5月以降の成績が例年悪い大瀬良投手という事で、今年はどうなのかと思われたが序盤から球数もかかり、初回から失点。

2回にも木浪選手に失投で連続失点と、例年通り5月からは先制点を簡単に許してしまう大瀬良投手に戻ってしまった。

 

一方のカープも序盤から粘ってランナーを出すが、初回からチグハグな攻撃が目立った。

2-2からエンドランをかけて失敗した初回。

振らなければ自動スタートの2アウトフルカウントとなったのだが、どうしてこのカウントでと思ったが、2回裏も1アウトから小園選手が3塁打の後に上本選手の打席で、何とゴロゴーのサインを出す。

それがサード正面のゴロで挟まれて封殺。

その後に矢野選手が粘ってヒットと、攻撃が噛み合わないままであった。

 

3回も1アウトから秋山選手、菊池選手の連打で12塁となり、堂林選手が歩いて満塁というチャンスを迎えるが、小園選手がセカンドゴロ。

得点を奪えないままであった。

 

大瀬良投手は粘って5回2失点で投げ終えたが、5回裏の打席では代打を送った。

阪神の救援投手陣の防御率が1点台という事を考えると、先発がいる間に追いつきたいという狙いは当然であろう。

宇草選手の打球が失策を呼んで出塁すると、秋山選手が繋いで菊池選手が送るという形で得点圏を呼んだ。

だが野間選手が簡単に追い込まれると、苦しいと感じたが死球で満塁というチャンスとなった。

堂林選手も2ボールと完全に同点打を打てると思いきや、3球目の甘い球を見逃して結果的には犠牲フライであったが、本人は納得の行かない表情をしていた。

 

追いつける可能性があった所で追いつけずに終わったが、中﨑投手が3人で12球で片づけるとその裏に途中出場の二俣選手が出てバントで1アウト2塁と同点のチャンスを作る。

だが後が続かずに終わると、7回裏は1アウトから2つの四球で相手の加治屋投手を攻略して交代に追い込む。

代わった桐敷投手から小園選手は勝負には完全に力負けしていたが、飛んだ所が良くタイムリーとなり同点に追いついた。

 

だが同点に追いついた事で二俣選手に当初の予定を立てていた代打松山選手を起用しなかった。

そのアピールチャンスに二俣選手が三振で応えられずに終わった。

 

8回に島内投手が3人で抑えた後の攻撃で、1アウトからの代打に内野手を多く起用して残りが少ないにも関わらず、田村選手ではなく田中選手を起用した。

この起用が終盤に大きな影響を招いた。

 

9回を栗林投手が何とか抑えたが、ゲラ投手に抑え込まれ迎えた延長の10回裏。

先頭の小園選手が漆原投手から四球を選んだ。

続く二俣選手に送らせたのは良かったが、その後の代打で松山選手を起用という手が打てなくなったのである。

というのも内野の控えの人数が少なく、矢野選手に代打を送るとショートは小園選手を配置すれば良いが、サードをやれる選手がいなかったからである。

もし8回のなんでもない場面で田村選手の方を使っていたなら、この場面で松山選手を切るという事は出来た。

 

ここは大きな采配ミスであったと感じるし、仮に歩かされても坂倉捕手を會澤捕手に代打起用する事で手は打てたのである。

 

その大きな失敗がありながらも投手陣は粘って迎えた最終回。

先頭の野間選手がヒットで出ると、堂林選手に送らせた所で阪神ベンチは申告敬遠で小園選手を歩かせた。

 

当然二俣選手に代打であるのだが、松山選手や坂倉捕手には併殺があるという点や、得点圏打率を考慮しても歩かされるのは想定内であっただろう。

だから二人が外野に飛ばしてくれればという状況であったし、10回裏と同じシチュエーションでもあったのだが、外野への浅いフライ2本で頭を越せずに引き分けに終わった。

 

マツダスタジアムで今までであれば、ああいう流れならサヨナラに持っていけたはずなのだが、ここ最近はその押し切るという野球が出来ない。

ホームでの3つ目の引き分けはやはり負けに等しいと思う。

 

試合の消化も1番遅いので出来る限り勝っておかないといけないのであるが、勝ちきれない試合が続いている。

おまけに上本選手が怪我をしたようで、時間がかかると新井監督も言っているので抹消は避けられないだろう。

 

シャイナー選手を下で起用しているが3試合連続2軍戦でノーヒットと、とても使える数字を残してはいない。

田村選手も今日の代打では立ち遅れていて完全に下でやり直す状態であるし、こうなると佐藤選手の1日でも早い支配下契約が待たれるのであるが。

 

最後までリードを奪えずに終わった阪神戦。

既に阪神が抜け出しつつある中で、色々な選手を使って試していくしかないだろう。

だからこそ、今日の試合でケムナ投手を使えなかったのも、試すという点では采配的に失敗していると感じる。

 

首脳陣がもう少し作戦面を考えないと、これではチームは中々勝ち上がれない。

序盤からの粘りは良かっただけに、そこは継続しつつチャンスに対するアプローチは考えたい所である。

 

阪神は徹底して低めは振らなかった。

ストライクコールをされても見ていた。

そういう部分の意思統一も含めて、まだ大きな差があると痛感した2試合でした。