ペットが活躍する本などをシリーズ、今回は猫の番です。
猫が活躍する小説なんですが、またまたかなりマニアックな本を取り上げちゃいます。
田中芳樹著
白夜の弔鐘(ちょうしょう)
幻冬舎文庫又は徳間ノベルズ
※いずれにせよ古本でしか手に入らないと思います
SF,ファンタジー、冒険小説、中国の歴史小説等のジャンルでは絶大な人気を誇る田中芳樹氏の著作です。
執筆されてから30年以上を経た今も、漫画化やアニメ化がされている「銀河英雄伝説」「アルスラーン戦記」などの、超人気作家です。
そんな人気作家が、人気が出る前に執筆した、知る人ぞ知る1冊です。
作者は超メジャーでも、かなりマイナーでマニアックな小説です。
なぜか、猫の小説というと、こういう物ばかりになっちゃいますね。
主人公の古郷は傭兵です。
今は戦場に行くこともなく、愛猫のネコマタと一緒にのんびりと暮していました。
しかしかつて世話になった上官からの頼みで、ロシア(この小説が書かれた当時はソ連)のダムをテロリストから守る仕事を受けます。
そこで、古郷とネコマタはヨーロッパ中を駆け巡る大冒険に乗り出すのです。
自由きままなのに、いつも古郷のそばをはなれないネコマタは、最高のパートナーです。
最高に息のあったコンビは、見事にテロリストに打ち勝ち、ダムを守り切ります。
でも物語のラストに、古郷とネコマタの別れが待っていました。
と言っても、悲しい別れではないので、愛猫家の皆さん、ここで読むのを止めないで下さいね!
古郷は、ヒロインの少女、クラリスにネコマタを託して、一人消えていくのです。
このラスト、ヒロインの名前と言い、ある名作アニメ映画を思い出しますよね。
そうなんです。
作者の田中芳樹さん自らが、宮崎駿ファンであることをあちこちで書いています。
そう言う点でも、最高の小説になっていますよ。
何と言っても、ネコマタが大活躍ですので、愛猫家の皆さん、必読の1冊ですよ