民族共生象徴空間(ウポポイ)が明日に開業するのに先立ち、今日、記念式典を開催しました。

内閣官房長官は政府のアイヌ政策推進本部長であり、アイヌ政策の責任者です。政権が発足した翌年の2013年の夏に、東京でしか開催されてこなかったアイヌ政策推進会議を初めて北海道で開催しました。
ちょうど2020年東京五輪招致が決定した直後でもあったことから、その場で「オリンピック・パラリンピックの前にウポポイを完成させることで、アイヌ文化の素晴らしさを世界に発信することができる」と申し上げ、完成を前倒ししました。
それ以後、多くの関係者のご協力ご努力があり、ウポポイの開業の日を迎えたことに格別の思いがあります。

ウポポイは、我が国の貴重な文化であるアイヌ文化を復興・発展させる拠点であるとともに、我が国が多様で豊かな文化を持つ活力ある社会を築いていくための象徴でもあります。
研究や情報発信の拠点となる「国立アイヌ民族博物館」は、関東以北では初めての国立博物館となります。
舞踊、工芸といったアイヌ文化を体験・交流する「国立民族共生公園」や「慰霊施設」など、
美しい景観と四季折々の豊かな自然の中で、アイヌ文化の魅力を実感できる施設です。
今日もポロト湖に新緑が映え、本当に素晴らしい景色でした。
展示や再現した集落を見学しましたが、自信を持ってお勧めできる是非とも訪れていただきたい施設です。

アイヌの方々が民族としての名誉と尊厳を保持し、これを次世代に継承していくことは、多様な価値観が共生し、活力ある共生社会を実現するために重要と考えてまいりました。
このため、政府においては、昨年成立したアイヌ新法に基づき、アイヌの方々の誇りが尊重される社会の実現に向けた施策を総合的に推進しているところです。

国内外から、一人でも多くの人々が訪れて、アイヌ文化の素晴らしさを体験し、民族共生の理念に共感していただけるよう、政府としても、地元の皆様と十分に連携しながら、ウポポイのPRや魅力の向上に、引き続き全力で取り組んでまいります。