おはようございます。
キングコング西野です。

薄々お気づきかもしれませんが、どれだけお金を積まれようと、僕は嘘を尽きません。
たとえ炎上しようとも、マズイものは「マズイ」と言いますし、相手が大先輩であろうと、気持ちの悪い噛みつき方をしてきたら「気持ち悪い」と言います。

いわゆる「空気を読む」というアクションが、この信用経済社会においてマイナスであることを誰よりも熟知しているのが何を隠そう私、キングコング西野でございます。

そんなキングコング西野がオススメしたい一冊があります。
僕の友人でもあり、株式会社SHOWROOM代表の前田裕二さんの最新刊『メモの魔力』です。

一足先に読ませていただきましたが、友達の贔屓目抜きにしてメチャクチャ面白かったです。
とは言っても、どこまでいっても「友達だから贔屓してるんでしょ?」という疑いは残ると思うので、今日は前田裕二最新刊『メモの魔力』の「まえがき」を全文無料公開したいと思います。
(※無料公開は本人の意思でもあります)

面白かったら、ポチってやってください(*^^*)
そして、このアクションに対して、「おう!前田!お前の心意気、買ったぞ!」と思われた方は、どうか、このブログをシェアしていただけると嬉しいです。

それでは、どうぞ。
前田裕二最新刊『メモの魔力』の「まえがき」です。



『メモの魔力』(前田裕二)


【序 章】

「メモの魔力」を持てば世界に敵はいない

「どうしてそんなにメモをとるんですか?」
「そんなに書くことってありますか?」
「メモとっても見返さなくないですか?」

これらは、大袈裟ではなく、数日に1回のペースで必ず、僕が人から聞かれている質問です。
自分の中では至極当たり前のことでしたし、特に深く考えたことがなかったのですが、確かに、僕は、365日、とにかくおびただしい量のメモをとっています。

朝起きて、夜寝るまで、いつでも、メモがとれる状態にあります。
「ここまで来ると狂気だ」と言う人もいます。
メモの狂気。
そう言われて、改めて自分自身に「なぜ?」を投げかけ、メモの意義を問うてみたのが、本書を書く筆を手にしたきっかけです。

映画や演劇などを観ていても、気づいたことを相当な分量メモします。おそらく、一つの作品につき、多いときで100個以上、少なくとも数十個のポイントはメモしていると思います。「あの舞台どうだった?」と聞かれて、「最高だったよ。感想は10個あってね……」と言って、逃げられたこともあります(笑)。

街に出るときも、「あの看板ってなぜあんなデザインなのかな?」「この広告のコピーはなぜこうしたんだろう?」と、自分の心がたくさんの情報をキャッチできるように、いつも思いきり毛穴をむき出しにして歩いています。
街と対話して、考え、気づいたことを、よく立ち止まってはメモしています。

映画やテレビ、ネットコンテンツなどで「ヒットしている」と騒がれるものがあるともうワクワクが止まらなくて、「なんでこれはこんなに流行ってるんだろう」とすぐに考えて、オリジナルのノートにメモしています。

イベントや、会食、ランチのときも、当然相手に了承を得つつも、気づいたことや、頭の中に思い浮かんだアイデアがあれば、すべてメモします。

就職活動のときは、自己分析を深めるために内省メモを続け、自己流で作っていた「自己分析ノート」は、最終的には30冊を超えました。
起業のアイデアもノートに書き溜めて、そこで描いたビジネスモデルの数は100を超えました。

なぜ僕は、ここまで狂ったように「メモ」にこだわるのか。
それは、この「魔法の杖なんてない」と言われる世知辛い社会において、メモこそが自分の人生を大きく変革した「魔法の杖」であると直感しているからです。
そして、今後も、その魔力で僕の人生を良い方向に導いてくれるであろう、という確信があるから
です。

一体、どんな魔力なのか。
まず、メモをとると、あらゆる日常の出来事を片っ端からアイデアに転換できます。
一見価値のなさそうな、普通の感覚では誰もがスルーしてしまう小さな事象でさえ、メモすることで、それはアイデアになる。
メモの魔力は、日常をアイデアに変えるのです。

また、メモの効用は、アイデアを生み出すことに留まりません。
対象を「自分自身」に向けることで「自分とは何か」も見えてきます。つまり、自己分析が深まる、ということです。「自分を知る」などと言うと「今さら自分探し?」という声が聞こえてきそうですが、今の時代、自分を知ることはすごく大切です。

今後、お金をどれだけ持っているか、ではなく、人の感情や共感などといった「内在的な価値」こそが評価対象になるという「価値経済」が大きく勃興することは、ほぼ間違いないでしょう。
そんな時代の中で、「自分をよく知って何かに熱中している人」こそ、多くの共感を集める人になる、すなわち価値を持つのだと強く思います。

メモがあなたの「人生のコンパス」を作る

普通、自分を知る経験といえば、いわゆる就職活動の流れで誰もが通る「自己分析」
でしょう。とはいえ、「面接のために仕方なく『自己分析』をやった」という人がほと
んどではないでしょうか。

自分は何が好きなのか? 
何が嫌いなのか? 
何が得意なのか?  
何が苦手なのか?  

こういったことを必要に迫られて(人によっては半ば嫌々)整理したと思います。
ただ、僕は、この自己分析をやり切った人をあまり知りません。多くの人は自己分析を中途半端に終えてしまって、自分のことを深く知らないまま、ものさしのないまま、流れに身を委ねて日々を漫然と過ごし続けてしまいます。

もちろん、それも一つの生き方であるし、否定するものでは決してありません。

ただこれは、「ものさしなしで生きることこそ自分の幸福だ」と決めていることが前提です。
「あなたはどういう人間ですか?」「何がしたいのですか?」「一番大事にしていること
はなんですか?」と、突然聞かれて、とっさに答えられる人はなかなかいないでしょう。

つまり、自分のことをよく知らないまま生きている。
そのため、大きな判断を求められると、毎回迷ったり、ブレたりしてしまう。せっかく奇跡的にも「人間としてこの時代を楽しく生きる」という権利、人生という宝物を神様から与えられたにもかかわらず、それを最大限楽しみ切れず、無駄にしてしまう可能性があるのです。

現代の社会においては、戦時中や身分制度があった頃と比較すると、大きな制約を受けることなく、大変自由に生きることができます。
生き方の選択肢は無数にあるし、何をやってもいい。
しかし、自由だからこそ、困ったことも起きてきます。
今度は、どのように生きることが幸せなのかがわからなくなる、人生という旅の中で迷子になってしまう人が続出するのです。
いっそのこと誰かに生き方を決めてもらったほうが楽だ、とさえ思う人もいるかもしれません。

自分のことがわかっていると、明確な価値観や死生観に沿って、正しい方向に向かってオールを漕いでいくことができます。
生きるという航海を正しく進めるための指針、いわば、「人生のコンパス」を手に入れることができる。コンパスとはすなわち、「人生の軸」ですが、これを持っている人は、あまり迷いません。

軸を持っていない人は、いつも何かにつけて迷ってしまい、勢いよく前に突き進むことができません。
自分が何に喜びを覚えるのか、何を幸せと思うのか、が明確になってこそ、大きな推進力を持つことができます。

自分を知り、確固たる「人生のコンパス」を手に入れる。そのためのツールとして強い力を発揮するのが、本書で紹介する「メモ」なのです。

メモをとることで人生が変わる、というのは、決して僕が「今回、本にするから」といって誇張した表現ではありません。100%心から、本心で言っています。

情報をアイデアに変える。自分を客観視して、自分を理解する。そして「人生のコンパス」を手に入れる。
メモは、僕たちの可能性を広げ、人生をより良いものにしていくための、この上なく心強い味方なのです。

メモによって夢は現実になる

メモの魔力は、僕らの夢をも、現実のものにしてくれます。
一度きりの人生において「こんなことを実現したい!」「あんなことがしてみたい!」「こうなったらいい!」ということを、ただ心の中で思っているだけでは、ほとんどかないません。いつの間にか気持ちが薄れてしまったり、跡形もなく消えてしまったり……。

我々が持つ多くの願望は、その程度のものです。
それを防ぐのが、メモです。
そうした夢、願いを紙に書き付けることで、その想いは格段に強くなります。
紙に書いたものを、何度も見返すことで、その想いは本物へと成長し、そうして強くなった願いは、心の中にへばり付いて離れなくなります。想いを持ち続けることができるのです。
 
現代において、僕が「本当に強い」と思う人材は、「想いの強い人」です。
志が高い。
夢がある。
熱意がある。
ちょっとウェットではありますが、そういう強力な軸を持ったある種人間的な人こそが、力強く前に進んで、社会に大きな引っかき傷を残すのです。

僕自身まだ夢への道半ばですが、ここまで走って来られたのも、メモの力が大きいと言わざるを得ません。
実は、小学生の頃に両親を失い、ギター弾き語りの路上ライブで生計を立てていたのですが、思い返せば、そのときも「どうすればお客さんが集まるのか」「どうすればリピーターにできるのか」「どうすればお客さんがお金を払ってくれるのか」という仮説を小さなノートにいちいちメモして、いわゆる「PDCA」を繰り返していました。
(当然、当時は「仮説」という言葉も知らなければ、「PDCA」という発想もなかったのですが……)

その後も、勉強や就活、社会人になり起業してからも、ずっとメモを相棒にして人生の難問をクリアしてきました。だから、今の僕があるのはメモのおかげだと言っても過言ではないと思います。

メモへの想いが溢れてしまったところで、一旦気持ちを落ち着かせて、この本を読もうとしてくださっている皆さんに、本書の流れを簡単にご紹介します。

まず、第一章では、メモの良いところや効用を具体的にお伝えします。その中でも、特に、「メモで日常をアイデアに変える」ということについて、深く考えてみたいと思います。日々の出来事をアイデアに変え、行動につなげるには実際にどうすればいいのか、という話です。

次に、第二章では、「メモで思考を深める」と題し、本書のキーワードでもある「抽象化」についてお話しします。メモからアイデアを生んだり、新しく価値を生み出すために、「抽象化」という武器を装備していただかなくてはなりません。皆さんが本書を読むだけで「抽象化」というツールをすぐに携えることができるように、その三つの型を説明しながら、僕がふだんどんな風に思考しているのかを具体的に説明していきます。

第三章は、「メモで自分を知る」です。どんなにメモを駆使して、アイデアを生み出したり、すごい思考法を身につけたりしても「何をしたいのか」が明確でなければ、それは無用の長物になってしまいます。倒したい魔王がいないのに伝説の剣を手に入れたようなものです。まずは、倒すべき魔王を定義しましょう。つまり、メモを使って自分を知ることで、自分の人生の指針・コンパスを手に入れるのです。
そのためにどうすればいいのか? 前田式の「自己分析ノート」の作り方を説明しながら、自分を知るためのノウハウをお教えします。

第四章では、「メモで夢をかなえる」方法についてお話しします。少しスピリチュアルに感じられる方もいるかもしれませんが、僕は、メモや、メモを通じた言語化が夢の実現につながるということが科学的に証明される日も遠くないと本気で思っています。
なぜなら、僕自身、人が一見「難しい」と思うような夢を、メモの力によってどんどんかなえてきているからです。夢のリストアップと優先順位付け、ライフチャートなどのフレームワークをご紹介しつつ、ここまでに描いた夢をどのように実現につなげていくのか、その方法論をお伝えします。

最後の第五章では、「メモは生き方である」という僕の哲学を、改めてお伝えしたいと思います。メモは単なる〝ノウハウ〟ではなく〝姿勢〟である、というのが僕の意見であり、スタイルです。メモを毎日の「歯磨き」のように習慣化することで、生き方が変わり、夢が実現していきます。ここでは、具体的な習慣化のノウハウなどもお伝えしながら、メモとともに生きる人生について、お話ししてみたいと思います。

そして巻末には、特別付録として「自己分析1000問」をご用意しました。これは正直、僕が読者だとしても、圧倒されてしまうような凄まじい量の問いの集合体です。

講演会などの機会に皆さんとお話ししていても、「やりたいことがわかりません」という質問が一番多いのですが、毎回、「どうすればやりたいことが見つかるか」という答えを具体的に提示することができませんでした。なぜなら、僕自身、本当に心からやりたいことを見つけるのに、30数冊もノートを書いたからです。2ページにつき1問、平均60ページの大学ノートなら、一冊30問、30冊で900問になります。実際は30数冊ありましたから、ちょうど1000問程度の質問に答えました。その30冊を皆さんに見せることもできないし、どうしたらよいか……と考えたあげく、「同じ質問に答えてもらえばいいんだ」という結論に至りました。

もちろん、1000問すべてに答える必要はありません。
ただ、やりたいことがわからなくなったり、自分の人生に迷うことがあっても、いつでも、ここに戻ってきてほしい。そういった人たちの「迷い」を、すべて受け止めたい。
そんな想いで、「これだけやれば大丈夫だ」という、立ち返る原点になるような1000問を一定網羅的に用意してみました。

最初のほうによりクリティカルで本質的な質問を用意していますので、これらに答えることで、きっと多くの人は早い段階で自分の大事な価値観に気づくでしょう。
人生のコンパスが見つかり、自分という船の進むべき航路が見えてくるはずです。「自己分
析」とありますが、学生の方だけではなく、なんとなく今従事している仕事について違和感があったり、もやもや感があるな、と感じているビジネスパーソンにもぜひ挑戦してもらえたらとても嬉しく思います。

きっと、皆さんの人生を変えることができる、という自信があります。

ここまで読んでくださった方は、なんとなく、メモをとりたい気持ちを持ち始めてくださっているのではないでしょうか。その高まる気持ちを、どうかこれから本編にぶつけていってください。そして、その計り知れない本物の魔力を、一緒に手にしていきましょう。

素晴らしきメモの世界へ、ようこそ。

前田裕二


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