大地震の目安が震度6強とすると、
最大加速度との関係を聞かれることが多い。
地震の後に、地震波の最大値が報道されるが、
気象庁震度階級のルーツは、体感で、
体感は、加速度の他に、周期、揺れの長さの影響を受けるため、
震度は、加速度から、単純に求まらない。
現行の計測震度は、(1)式となるが、
amは、加速度記録(単位はガル)の各成分をフィルター処理後、
ベクトル合成し、継続(合計)時間が0.3秒となる加速度で、
最大加速度ではない。
I=2・log10(am)+0.94 ・・・(1)
単純に最大加速度記録から計測震度を推定する場合は、
もちろん目安でしかないが、下記を参考とする。
(1)従来の目安値
I=2・log10(am)+0.7 ・・・(2)
amは最大加速度(ガル)
Iを切り上げると河角博士による震度になる。
但し、I>=5.5 は、震度6で、その中で、
被害や地変の状況が特に著しいと認められた時は震度7。
(計測震度以前の理科年表等では、400ガルを震度7の目安としていた)
(2)フーリエ変換、振動解析等により卓越周期がわかる場合の目安値
気象庁 震度観測検討委員会報告(S63/02)
I=2・log10(am)+0.7+log10(k・t) ・・・(3)
amは最大加速度(ガル)
tは周期(秒)
kは暫定的に3.0としていた
(3)式では、t=0.333秒で河角博士の震度に一致する
(3)式を図化する。
(3)式はlogの式となっているため、縦軸の片対数グラフにすると、
各震度の線は、等間隔になる。
ここでは、数字の読みやすさや、
耐震設計では、小さな震度が問題とならないことに配慮して、線形グラフとした。