フランス語源の単語が多いという英単語だけれど、実際には、その半数以上がフランス語源という話。
これは、ノルマンディー公ギヨーム2世が1066年にイングランド王国を征服した、「ノルマン征服(Conquête normande de l'Angleterre)」に起源を発するところ。
ここから百年戦争(1337-1453)が始まるまで、イングランド王国ではフランス語が公用語となり、学校教育でフランス語が教えられていた次第。
そんなフランス語源の英単語には、4つのタイプが存在するところ:-
1、軍事階級を表す英単語
英語における軍事階級の名称は、すべてフランス語源:-
Lieutenant(中尉)<lieu (場所)+tenant(所有者)
Captain(大尉)<capitaine
general(将官)<général
2、法律、および政治で使用される英単語
英語の法律用語は、99%がフランス語源。1066年、ノルマンディー公に支配された時、イングランド王国には、確立された司法制度も政治制度もなかったため、英語にこれらの用語が存在せず、フランス語を借用するしかなかったというのがその理由。
以下はすべて、フランス語源:- administration(行政)、bailiff(執行吏)、crime(犯罪)、government(政府)、 judgement(判決)、justice(正義)、minister(大臣)、sentence(判決)、tax(税金)
3、語尾が-ance または -ant で終わる英単語
もともとは、ラテン語が語源。そこからフランス語になり、最終的に英語になったという次第。代表的なものは:-
arrogance/arrogant(傲慢/傲慢な)
elegance/elegant(優雅/優雅な)
importance/important(重要/重要な)
tolerance/tolerant(寛容/寛容な)
extravagance/extravagant(贅沢/贅沢な)
4、ノルマン語が起源の英単語
イングランド王国の征服時、ノルマンディー公をはじめとする支配者らが使用していた、ノルマン語がそのまま英語に。
「改善する」→improve(英語) improver(ノルマン語)améliorer(仏語)
「確保する」→ensure(英語)ensurer(ノルマン語)assurer(仏語)
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ノルマン征服が起源だったとは。イギリスは軍事も、司法も、行政も、フランスさまさま、ということのようで。
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