経営会社社長ら6人逮捕

メダルが出る率を不正に操作するロムをパチスロ機に取り付けたとして、県警生活保安課と新潟東署などは2004年2月 12日、豊栄市木崎、パチンコ店経営会社「アイビー企画」社長、朴泰鉉(ボクタイゲン)容疑者(52)=韓国籍=ら6人を風営法違反(遊技機の無承認構造設備変更)の疑いで逮捕した。アイビー企画は22店舗のパチンコ店グループ「NO.1」を展開し、県内の業界最大手。県警は同日、新潟県 新潟市 万代1の本社や朴容疑者の自宅など40カ所以上を家宅捜索する一方、同署に100人態勢の捜査本部を設置した。

調べでは、朴容疑者ら6人は2002年11月 下旬から2003年12月 中旬にかけ、「NO.1赤道店」(新潟市(現:北区 )上王瀬町)のパチスロ2機種計100台の主基板にメダル量を調節する不正ロムを取り付けた疑い。改造は朴容疑者の指示で行われ、ロムの入手には今回逮捕された名古屋市千種区香流橋2、パチンコ機械仲介会社員、尾崎真容疑者(38)がかかわったとみて追及している。

関係者によると、不正ロムを使った機械は、メダルの出方を極端に多くしたり少なくすることが可能。大当たりする台が増えれば、一方でまったく当たらない台が多数あっても客の不満は少ないといい、集客と売り上げ増加に直結する。赤道店では、不正改造による利益が1日あたり数十万円に上ったとみられる。捜査本部は、朴容疑者らが長岡市 などの数店舗でも数百台に同様の改造を行ったとみており、全容解明を急いでいる。

朴、尾崎の両容疑者以外に逮捕されたのは、聖籠町道賀新田、同社営業機械課長、水戸部光春(54)▽同町二本松、同管理部課長、飯田俊一(30)▽豊栄市木崎、同営業管理課主任、福田徹(45)▽新潟市天明町、「NO.1赤道店」店長、安村能教(31)の4容疑者。

アイビー企画は1981年、朴容疑者が設立。ホームページでは、2003年の売上高(見込み)を1097億円と公表している。赤道店は2001年12月 にオープンした。

参考記事・毎日新聞(2004年2月13日)


全店で不正ロム設置確認

新潟最大手のパチンコ店「NO.1」チェーンが不正改造の容疑で摘発された問題で新潟県警は2月19日までに、22店舗ある同チェーン店すべてで不正ロムが見つかったことを確認した。

同県警は2月11日、同チェーン傘下の数店舗に設置されていたパチスロ機に不正改造の疑いが強まったとして強制捜査に着手、13日には風営法違反の容疑で経営企業の「アイビー企画」の朴泰鉉社長ら6容疑者の逮捕に踏み切っていたが、その後の検査で全店での不正ロム交換を確認。朴社長の指示により組織的に行われていた可能性が高いとして不正ロムの入手経路など全容解明を進めている。

2月19日までの逮捕者はその後1人増え7人。朴社長のほかアイビー企画幹部、パチンコ機械仲介会社員らは現在も同県警の厳しい追及を受けている。

アイビー企画は2002年の年商が946億円で県内第1位。2位の三井企画の319億円を大きく引き離していた。同社が不正改造したとされるパチスロ機は2機種。いずれも30φ機だったという。

参考記事・新潟日報(2004年2月19日)


長岡店へ取り付け疑い、社長ら5人再逮捕

新潟市のパチンコ店経営会社「アイビー企画」による一連の不正ロム使用事件で、新潟東署捜査本部は2004年3月 3日、新たに長岡市内の店のロム取り付けに関与したとして、豊栄市木崎、同社社長、朴泰鉉容疑者(52)ら5人を風営法違反(遊技機の無承認構造設備変更)の疑いで再逮捕した。

調べでは、朴容疑者ら5人は2002年11月 下旬から2004年1月 下旬にかけ、パチンコ店「NO.1長岡柏町店」(長岡市柏町2)のパチスロ2機種計100台の主基板に、メダル量を調節する不正ロムを取り付けた疑い。ロムが取り付けられたのは、既に摘発された赤道店(新潟市上王瀬町)と同じ機種だった。

捜査本部は、今回再逮捕された名古屋市千種区香流橋2、パチンコ機械仲介会社員、尾崎真容疑者(38)がロムを入手し、各店舗に出向いて取り付けたとみている。また村松店(村松町)でも30台以上のパチスロで不正ロムが見つかっており、立件する方針。

一連の犯行で逮捕、送検されている7人のうち、朴、尾崎容疑者以外で再逮捕されたのは、豊栄市木崎、同営業管理課主任、福田徹(45)▽新潟市天明町、「NO.1赤道店」店長、安村能教(31)▽三条市上保内、「NO.1新津店」店長、目黒亮介(32)の3容疑者。安村、目黒容疑者は2001~2003年、前後して同社営業部次長を務め、グループ店全体の機種の選定や入れ替えなどに当たっていた。

参考記事・毎日新聞(2004年3月4日)


社長らを略式起訴、罰金納付

新潟市のパチンコ店経営会社「アイビー企画」の不正ロム使用事件で、新潟区検は3月24日、法人としての同社と同社社長朴泰鉉容疑者(52)ら3人を風営法違反(遊戯機の無承認構造設備変更)の罪で新潟簡裁に略式起訴した。これを受け簡裁は同日、同社と朴容疑者にそれぞれ罰金50万円、他の2人に計40万円の略式命令を出し、いずれも即日納付した。一連の事件を巡る地検の捜査はこれで終結した。

起訴状によると、社長らは2003年6月11月 、県公安委員会の承認を得ずに、パチンコ店「NO.1」の新潟市、長岡市、村松町の計3店のパチスロ計88台にメダル量を調節する不正ロムを取り付けた。

朴容疑者以外で略式命令を受けたのは、同社の男性営業部次長(31)=罰金10万円=と名古屋市のパチンコ機械仲介会社の男性社員(38)=同30万円。3人以外で事件にかかわり、風営法違反容疑で送検された4人(処分保留で既に釈放)について、地検は「上層部の指示による犯行で、果たした役割は小さい」と判断、起訴猶予処分にする方針。

参考記事・毎日新聞(2004年3月25日)


アイビー企画、近く営業許可取り消し

新潟市のパチンコ店経営会社「アイビー企画」の不正ロム使用事件で、県公安委員会(大嶽里恵子委員長)は2004年4月 21日、朴泰鉉社長(52)に対する聴聞会を開いた。公安委は近く、不正ロムが置かれた店の営業許可を取り消す行政処分を行う方針。ロム設置には朴社長自身も関与しており、今回の処分が確定すれば、同社が運営する他の21店舗も風営法に基づき営業許可が取り消される可能性がある。この日の聴聞の対象になったのは、不正ロムが設置された3店のうちの1店「NO.1赤道店」(新潟市上王瀬町)。

公安委によると、アイビー企画は2002年11月2003年12月 、赤道店のパチスロ2機種計100台の主基盤に、5回にわたりメダル量を調節する不正ロムを取り付けた。

聴聞会で朴社長は「関係者に大変ご迷惑をおかけして申し訳ない。今後は不正がないよう約束する」と謝罪。「処分を甘受する」と述べながら、会社運営の改善策を挙げ「業務改善への熱意、考え方を理解してほしい」と訴えた。

一連の事件では赤道店のほか、長岡市、村松町の2店のパチスロにも不正ロムを取り付けたとして、法人としての同社と朴社長ら3人が新潟簡裁から罰金計140万円の略式命令を受けている。

参考記事・毎日新聞(2004年4月22日)


県内2店対象に行政処分聴聞会

新潟市のパチンコ店経営会社「アイビー企画」の不正ロム使用事件で、県公安委員会は23日、朴泰鉉社長(52)が個人で経営する県内2店を対象に、行政処分のための聴聞会を開いた。

聴聞の対象は、「NO.1村松店」(村松町)と「パチンコダイエー中木戸店 」(新潟市)の2店。朴社長は欠席し、「十分に反省している。社員の雇用も考慮し、営業できるよう判断してほしい」と陳述書で訴えた。

パチンコ店「NO.1」系列は県内に22店あり、このうちアイビー企画が直接経営する20店は既に営業許可の取り消しが決まっている。県警は残る豊栄店の処分についても、公安委への上申を検討している。

参考記事・毎日新聞(2004年6月24日)


県内2店の営業許可、取り消しへ

新潟市のパチンコ店経営会社「アイビー企画」の不正ロム使用事件で、県公安委員会は2004年7月 1日までに、朴泰鉉社長(52)が個人で経営する県内2店の営業許可を7月20日付で取り消す行政処分を決めた。営業許可を取り消されたのは「NO.1村松店」(村松町)と「パチンコダイエー中木戸店」(新潟市)の2店。

「NO.1」系列のパチンコ店は県内に22店あり、アイビー企画が直接経営する20店は既に営業許可の取り消しが決まっている。

参考記事・毎日新聞(2004年7月2日)


親族企業で営業再開、申請

県内最大手のパチンコ店「パチンコNO.1」のパチスロ機に不正ロムが使用され、運営会社「アイビー企画」(本社・新潟市万代)が県公安委員会から営業許可を取り消された事件で、同社社長の親族が経営する会社が県公安委にパチンコの営業免許を申請していたことが2004年9月 8日、県警の調べで分かった。営業取り消し処分は原則5年間だが、風営法では、経営者や役員が異なれば別法人による免許申請に違法性はなく、免許は年内にも認められる見通しだ。

同社を巡っては、県警が2004年2月、パチスロ機に不正ロムを取り付けたとして風営法違反(無承認構造設備変更)の疑いで社長ら計7人を逮捕(その後、略式起訴や起訴猶予処分)。県公安委は同社の直営店と系列店計21店舗の営業許可を取り消した。

阿賀野市 に新設された会社は、すでに県公安委にパチンコ店10数店舗の営業許可を申請。現在、閉店中の旧パチンコNO.1の各店舗では、「N-1 」と改称した新しい看板が設置されるなど営業再開に向けた準備が着々と進められている。

県警生活安全企画課では「経営者や役員が同じであるなど風営法上の欠陥理由がない限り、営業は許可される。法の盲点をついたやり方で道義的な問題は残るが、法律に沿って対処するしかない」としている。

参考記事・読売新聞(2004年9月9日)


公安委員会、親族企業に15店舗営業許可

傘下全店のパチスロ機に裏ロム使用による不正改造が発覚し、2004年7月までに全22店舗の営業許可取消処分が下されていたアイビー企画(新潟市/朴泰鉉社長)の「NO.1」チェーンのうち、親族会社を受け皿として営業許可申請が出されていた15店舗について新潟県公安委員会は、2004年12月 25日までに営業を許可した。

受け皿会社はアイビー企画の朴社長の義兄が経営する会社で、15店舗の許可申請はこの受け皿会社から2004年8月に出されていたもの。15店舗の屋号は「N-1」。今回の審査期間が約4ヵ月という異例の長期に及んでいたことを指摘し、その理由について県警の青柳隼弘生活安全部長の「慎重に審査した」とのコメントを掲載している。

営業許可が取り消されるとその会社や役員は以後5年間にわたり許可申請はできないが、今回のケースのように名義変更を行った上で申請されたものについては、たとえ親族関係のつながりがあっても手続き上の不備がなければ申請を認めざるをえず、また法令が定める許可基準をパスすれば許可を得ることは可能だ。ただ今回の判断に地元同業者の一部から批判が出た模様で、前出の青柳生活安全部長は、「現行法上で問題がなければ、許可せざるを得ない」と同紙の取材に対して述べている。

参考記事・新潟日報(2004年12月26日)