レーティング2013 凱旋門賞 | STR 精度世界一の競走馬レーティング

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凱旋門賞 GⅠ

127 トレヴ        545 2:32.04  129

127 オルフェーヴル    595 5     128

121 アンテロ       56 クビ    122  

119 キズナ        56 2      119

114 ペンライパビリオン  56 2      114

118 アルカジーム     595 2     118

 

1、2着は0.67秒差なので4馬身で考えています。どうもフランスは、着差が大きくなったとき、日本の基準より着差が過大になるようです。1、2着の斤量差は5キロで7p。着差は、遅かったフォルスストレートから直線入り口までの2馬身が1馬身あたり1.5p。そこからの2馬身が1馬身当たり2.5pで計8p。

 

オルフェーヴルはどうも動き良くない。スローからの末脚勝負で速度は出ているのに、動きが鈍く見えます。それに、細かくノメッていますね。フォア賞のときより、前年の凱旋門賞より、馬場にフィットしていないように感じます。

 

前年、フィット出来たからと言って今年も同じように出来るとは限りません。前年以来、またほとんどを日本で過ごし、フランスに戻ってきて期間が短いのですから。この年のフォア賞よりノメッているようなところを見ると、馬場の方に違いが出たのか、それともオルフェーヴル自身の変化なのか。まあ、動きが鈍いのは、状態の問題なのかと思いますが。

 

トレヴは、馬体重はかなり軽いようですが、背は決して低くはありません。首が高いのは別にして、走行中の亀甲も、むしろオルフェーヴルより高く見えるほどでしょう。首が高いのも、全く悪いことではありません。シーバード、ダンシングブレーヴ、モンジューなど、凱旋門賞を勝った超級の名馬にも首が高い馬は何頭もいます。トレヴが似ていると言われているリボーも高い方でしょう。首が低い方が、ぐんぐんと前に進んで行きそうに見えるから、一般的に首が高いのは良くないと言われているのでしょうが、それは誤解です。馬の首は、適切なタイミングで高くなったり低くなったりして重心を移動させることが役割なのであって、常に低めに推移する必要はないからです。

 

トレヴは、薄いから馬体重が軽いだけで、プロポーションとしては脚が長く、背が高いのです。そして、ミッドステップにも高さがあります。

 

しかし、高さがあるミッドステップの様相も、日本の名馬とはかなり違います。ディープインパクトやナリタブライアンやビワハヤヒデのような、ギュイーンまたはフワッと前半身を前に押し出す、放り出すようなものではありません。ストストストストと、早いタイミングで前肢を着地させています。地面から離れている時間を短くし、肢を接地させている時間を長くし、かつ丁寧にしっかりと地面に力を伝える走り方のイメージです。同じピッチ走法でも、オルフェのそれは日本式のフォームの延長線上にありますが、トレヴのそれはまさに欧州特化型。モンジューやデインドリームと同じような型にあります。このロンシャンの馬場を走るためにあるようなもの。フランケルは、このタイプではありませんね。中間型といったところ。

 

仮に、オルフェーヴルが前年の勢いで来て最後まで気を抜かなかったとしても、このトレヴを捉えられたかは微妙なところ。そのくらい素晴らしい走りでした。ただ、馬体重が軽いこの馬が、古馬になり58キロとか59キロとかを背負うと、若干パフォーマンスを落とすのではないかと思います。斤量差ではなくて、絶対的な斤量そのものですね。

 

凱旋門賞の斤量差自体は、これでほぼ五分の条件だと思います。3歳が優勢なのは、3歳で引退する有力馬が多いからでしょう。