二つの鏡が向き合い、

音をたてて反射し合った。
自分によく似た人に出会った時、

私はそんな音をたてるだろう。


子供も大人も、鏡に映る自分を見るのが好きだ。

映されように夢中になり自分もまた鏡であることを忘れれば、

人は静かな空間をもてあまし嘘しさを覚える。


私は鏡だ。
光の届かない場所で動けずにいる者に

手を差し伸べるのではなく、できる限り近くに自分を置く。

そして同じ景色を観る。

痛みは、誰かと共感できたなら

気持ち良いものに変わるということを知ってる。

悲しみが減るのでも世界が変わるわけでもないが、

私の中で反転された世界は確かに新しい景色に見えた。

誰もが自分に似たものを探している。

どんなに自分が嫌いであろうとも、自分に似たものなら愛せる。

尊敬や憧れという感情には、愛が無い。

然るに人が一生の中で最も愛すのは、

世界で一番似ている人ーーー自分の子供。


私は子供だ。
正しい道を進んでると信じているから、途中で捨てたもの

あきらめたものを、 犠牲だなんて思わない。

空が目を閉じる。




          ♪♪♪



宇多田ヒカルさんの「Deep River」の

PVの冒頭で読まれる詩。


ここだけですでに


「深い」


遠藤周作さんの小説 『 深い河 』が

モデルになっているのではないかと

言われていますね。

この小説読みたいなーって

思ってはいたんだけど

まだ読んでないんですよーー(汗)


この秋こそは読みたい一冊です。

読んだ後に、この曲を聴くと

どんな風に感じるのかな?



          ♪♪♪






点と点をつなぐように
線を描く指がなぞるのは
私の来た道それとも行く先



線と線を结ぶ二人
やがてみんな海に辿り着き

ひとつになるから怖くないけれど


いくつもの河を流れ
わけも聞かずに
与えられた名前とともに
全てを受け入れるなんて
しなくていいよ
私たちの痛みが今 飛び立った


剣と剣がぶつかり合う音を
知る為に託された剣じゃないよ
そんな矛盾で誰を守れるの


何度も姿を変えて
私の前に舞い降りたあなたを
今日は探してる
どこでも受け入れられようと
しないでいいよ
自分らしさというツルギを皆授かった


時には流れを変えて
何も持たずに
与えられた名前とともに
全てを受け入れるなんて
しなくていいよ
潮風に向かい鳥たちが今飛び立った