「それにしてもなぜ夢花様は、皇帝のお目通りにかなったのかしらね?」

 

「湖水様は心当たりある?」

 

「うーん、やっぱり可愛いらしいからかしら?」

 

「確かに夢花様は愛らしい方だとはうかがっていますが」

 

「それでも納得できないわ」

 

 私のどうでもいい発言に、憤る妃達。

 

 夢花様をお見かけしたことがないから、本当にかわいらしいのかは分からない。だけど侍女によるとある下女が夢花様が可愛らしいと言っていたので、あながちうそではない。

 

「こうして暮らしているだけでは駄目なのに」

 

「そうそう。我が家が皇帝の親戚になるため、頑張らないと」

 

 他の妃達がやるきに満ちた話をしているのを、私はぼんやりと聞く。