ヤスが足が痛いから、病院に行きたいって。
今更ながら、3年生最後の大会で勝つためにとキャプテンがみんなで10km走るってなって。
走れば体力付くから、いいとは思うけど、今からやったって間に合わないでしょ。
(と私は思う。多分みんなも思ってるんじゃ)
最初に始めた時は、みんな走り終わって足がブルブル震えてたってさ。
そしてまた1週間前に部活で10km走って、足首辺りに違和感を感じるって言い始めて。
しばらく様子を見てたけど、昨日になって病院に行きたいと。
私がバイトがあったから、今日になった。
前に足の痛みで行った病院は休みで、探したら家の近くに新しく整形外科ができたらしい。
診察には一緒にいなくていいから、最初だけいて欲しいと、ヤスに言われてさ。
そんなもん、まずは保険証出せば、あとは受付の人が教えてくれるよ。
「これからは自分で行くから、今日は来て」
高校生なんだから…と思いつつも、最初は誰だって分からないもんだしな。
私はただ隣にいるだけで、問診票は自分で書かせて。
そういうのを見て思い出すのが兄ちゃんの初めてのATMでの引き出し。
「どうやるの?」めちゃくちゃ不安そうにしてた。
確かに初めて機械を操作してお金を下ろすって考えたら、子供からしたら(この時高校生だった。バイト代を下ろそうとしたのかな。)怖いことかも…
だから、自分からしたらそんなことも知らないの?って思うことも、初めてやることならそうなのかも、と思うようになったよ。
ま、1度やったらあとは手を貸さないけどね。
忘れたり分からなかったりしたら、人に聞けばいい。
つい脱線(´>∀<`)ゝ
ま、とにかく痛いって言われると、
(また、骨折とかじゃないよね?)
変に心配してしまう。気が気じゃない。
あと3週間で部活も終わろうってのに、最後の最後でケガして試合に出れないってショックじゃない?
私はそう思うから、余計に心配。
実際、兄ちゃんの時代に先輩が大会の前の練習試合で足を捻挫して最後出れなかったとか、あったからね。
なんでもないといいけど。
結果。
骨折や捻挫ではなく、少し炎症を起こしてるということでした。
「良かったね。」
私が言うと、ヤスは。
「もっとなんかヒビが入ってるとかなってたら良かったのに。」
なんでやねん!
なにかあって欲しかったって…
まあ、これまでいろいろ彼なりに葛藤はあったようだから。
バスケするには背が低いとか、以前、骨折してから思うように動けなくなったとか、顧問の先生が変わってしまって、スタメン選手にしか指導してくれないとか…
思春期特有の情緒不安定なところもあるんだろうね。
実際に骨折してたら、そんな呑気なことは言わないんじゃない?
また落ち込むと思う。
だから炎症で済んで良かったよ。
大会までに何かあって出れなかったとしても、それは仕方ない。
なるようになるしかない。
でも、できるなら最後までやり終えて欲しい。
たとえ 試合に出れなくても、これで最後だから。
絶対観に行くからね。
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