こうしていると暇なので、お菓子を食べる。りんごの甘さがあった小さなパン。とても珍しいし、美味しい。

 

 他の妃達が愚痴を言い、私はお菓子を食べて、お茶会は終わった。部屋に戻ってから、気楽な服に着替えて、寝転がる。

 

 皇帝にお渡りがあるわけないので、侍女も気楽だ。私の場合は厄介払いが目的だったので、親もとやかく言ってこない。そう考えると、かなり楽な生活をしている。

 

「そうだ。様子を見に行っちゃおう」

 

 この前辞めた下女に交換してもらった服を着さえすれば、どこの宮にも行く事ができる。