための構造改革です!
 などと言っている構造改革主義者の皆様は、本当にどうしようもないなあ、と思うわけです。頭の中がインフレのままなのか、「日本の財政がなぜ悪化しているのか」を理解していないのか、あるいは全てを理解した上で、確信犯的にこの手の矛盾した言動をしているのか。よく分かりません。


 いずれにせよ、日本の問題は(日本だけじゃないですが)デフレで経済が成長していないことです。デフレから脱却し、経済が成長すれば、財政問題は解決します。逆に、財政問題を殊更にクローズアップし、消費税を増税してしまうと、国民経済が縮小し、税収が減少することで、財政は却って悪化します。


 さらに、経済を成長させるには「デフレ脱却」を実現すればいいだけであり、デフレギャップを拡大し、デフレ脱却を妨げる(物価を押し下げる)規制緩和や自由貿易(TPPなど)は、実際には「成長戦略」ではありません。「反成長戦略」なのです。特に、この部分(成長戦略は実際には「反成長戦略」)が国民に分かりにくいので、今後は「構造改革」や「規制緩和」「自由貿易」が、
「なぜ、日本経済をマイナス成長に導くのか」
 について重点的に語っていきたい(特に、テレビで)と考えています。


 明日は久々、朝6時から文化放送「おはよう寺ちゃん活動中」に出演いたします。


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