5月31日、国土交通委員会で質疑の時間を頂きました。地元北九州で伺った話、地元北九州で気になった話、かねてから問題意識を持っていた話を盛り込みました。地元の個別案件を取り上げる事も考えましたが、どうせ大した答弁は返って来ない事は分かっているので政策的なテーマに集中しました。ただ、問題意識の原点は北九州市での日々の生活で感じたものばかりです。

 

 普段は予算委や内閣委に居るので、国土交通委員会は独特の雰囲気だなと思いました。事業系に関心の強い議員が多い事が影響しているのかもしれません。

 

● 住宅団地内の公園
 住宅団地の中を巡っていると、「なんで、こんな場所に公園?」と思う事があります。明らかに端切れの土地を公園にしており、かつ、場所が良くないのでそもそも使われていないというものです。何故、あのような公園が増えるかというと、都市計画法上、設置義務があるからです。都市計画法第33条第1項第2号における開発許可においては「道路、公園等が、環境保全、防災、安全等支障がないような規模・構造で適当に配置される」としているのですが、もう少し方向性を出しておいた方がいいのではという指摘をしました。

 

● コンパクトシティと公営住宅
 これからコンパクトシティを進めていく必要が出ます。その際、市街地に移ってきてもらう必要がある時、公営住宅に優先的に入ってもらえるような政策ツールが求められると思います。「市街地に移ってきてください。その際の住居は確約できません。」ではコンパクトシティは進みません。勿論、公営住宅法の原則は公募制。これ自体は恣意的な公営住宅の運用をするためにも重要な原則です。一方、補助金適正化法による目的外使用が認められています。今後の政策のあり方として、補助金適正化法の目的外使用の中に明確にコンパクトシティを位置付けるべきだと主張しました。

 

 この問は与党議員に好評で、「目的外使用ではなくて、むしろ、公営住宅の本来の目的と位置付けたいくらいだ。」とのコメントもありました。斉藤国土交通大臣も質疑中、何度も頷いておられました。何かに結実してほしいと思います。


● トラック
 これは地元の運送業者からのお話でした。クレーンを積んだ四トントラックのユニック車だと、車両総重量が八トン未満にするため、事実上二トン少しくらいしか積めない事となります。少し大きめの自動車なら2台積む事すら出来ません。一方、近年車両の性能が上がっているので、安全のための基準をきちんと満たす事を条件に、もう少し積めるように出来ないのか、というお話でした。別の運送業者の方と話した時も「それ、結構、悲願なんですよね。」と言われています。

 

● 自動車保険
(1)地元のガレージの方と話していると、「林ちゃん、民間保険に入っていない車、多いのよ。多分、想像以上だと思うよ。」と指摘を受けました。先の国会以来、私はこの交通安全の話を刑事(危険運転致死傷罪)、民事(補償)双方の観点から追っており、被害者や遺族と話をしていると、事実上泣き寝入りに近い事がかなりあります。ただですね、答弁を見ていても分かるともいますが、自賠責は国土交通省、民間保険は民間(金融庁は監督)という事で、交通事故被害者に対する補償全体という観点からは誰も考えてないというのが現状です。勿論、全体を見直すとなると、保険のあり方そのものを見直さなくてはなりませんから、超大改正ですけど、補償能力のない車がバンバン走っているというのは怖い事なのです(勿論、事故が起きないのがベストです)。

(2)昭和48年、保険会社が示談代行制度を導入する際、非弁行為に当たる事を懸念した日弁連は日本損害保険協会との間で覚書を交わします。一方、交通事故被害者の中には、補償金の支払いが著しく滞っている方も多く、それらの方から現在の民間保険の運用はこの覚書の精神に反するのではないかという意見を聞きます。政府として、この覚書は遵守されるべきものだと考えるかと問いました。

 

この自動車事故の話は、当事者になった方の悲痛な声を聞いています。暴走する車に愛する親族を奪われた方から、「何故、あれが過失なのか?(刑事)」、「何故、補償されないのか?(民事)」、そのような声を聞くにつれ、これからも声を挙げていこうと思っております。


● バイオディーゼルの活用
 バイオディーゼルと軽油と混合して、自動車(バス)等に使用する場合、何かとハードルがあるんです、という指摘を地元北九州市で聞きました。説明を聞いてみると、経済産業省、国土交通省、消防庁、総務省(自治税務局)と数多くの省庁が絡む事がよく分かりました。

(1)その上で、経済産業省、国土交通省、消防庁の規制の中で活用のハードルになっているものがあるのかと問いました。詳細はともかくとして、多分、これらの省庁の規制が活用のハードルになっている印象は受けませんでした。

(2)多分、総務省自治税務局所管の軽油引取税関連の承認申請が少し事を複雑にしているのではないかと思います。10日前までに「承認を受けようとする者」「消費年月日」、「消費しようとする燃料の性状及び数量」、「消費に係る自動車の自動車登録番号」、「消費に係る自動車の主たる定置場」を提出して承認を求めなくてはなりません。答弁にある通り、勿論、不正軽油防止と課税情報の把握は大事です。一方、優良な実績がある事業者については承認のあり方を事後的に緩和する事は出来るような気がします。これは特区でやれないかと思っており、その旨、地元にフィードバックしました。

 

 20分という限られた時間でしたのが、地元で普段から疑問に思っている事をしっかりやりました。