黒い迷宮 ルーシー・ブラックマン事件15年目の真実 | sgtsのブログ

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ルーシー・ブラックマン事件から15年たった今でもこの事件への関心は高いようだ。

逗子マリーナ殺人事件、ルーシー・ブラックマン事件、ブルーシー油壺401号室、などのキーワード検索でこのブログを訪れる人が毎日のようにいる。

事件の舞台となった諸磯湾は、私が20代の頃仲間と共同で10年間ほど小さなセーリングクルーザー(N220)を置いていた場所だ。

ブルーシー油壺も新築で販売された時にモデルルームを見学した覚えが有る。
当時、二十歳そこそこの若者が手を出せる代物ではなかったが。

この本は、表紙にあるように

日本在住20年のザ・タイムズ東京支局長が関係者への10年越しの取材でたどり着いた底知れぬ闇を追う。

520ページあまりの徹底取材によって真相に迫った力作だ。




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前半は、ルーシー・ブラックマンの生い立ち、両親との関係、出稼ぎで日本へ来てから二ヶ月足らずで行方不明になるまでを追う。

英国での借金、時には二股も有り次々にボーイフレンドを変えてゆく。
六本木での不法就労やドラッグ使用など彼女にも隙があった様にも思えるが、筆者によると英国のごく平凡な若者のようだ。


後半は、
パチンコで財を成した大富豪の在日コリアン四人兄弟の次男としての生まれた織原城二の幼少時代。

慶応高校に合格した15才の城二は、阿倍野区北畠の実家を離れ父親からプレゼントされた田園調布でも一際目立つプール付きの豪邸に一人で住み始める。

そして、17才の時に41才の父親が香港で謎の死を遂げる。

膨大な遺産を相続した頃より狂った生活が始まる。

慶応高校、慶応大学時代の同級生にも取材し、彼の特異な性格が浮かび上がる。

逗子マリーナ4314室(4号棟3階14号室?)での薬物を使ってのレイプは30年間で百五十人以上と言われる。
しかも、詳細な凌辱日記とビデオを残していたのだ。

ルーシー・ブラックマン事件の9 年前に   21才のオーストラリア人、カリタ・リッジウエイを同じような手口で殺していたのだ。

遂にルーシー・ブラックマン失踪より7ヶ月後、織原城二が逮捕される。

そして7年間の公判の末、衝撃的な判決が下される。

ルーシー・ブラックマン事件について無罪。

カリタ・リッジウエイ事件について準強姦致死で有罪、無期懲役が下される。

罪を認めている訳では無いのだが見舞金として織原より有利な証言を条件に、ルーシーおよびカリタ遺族に各一億円合計2億支払われた。

織原は、不動産投資に失敗し自己破産しているので母親が出しているようだ。

自分の娘を殺した相手から被告に有利な条件の証言をして、お金を貰う。

ここにも、人間の心の闇が垣間見える。

そして二審、最高裁と意外な展開になってゆく。