最近、仕事が忙しくてブログの更新ができてなかった。
それは否定できない事実だけど、医療職ならしかたがないかっていう
暗黙の了解があるのも心が磨り減る原因になってると思う。
「インフルにかかったのら会社は休っくでください」っていう人は増えたし、「風邪くらいで休むなよ!」は暴論になりつつある。
だけど、医療現場はどうかっていうと、研修医さんたちは熱があっても
休まないし、勤務が連続して24時間越えることもママある。
医療現場にあっては過労死問題なんて多々ありすぎて、今さら話題にもならないし、時間外100時間が限度とかいわれてもまるで無意味だ。
これは看護師も同じで、自分の身の心配よりも患者さんが第一という
のを学校で徹底的に叩き込まれる。
サビ残(無給の時間外労働)が日本で一番多い職種が看護師だ。
東北大震災の時も、患者さんの避難を最優先していた看護師が
何回目かの救助に向かって津波に飲まれて亡くなった。
看護師としては本分を果たしたわけだし、彼女は褒められこそすれ
誰も悪口は聞かないだろう。
でも、自分の生命が見殺しにされた気がして、悔しくて私は泣いた。
若い女が一人、身を投げ出して闘って死んだことが美談なわけない。
こんな不条理を感動ポルノに仕立てて喜ぶ国民性が許せない。
「てんでんこ」が津波の鉄則なら、彼女は生き残るべきだったはずだ。
さすがにワンピースの白衣姿もナースキャップは見なくなったけれど、
ナイチンゲールは今も看護学の聖典だし、戴帽式や誓いの言葉は
今でも普通に見られる。
そして一方では、今日も今日とて、心身が壊れた看護師が離職する。
よく自己紹介すると「ほぉ、白衣の天使ですねえ」などとといわれるが
「いいえ、天使じゃなくて戦士です」と答える。
現在、160万人の看護師人口だけど、病院や診療所にいる看護師は
88万人で、厚労省の試算ではざっと20万人が不足していることに。
慢性の人手不足といえば他に老健や訪問看護師などもそうだ。
合格率90%の国試で毎年4万人ほど増えている計算だけど、2人に
1人は1年もたず離職者数がはんぱないのが現状だ。
実は私の母親も現役の看護師だし、母娘二代という例はありそうだが
同僚に聞くと「絶対させたくない」という声がほとんどなのだ。
私も「看護師に限っては就職難などないし、男女平等の職場だから
ぜひにもおススメします」などとは軽はずみに口にはしない。