2023.12月第四定例会で会派を代表し、一般質問をしました。

正式な議事録は区議会HPからご覧になれます。

 

 

ひとり親家庭への支援について

 

 

  質問

 

●父子家庭に対する支援について。 

国のひとり親を対象とした支援は、昭和39年に「母子福祉法」が制定され、現在は、「母子及び父子並びに寡婦福祉法」となり、父子家庭が支援対象となったのは、法施行後50年を経た平成26年からとなっています。 

令和4年に区が実施したひとり親家庭ニーズ調査で、ひとり親になった事情についての回答は、母子・父子家庭ともに協議離婚が最も多く、父子家庭については次いで死別となっています。 

練馬区では、他自治体に先駆け「ひとり親家庭自立応援プロジェクト」により、充実したひとり親家庭施策を展開しておりますが、今後は父子家庭についてもニーズを捉え、より多くの支援に繋げるべきと考えます。 

国が令和3年度に実施した「全国ひとり親世帯等調査」によれば、親が最も困っていることに「家事」と答えた世帯は、母子世帯3%に対し、父子世帯は14.1%と他の項目と比べ特に高い結果となっています。前定例会の会派の一般質問において、ひとり親家庭ホームヘルプサービスの充実を求めたところ、区は、サービスの担い手を増やす取組みを検討すると答弁されましたが、この取組みに加え家事支援の充実を図られるよう要望しますがいかがでしょうか。 

また、練馬区ひとり親家庭ニーズ調査において、「悩みを相談できる相手はいるか」の問いに、母子・父子家庭共に「相談できる相手がいる」との回答が最も多くなっていますが、父子家庭では「相談相手が欲しい」との回答が、母子家庭より15.7pt高いことがわかりました。 

この結果から、父子家庭がより相談しやすい体制を構築されたいと考えますが、あわせてご所見をお伺いします。 

 

区は、虐待やDV、家庭内不和などにより、生活にお困りの母子家庭に対し、都の女性センターなどと連携して、緊急一時保護事業や母子生活支援施設などの支援につなげています。今後、同様の背景により生活に困窮する父子家庭に対しても、関係機関が連携した支援が必要であると考えますが、ご所見をお伺いします。 

 

●親権について。 

国は、離婚後も父母が共に子の親権を持ち続ける「共同親権」を可能にする議論を行っています。今後、この件に関して民法等の法制度が改正されれば、父母のいずれか一方が親権を持つ現行の「単独親権」制度から大きく転換することになります。議論の過程においても、「離別後も協力して子育てする父母が増えれば、子の利益になる」など前向きな意見が出た一方、夫婦間の対立に子が巻き込まれたり、DVや児童虐待が続いたりする恐れがあるとの慎重な意見も出されました。 

親権をどうするかは、父母および子にとって大変重い決断です。国の動きによっては、ひとり親家庭の法律相談において、親権に関する相談が多くなることも想定されます。様々な議論があることも踏まえ、慎重かつ丁寧な対応をすべきと考えますが、ご所見をお伺いします。

 

 

  答弁

 

福祉部長

区は、相対的貧困率が高いひとり親家庭を対象に、生活・就労・子育ての3つの支援を組み合わせて提供するひとり親家庭自立応援プロジェクトを平成29年度から開始し、23区で最も多くの事業を実施しています。

昨年4月に実施した、ひとり親家庭ニーズ調査によれば、父子世帯の42.5%、母子世帯の38.4%が家事に負担を感じています。母子・父子世帯とも、平成28年度の調査時と比べ、約16ポイント増加しました。

子育てや家事などの支援ニーズにきめ細かく対応できるよう、ひとり親家庭ホームヘルプサービスの充実を検討してまいります。 

また、同調査では、54.8%の父子世帯が、「ひとり親家庭総合相談窓口を知らない」と回答しました。
相談窓口や支援事業については、区公式Xや児童育成手当の現況届に同封するリーフレットなどにより情報提供をしています。 事業内容が分かりやすく伝わるよう、リーフレットや公式Xの記載内容を見直すなど、より伝わりやすい情報発信に努めていきます。
支援が必要な父子世帯に対し、男女共同参画センターえーる、子ども家庭支援センター、 福祉事務所などの関係機関が連携した支援を行っています。
DVや虐待などにより、一時保護などの支援が必要な父子世帯については、特別区人事·厚生事務組合が運営する宿所提供施設や
宿泊所につないでまいります。 

 

次に親権についてです。

子どもの健全な育成のためには、適切な親権の決定が必要です。
区は、離婚手続きや養育費、親権問題などについて、弁護士による法律相談を実施しています。

本年4月から、土曜相談を開始し、10月末までに74件の相談がありました。
弁護士は、相談者の生活状況を丁寧に伺い、離婚前後の課題解決に向け、法テラスの案内や法律的な助言などを行っています。
本年8月、国の法制審議会の部会は、両親がともに親権を持つ、「共同親権」を導入する案を示しました。
区は、親権に関する国の動向を注視するとともに、一人ひとりに寄り添った、きめ細かな相談支援を実施してまいります。