amebaサトリさんでも月1の人生相談のページを持たせて頂いているのですが
そのページでもとても多い質問とか自己紹介のひとつに
「私には何もない」
という言葉からスタートすることがけっこうあります。
そして、こういうことを言うと怒られるかも知れないのですが、僕自身は相談する方から「私には何もない」という台詞が発せられているのを見た時に、けっこう嬉しくなってしまうのです。「その台詞を言う自分に辿り着きましたか! 」って。
これ、僕自身もそういう時期がすごくありました。自分語りになってしまって申し訳ないのですが、就職活動で全部落ちて、そしてプライベートでも色々あったときがあって
「自分には何もない」
と思わず言ってしまっていました。確か最後の就職試験があった三軒茶屋の面接会場からの帰りにつぶやきました。
でも、実はこの台詞ってすごく大事な台詞なのです。
「自分には何もない」
という台詞を言った時って
「他人から慰めてもらう私を卒業しようとする」、そういう正真正銘の“スタート”の時なのです。
大人になって、自分の「個性を持って活躍している人」って、実はそのスタート地点に「自分には何もない」という挫折を味わってきた人が多いです。でも、その挫折以上に大きなスタート地点ってどうしてもないのです。
「私には何もない」と心の底から実感してしまった時ってすごく寂しいし、この夜があとどれぐらい続くかわからなくて不安になってしまうけど、
「私には何もない」
そう言った時って、他人の人生との比較を辞めて、自分の人生の中で何かを始めるしかない。
そして、その始めるにあたってもう実は他人から「あなたなら大丈夫だよ」ともう直接言われる必要がない時なのです。
とりあえずゼロで、とりあえず無力で、でもそこからひとりで何かをやっていって、新しい仲間や新しい時間に出合っていく旅路が始まっている。
だから、自分を褒めたくなるようなことをまず一歩、勇気を出してはじめていくこと。自分で自分を褒めたくなる自分に変わっていくこと。ナルシスト上等だから。お化粧に興味がなかった人が勇気を出してデパートの化粧品売り場におこずかいを握りしめていってみるとか、そういうのも立派な勇気ある一歩です。
もうすぐ新生活が始まっていきます。
時間は流れていきます。
今の時間も、過去の時間も、そして未来の時間も、悪い時すらも愛おしくなっちゃった人って、何かそういう「何もない」というどん底にいる時に「もうね、やるしかないわな」と笑っちゃった人たちだと思います。
まだ今の自分に笑えない人も、「本当に私は何もやっていない」と思えてしまう人も、せめて「私は私のことを100%嫌いじゃないよ」と伝えてあげてください。