男性の多数が、そして最近は女性の方にもお悩みの多い薄毛。一説には仕事や社会のストレスが薄毛に拍車をかけていると。実際、コロナのストレスで髪が薄くなったと回答した人は多くいるようですし、ストレスが女性ホルモンを減退させる(逆に男性ホルモンが増える)ため男性型の脱毛症が女性に発症するのだ、とい説明がされる場合も多く見かけます。

 

 

とかいう社会背景を元に、少し総論的に書いてみようかなと思ったのが運の尽きで、相変わらず終わりの見えない話をダラダラ書く羽目になっているのですが(たまに書くとこんなの)。

 

前回まで、薄毛のメカニズムや実態、毛周期を中心とした現象の説明(実際にはそれだけではないのですが、書ききれないので省略)、育毛剤の種類と効能と上記の薄毛メカニズムとのマッチング、と言った感じでつらつら書いてきているわけですが(気が向いたら1~4をお読みください)ようやく終わりが見えて来ました。

 

ここからが、なかなか書けない、育毛ケアの裏技についてです。

 

3)育毛剤以外の有効なケアについて

ちなみに「業界が出せないでいる情報も少し←というか、そっちがメインかも」なんていう前振りをしていますが、実際、ヘアケア業界は、こういう啓蒙活動をやってないな、というのが私の実感。有益な情報は共有すべきと、私は思うのですが、薬機法と景表法と商習慣等に阻まれているのか、実際にはあまり行われていないのが現状ですね。


業界が書かないならオレが書く

ということで、ここから、このブログならではの「裏技編」に入ります。

ここまでくどくど書いているので、繰り返しになってしまいますが、ざっくりまとめると、育毛・発毛のケアでは重要なポイントが2つあります。

 

 

 

 

 

それは「血行促進」「頭皮への刺激」です。


後者はともかく、現在の育毛剤はほぼすべての製品で血行促進作用のある成分を配合しています。血行が促進され、血流にのって栄養素が毛母にいきわたると、それも一つの刺激になるのだ、という説明を聞いたことがありますが、とにかく現在の育毛・発毛剤は、この部分を重視しています。

逆にいうと、育毛剤を使用しなくても、それができればいいんじゃないか?というのが、今回のテーマ。実は、有効とされるケアが2つあります。

1つは、ものすごくベタな話のように思えますが、頭皮マッサージ

美容師さんやエステティシャンの方と話すと、「頭皮が固くなっていると薄毛になりやすい」という話を良く聞きます。頭皮が固いと栄養がいきわたらないから、という説明をされるのですが、それの真偽はさておき、頭皮は柔らかに越したことは無いよう。実際、薄毛の人や、細い毛の人で頭皮が固い人は多い印象があります(統計データではないので、定かではありません)。

頭皮マッサージの利点は3つあります。

1つは、血行促進効果。

 

頭皮の固さはさておき、適切なマッサージは頭皮の血行を促進させる効果があります。血行促進の育毛に関する効果については、前述の通り。

2つ目は、適度な刺激。

 

これも前述の通りで、発毛には、適度な(一説によると、命の危険を感じるような)刺激が有効ですが、マッサージには、これに相当する効果があるとされています。要は、なんでもいいから刺激して、眠ったままの毛母細胞を目覚めさせるという話ですね。実際に手で触れる、あるいはマッサージブラシなどで触れるという物理的な接触は、細胞にとって大きな刺激になるよう(例えば、ニキビも触ると悪化すると言われますが、これに近い感じ)。どの程度の刺激が「適度」なのかはさておき、時々触れて、もんだりするのは良いようです。

3つ目は、使うマッサージ用の製品にもよるのですが、頭皮皮脂を洗い流す効果が期待できるという点。特に油系のマッサージクリームやオイルなどを使用すると、頭皮の毛穴の中に詰まった皮脂を洗い出す効果が期待できます。

 

万能バームで人気のプロダクト。頭皮用オイルも潔いシンプル設計。スポイトタイプは使いやすくて良いのですが、風呂場で使うときはちょっと気を使ってしまいます(割れたりとか←最近はプラスチック製のスポイトもありますが、オイルとの相性がイマイチだったはず)

 

このくらいの容量あると、気軽に使えてよいかもです。

 

 

バリなどアジアのリゾートに行くと、クリームスパといって、固めのコンディショナーみたいなクリームで髪と頭皮をマッサージしてくれるスパメニューがありますが、これなんかはまさにこのパターン。

頭皮マッサージにはリラックス効果もあるので、人にやってもらうのが一番というのが、私自身の正直な希望ですが、うんと上手な人ならともかく、下手な人にいじられるよりは、自分でやったほうがいいというのが正直なところ。

おすすめは、クリームスパで使うようなコンディショナーではなくて、普通のマッサージオイル。できれば不飽和脂肪酸の入っていない、スクワランやホホバ油ですが、まあ洗い流すので、そこまで気にしなくてもよいかもしれません。マッサージしている間に、オイルに頭皮皮脂が溶け込むので、毛穴の中の脂や、酸化して固くなった脂も無理なく取り去ることができます。毛穴の中の参加した脂は、特に過酸化脂質になってしまうと、毛穴の中に炎症を起こし抜け毛の原因となると知られています。

 

私の記憶では、ライオンさんがその昔、論文を発表されていて、毛穴の中の皮脂洗浄がいかに薄毛対策に有効か、ということを説明されていました(10年以上前のフレグランスジャーナル誌)。

 

頭皮が脂っぽくて薄毛の方は、ぜひ一度お試しいただきたいと思います。

 

ちなみに、オイルで頭皮マッサージしてからシャンプーすると、頭皮が乾燥しすぎず、また髪も過剰に洗われることが無いので、つやつやしっとり洗いあがるというメリットもあります。髪がパサつきがち、という人や、ダメージが気になる方は、薄毛対策としてではなく、お試しください。

まあ、気を付けるとしたら、オイルでお風呂で滑って転ばないように、という点と、マッサージが終わったらきちんと洗い流すこと(こことても重要!)。冗談みたいな話ですが、大昔にインバス(お風呂場の中)で使用するトリートメントオイルがあり、シリコンを多く含んだオイルだったため風呂場で滑り、大けがしたという事件が本当にあったとのこと。気を付けてくださいね(さすがに最近は、お風呂で使う製品に、高分子シリコンを大量配合するような処方は見られなくなりましたが、90年代には普通に販売されていたりしていたのです)

と、頭皮マッサージの話がやたら長くなってしまいましたが、裏技その2もあります。ということで、次回最終回(やっと終わる・・・)