単純な成功哲学 | 中杉 弘の徒然日記

中杉 弘の徒然日記

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 渋沢栄一(1840年―1931年)は非常に面白い人物です。一生涯の間に500社をつくりました。たいしたものです。しかもすべて一流企業ばかりです。

 会社を500社もつくった秘訣は、イギリスに留学したときに銀行と株式について学んだのです。大蔵省にいた人が2年半くらいで辞めて、自分で銀行をつくったのです。銀行は当時まだなかったので、銀行の法律をつくり、大蔵省を辞めて自分で銀行をつくったのです。当時日本には銀行や株式などという概念はありません。

 あるアイデアに基づいて「この指とまれ」と言うと、民間からお金が集まってきます。その集まったお金が株式です。そのお金で事業を起こすのです。だから何社でもできるのです。

 例えば、「ここに鉄道がない。鉄道を引くために会社をつくろう。この指とまれ」と言うのです。すると皆が集まってきて、お金が集まり。鉄道ができてしまいます。何でもよいのです。「石炭の事業が遅れているから三井炭鉱でも造ってしまおう。この指とまれ」と言うと、「私もお金を預けるから事業をやってくれ」ということです。

「造船業が日本にはない。造船会社を造ってしまおう。この指とまれ」というとお金が集まって会社ができてしまうから、ほとんど明治における国家運営の日本の会社は渋沢栄一がつくったのです。

 その他、大学もつくり、慈善事業もやり、何でもできてしまうのです。この魔法の手のような考え方が資本主義です。これに気が付いた最初の人です。江戸時代や明治初期は資本主義などないのです。お金は誰が出すのかというと、国が出すのです。国が出して鉄道を引くと、国のお金です。引いた後に民間に払い下げをやったのです。払い下げをやると汚職が出てくるのです。かなり問題になったのです。渋沢栄一には、汚職などないのです。必要なものは何でもできてしまうのです。

 当時は飛行機はありませんが「大阪から東京まで飛行機を飛ばそう。この指とまれ」というとお金が集まります。飛行機ができてしまいます。

 「絹の製造工場がないから造ろう。この指とまれ」というと、お金が集まってくるのです。資本主義とは、魔法の手です。アイデアをつくって「この指とまれ」というと、お金が集まってくるので何社でも会社ができてしまいます。国が必要な道路、橋、鉄道、何でも造ってしまうのです。「日本にはこれから鉄工所が必要だ」と言えば鉄工所も造ってしまうのです。何でもできてしまいます。500社というと日本の企業全部ということです。

 今の上場企業は2千社くらいしかありません。大きな会社は500社くらいしかないのです。基本になる会社を渋沢栄一がつくったのです。この渋沢栄一の有名な言葉があります。「金がないと思っている人間がいる。お金がないのではなく、信用がないのだ」よい言葉です。信用さえあれば、人間は何でもできてしまいます。

 渋沢栄一が「この指とまれ」と言うから、「お願いします」と株券を買ってくれるのです。それで新しい会社ができてしまいます。信用がなかったら、「渋沢栄一は詐欺師だよ。あんな奴にお金を預けたら大変だ」と評判になるとお金は集まりません。

ところが今の人間達は「お金がない」と考えているのです。「自分はお金がないからできないのだ。お金さえあれば、俺も会社の一つや二つは起こせるよ」と考えているのです。

未経験の者がお金などあっても会社など興せません。大事なことは信用だとわかるのです。信用をつけるのにはどうしたらよいのでしょう。渋沢栄一は子供の頃から儒教を学んでいました。頭の中に「一生懸命働くのだ。国には奉公するのだ。利益を求めるために仕事をするのではないのだ。必要な事業をやっていくのだから、自分の生活などどうでもよいのだ」ということが頭の中に入っていたのです。渋沢栄一の生活は非常に質素なものです。

巨大な金額を動かしても、遊びなど何一つしないのです。朝から晩まで働きづくめです。何故、そんなに働くのかというと、働くのが好きだからです。他に趣味などないのです。

上の方は人材を探していて「信用がおけるな」と思えば、「おい、この会社をやれ」となるのです。500名でも社長ができてしまうので、やる気になればいくらでもできるのです。

人からまかされて「お前、この会社をやれ」と言われてやる場合もあれば、自分でお金を集めて「この指とまれ」と会社を運営する場合もあります。いずれの場合も、大事なことは信用です。

今の人間は「お金がなくて何もできない」と考えていますが、お金は信用さえあればいくらでも集まってくるのです。これは名言です。誰かに何かをやらしてあげようとしてもダメな奴にはまかせられないのです。ギャンブルをやる奴、女にだらしがない奴、酒にだらしがない奴、朝寝の奴、そんな奴に任せられるわけがありません。

ずいぶん、「俺に任せろ」と思った人もいるのでしょうが、ウソつき、怠け者、馬鹿、善も悪も判断がつかない奴、そんな人間には任せられないのです。だから人間を磨けと言っているのです。

正理会で人格を磨いていくならば、必ず大きな仕事ができる人になることができるのです。「急がば回れ(Haste makes wasteです。まず、人間は先に人格を磨くのです。人格を磨かないから東大を出て乞食になったりするのです。東大で身に就くことは、「東大出身」というハッタリと、多少勉強したことだけです。人格は関係ありません。今の教育の中には、人格教育はないのです。知識があって試験に受かれば、高級官僚になることができるのです。

亀井静香のように「お金儲けがしたいから、警察に入ったのだ」という馬鹿ができてくるのです。頭がいいから試験は通りますが根底が悪いのです。そんな人間ではダメなのです。だから皆に「ドロガメ」と馬鹿にされているのです。亀井静香など、誰からも尊敬されていません。

人間をつくるということ、まずこれは何回も言いますが一番にウソをつかないことです。昔の人は「ウソはドロボウの始まりだ」と言いました。「この人間は使えるかどうか」と見たときに、ウソつきだと使えません。「俺に仕事を任せてくれ」と言っても、そんな人間には任せられません。

だからまず、ウソつきをやめなさい。先輩・後輩を大事にしなさい。恩を受けた人を忘れてはいけません。広い公共の心をもって、社会のために「どうしたらよいか」ということを常に考えなさい。後輩は面倒を見るものです。これだけでいいのです。

それだけで「あいつは人間ができているな。では任せてみようかな」となります。ローソンの社長だった新浪剛史さんは、人格者です。商社でローソンの社長をやっていたのです。

商社にいて社長など普通は嫌な仕事です。商社は大きな仕事をやるのです。お米を何百億円と買い、転売して1割くらい儲けていくのです。100億円使って10億円儲かればよいのです。商社マンはお金をもらい、それで仕事をするのです。何を買ってもよいのです。石炭でも石油でもいい、10%くらい儲けて売ればよいので、一流企業ほどラクなのです。下にいくに従って金が少なくなってくるのです。1億で1千万円儲けるのは大変です。100億使って10億儲けるのは楽なのです。

何事も信用が大事です。新浪さんはサントリーの社長になったのです。皆が新浪さんと一緒に仕事がしたいから、「私も連れてってくれ」という人がたくさんいたのです。儲けが上手いのではなく、それは人格です。人柄がよいのです。だから「ついていきたい」と思うのです。部下もついてくるのです。

サントリーの社長に目をつけられて、「サントリーの社長をやってくれ」と言われて、今はサントリーの社長です。ローソンの社長とサントリーの社長では格が違います。

それも利益ではなくて人格です。人格をつくれば金は後からついてくるのです。今の人は人格をつくるということを忘れて、金のことばかり考えているのです。寿司屋でもそうです。「将来、立派な寿司屋になろう」と思ったら、やはり名のある寿司屋に入って、10年くらい修行して「私、銀座の寿司屋に10年いました」と、看板を出します。するとお客は「美味いだろう」と思って自動的についてくるのです。

ところが本を見て「今日から寿司屋をはじめました」と言ってもダメなのです。格式、お客の扱い、米の炊き方、それらを身に着けるのです。その間はお金など儲かりません。お金を儲けることよりも、腕を磨くということが大事です。腕を磨くということは、信用をつけるということです。

渋沢栄一の名言「金がないと思っている人間がいる。お金がないのではなく、信用がないのだ」このようなことを頭において仕事をしたらよいと思います。


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