東京ポッド許可局全国ツアーファイナル、よみうりホールにて無事終了しました。
では…
ここを覗きにくる読者は、僕個人の活動のことは知っていてくれてることでしょう。僕は他二人と三人でずっーとラジオをやっているんです。
サンキュータツオは一番歳下で、仕切り役をしていますが、普段は漫才コンビをやっていて、しかも日本語の先生として大学で教鞭を執っています。インテリなんで、ちょっと世間からズレたことを言いがちなところがあり、ナチュラルボーン毒舌なところがチャーミングな奴です。
プチ鹿島は、最近では某ニュース番組に出ていたり、時事問題に強く、いろんな新聞を読み比べて検証したりするんですが、たぶん日本で一番連載本数を抱える芸人です。といって、凄いキレ者で近寄りづらい人かと思いきや、けっこうひょうきんなおじさんです。
我々東京ポッド許可局も、来年で10年だそうです。ポッドキャスト時代で5年、TBSラジオに来て5年です。腐れ縁とは言え、各々個別のメインの活動があってこそですが、よくもまぁ続けてこられたものです。お客さん、TBSラジオさんに感謝しかありません。
10年前、我々には仕事がありませんでした。僕がメディアに露出し出して7年ぐらい、それより更に3年前なので、それはそれは地中深い所にいました。
比較的話の合う三人が、現状に対する苛立ちと、明確なアイディア、そして有り余る時間を持って立ち上げた窓口みたいなものでした。言ってみれば「我々と似た同士いませんか?」という受け付けです。徐々に似た者同士は吸い寄せられ、始めて三年後には二千人クラスの会場でトークライブを打てるぐらいになりました。そこまで行くことの戦略は当然ありました。でも、これで「成功」と言えるほど世の中は甘くありません。世間の壁は分厚く、高いわけで、テレビに出れば簡単に知名度を得られるのに、ライブだけやっていても、或いは、収益性が見込めないことにはどうにも続けていくことは困難でした。自主制作の限界です。だって、我々はそれぞれ個人の活動がメインにありますから。そんなものを、いくら愛着があるからって続けるわけにはいかない。
そんな時にTBSラジオに拾ってくれたんです。奇跡的なタイミングだったと思います。「もうやめようか。」と言っていた時でしたから。
今の時代は「マス」の価値と、有用性が変わってきました。「マス」も大事ですけど、「ミニ」なコミュニケーションも大事。どのみち、人間はコミュニケーションしないと生きていけないわけですけど、質が変化してきてる。そこに我々はビジネスチャンスを見出すしか生きる道は無かったわけです。濃厚で、深い繋がり、かつ、人を排他せず、悪意を伝播しない清潔なコミュニケーション。まだまだ完成してませんが、おかげさまで段々とその輪が広がってきています。
我々の番組は、自前で番組の予算を確保します。だから頻繁にライブをする。グッズを購入していただく。今では番組にスポンサーがついてくださるようになり、いかにも番組っぽくなりましたが、基本は自分でお金を稼ぐんです。商業ビルにあるテナントを貸してもらって、お店を開くようなものです。そのテナントが番組枠ってこと。
ハイエンド三万円って書いたらびっくりされた方もいるかもしれませんが、過去のポッドキャスト時代から、現在に至るまでの我々の喋り全てが入ったデータです。言わば、我々の血肉です。フリートークとは言え、真剣勝負のセッションですから、相手に場を持ってかれたら男がすたるわけで、こちらも必死です。特に我々は専門性が高く、批評的なこともやりますし、それぞれが分析家ですから、なまじっかなことは言えません、しかも、そこに笑いが生まれるようにまで配慮するんです。
そんなことをやってきて、間も無く10年だそうです。忘れてました。
忘れるぐらい必死だったし、あと、この場が楽しかったんでしょう。
時間と心に余裕がある時にぜひ聴いてみてください。今、ラジオは、様々に聞く方法があります。昔ながらの受信機もめっちゃ感度良いし、小ちゃくて持ち運びも便利なやつがあるし、あとネットでも聴ける。こちらがおすすめです。ぜひ!