食神・傷官の解説 | 運命学の研究

運命学の研究

大阪(新大阪、心斎橋、石切)でプロの易者として活動している武部泰莞のブログです。
運命学について書いています。

● 食神・傷官の解説


大阪の易者、武部泰莞です、こんにちは。

 

 

鑑定料金 / 占術講座 / お客様の声
館への出演日 / お問合わせ / Link


食神・傷官のことを、合わせて食傷と呼ぶことがあります。

 

 

食神とは、日干が生じる五行で、陰陽が日干と同じものを言います。

 

 

つまり、

 

甲と丙

 

乙と丁

 

丙と戊

 

丁と己

 

戊と庚

 

己と辛

 

庚と壬

 

辛と癸

 

壬と甲

 

癸と乙

 

の、この十種類の関係のことを言います。

 

 

 

傷官とは、日干が生じる五行で、陰陽が日干と反対のものを言います。

 

 

つまり、

 

甲と丁

 

乙と丙

 

丙と己

 

丁と戊

 

戊と辛

 

己と庚

 

庚と癸

 

辛と壬

 

壬と乙

 

癸と甲

 

の、この十種類の関係のことを言います。

 

 

 

一般的な解説と、考察

 

一般的に、食神・傷官は以下のように解説されているようです。

 

 

僕の考えは註として、それぞれの下に書いてみます。

 

 

【食神】

食神とは財産を産み出す星で、女性には子供、孫を意味します。

祖先の財産とか相続、衣食住を示し、又、健康寿命の星(※1)でもある。

男性で財星がなく、食神がある場合は、食神は妻の星とみる。

この星が元命にあれば、その性格はあっさりとしていて淡白で、おっとりとしており、のびのび育った感じがします。(※2)

体型はやや小太りで、色艶もよく心も豊かで広く、美的感覚に優れています。(※2)

ところで、食神は偏印、空亡を最も嫌います。(※3)

もし偏印があれば偏印を抑える偏財が効果があります。(※3)

又、食神は祖先の徳を受けていることを示しますが、もし偏印があればその福分は半減する。(※3)

月支元命が食神で、柱勢が建禄であり、命式に刑、冲、空亡、偏印がなければ最高の運勢である。(※3)

しかし、食神が三ツ以上あれば、色情の問題が発生する。(※3)

女性で食神太過は淫乱の傾向がある。(※3)

 

※1 迷信に過ぎないが、広く信じられ過ぎている。

※2 人を鑑定していなければ、こういうものに騙されてしまう。食神という星が、日干の力にどう影響を与える星なのかを考えれば、このようなものが間違いだというのはすぐに分かるはず。

※3 意味不明。

 

 

【傷官】

傷官は、女性にとっては子供の星。

又、夫を剋す星ですから、夫との生死別を示します。

男性にとっては正官を剋しますから、勤務上の災難が起こりやすく、又、相続にも支障をきたす恐れがある。

傷官の性格は、神経質で、高慢な気質を持ち、口は達者ですが、人との協調性に欠けるため、協同事業とか会社勤務は、生来、向きません。(※1)

自由業、学芸技術の星であるので、その方面に進んだ方が良い。(※1)

もし会社勤務などの仕事であったら、世渡りがへたで、対人関係がまずいため、本人にとって一生辛い思いをする。(※1)

傷官が多いと、持病や災害に悩まされます。

また、子どもの縁も薄くなる。(※1)

しかし、印綬か偏印あって、財星があれば命式に傷官が六ツと印綬一ツあればかえって貴命となる。(※2)

 

※1 間違い。

※2 意味不明。

 

 

何ら得るもののない解説ですが、実はこのようなものが巷に四柱推命として溢れているものです。

 

 

どうも日本人は、その漢字の印象のみで通変星の意味を決めてしまう傾向があったようで、ここに書かれているほとんどのことは誤りです。

 

 

食神・傷官の基本的な意味として知っておくべきは、「日干から生じられることによって、日干の力を減少させる」というのと、「官星を尅す」というものです。

 

 

よく勘違いされていることですが、食神も官星を尅します。

 

 

どうして五行理論を用いているはずなのに、食神だけ官星を尅さないなどという愚かな考えが出てきたのかは、僕には分かりかねます。

 

 

 

一人歩きする「食神」と「傷官」

 

「傷官」という言葉が、あまりにもキツいものであるためか、この傷官というものが通変星の中で一番悪いものであるかのように扱う者までいます。

 

 

「傷官があるから、男運が悪い」とか、「今年は傷官の絶(十二運)だから、悲惨な運勢だ」とか、「月支元命に傷官があるから、絶対に離婚する」とか、脅しにしか聞こえないようなことを平気で言ってのける占い師が山ほどいます。

 

 

 

また、「食神」というのも、その言葉が良い印象を与えるので、「一生食べるに困らない」などと言って、その人の現状をまったく理解できない鑑定をする者も数多くいます。

 

 

 

繰り返しになるかもしれませんが、言葉の印象のみで鑑定をするというのは、あまりにもお粗末過ぎます。

 

 

四柱推命という、非常に精度の高い占術を使いこなすためにも、変な先入観は捨てるようにして下さい。

 

 

 

食神・傷官が吉星として働くとき

 

食神・傷官は、日干が生じる五行ですから、日干に生じるだけの力がなければ良い働きにはなりません

 

 

すなわち、身旺の場合は吉星として働くのです。

 

 

 

日干に力がある状態で他を生じるのですから、余裕がある感じがします。

 

人に対して親切であり、常識的です。

 

アイデアに溢れ、ユーモアもあり、組織にとって欠かせない存在になることもあります。

 

また、そういう人物ですから、独立自営の道もあります。

 

女性であれば、愛嬌があり、良きパートナーを引き寄せることにも繋がるでしょう。

 

 

 

食神・傷官が凶星として働くとき

 

日干の力が弱すぎる場合は、凶星として働きますが、また日干の力が強くても、食神・傷官で循環が終わってしまうと凶星として働いてしまうこともあります。

 

 

身弱の場合は、日干(=自分自身)が生じることで疲弊してしまいますから、非常にものを言わなかったり、遠慮ばかりしてしまってチャンスを逃しやすいところがあります。

 

その結果、周りの人間からの印象と、自分自身が感じていることにギャップが生まれ、失職や離婚といったことに繋がることもあります。

 

 

身旺の場合は、絶えず自分のエネルギーを出し続けることばかりに夢中になるので、人に対して遠慮というものがわからなくなり、周囲の人と段々と疎遠になっていくことがあります。

 

 

 

食神・傷官の十干理論

 

最後に、食神・傷官も、簡単な吉凶判断を書いておきます。

 

 

【食神】

甲と丙=吉

 

乙と丁=吉

 

丙と戊=凶

 

丁と己=凶

 

戊と庚=吉

 

己と辛=凶

 

庚と壬=吉

 

辛と癸=吉

 

壬と甲=吉

 

癸と乙=凶

 

 

【傷官】

甲と丁=吉

 

乙と丙=吉

 

丙と己=凶

 

丁と戊=凶

 

戊と辛=凶

 

己と庚=吉

 

庚と癸=吉

 

辛と壬=吉

 

壬と乙=凶

 

癸と甲=吉

 

 

この十干理論については、十干それぞれを自然界の物にたとえ、それでイメージしていくと分かりやすいというのもあります。

 

 

詳しくは、泰山流の秘伝の部分でもありますから、ここでは省略しています。

 

 

 

 

 

 

 

運命学実践家・易者 武部泰莞

 



                

Q&A申込み
イーチン講座手相講座
HP用バーナーfacebook