(「心の力学」は、目には見えない心のエネルギーを扱う新しい学問です。
はじめての方は、よかったら「はじめに」からご覧下さいませ)
前回の「慈悲を育む」の中で、魂のエネルギーには、大きく分けて陰と陽の二種類があることをお伝えしておりました。
これは、単純なエネルギー力学的なことだけではなく、実は僕達の生活や人間関係にも密接に変わっていることです。
この点についてよく理解できると、自分らしい個性を大切にしやすくなりますので、やはり重要な情報かと思います。
では、今回は魂の「陰と陽の生き方」ということで、一つ一つ掘り下げてまいりましょう。
〇陰の生き方
「心=魂+精神」の中で、魂には「人それぞれ独自のエネルギーの質や放出量がある」とお伝えしておりました。
陰の魂の質は、穏やかさ、清らかさ、静けさ、安心感など・・・あまり目立たずに陰から人を支えたり、他者に調和や平和を届ける様なエネルギーになります。
ある人と一緒にいると、心が落ち着いたり・・・安心できることがありますが、そういう場合の多くは、その人が陰の魂の質を持っているのでしょう。
陰の魂の持ち主は、あまり前に出て目立つ性格ではなかったり、活動的ではないことが多いのですが・・・その分、落ち着きがあったり、周囲に心を乱されずマイペースで生きていく力を持っています。
また、そのエネルギーによって、本人も知らぬうちに周囲の人達を陰から支えていたり、調和や平和を届けていたりします。
ですから、心の力学の視点から見れば、たとえ目立った活躍をせずとも、人を陰から支えているだけでもエネルギー的な貢献をしていることになります。
これは日々の中で、見えない領域で本当に起きていることですので・・・陰の魂の持ち主は、たとえ目立たずとも、健気に周囲の人達を支えながら生きています。
社会の中では、なかなかこの部分が理解されたり、評価されることがなく・・・どうしても、目に見える成果や実績が評価される傾向があります。
しかし、もしあなた様が、自分も陰の魂の持ち主だと思う場合・・・あなた様は、ただ生きているだけで、周囲の人達の心を支え、ちゃんとこの社会に貢献しているのです。
つまり、生きているだけで周囲の人達を支えつつ・・・しかも状況によっては、他者のいろいろな苦しみや不安、マイナス感情なども受け止めてあげている可能性があります。
そのような場合は、その分生きる負担が大きくなりますので・・・できるだけ自分自身を大切にすることが必要です。
無理をしてまで、社会の評価や周囲の期待に沿って頑張ろうとするよりも、あなた様らしくマイペースで、捕らわれないお心を大切にされてもよいのです。
その方が、魂のエネルギーはのびのびと発揮され、周囲の人達にもよいエネルギーを届けられますし・・・またその分、自分のために魂のエネルギーを使うことができるようになりますので、知らず知らず背負っていた他者のエネルギーに振り回されなくなっていきます。
社会の中では、時に過剰に成果や実績を求められることもありますが・・・「魂について」でもお伝えしておりましたように、あなた様の魂は尊いもので・・・そのような基準から離れたところにある大切なものです。
お仕事上では、難しいケースもあるかもしれませんが・・・少なくとも、理解としてはこのような視点を持って頂くことで、楽になっていける部分があると思います。
時には、可能な限りご自身のお心を大切にされながらも・・・それが難しい場合は、より自分らしく生きられる環境を探していくことも、魂をより活かしていく上では必要なことだと思うのです。
〇陽の生き方
陽の魂の質は、明るさ、楽しさ、前向きさ、活動力など・・・主に行動的で、のびのびと自分を表現したり、積極的に何かにチャレンジする様なエネルギーになります。
ある人と一緒にいると、自分も元気になれたり・・・積極的に行動できることがありますが、そういう場合の多くは、その人が陽の魂の質を持っているのでしょう。
陽の魂の持ち主は、積極的に行動したり、自分を表現することが好きですし・・・また、そのような行動や表現にも、明るさなど陽のエネルギーが込められていますので、それによって人に貢献している面があります。
例えば、ある人の発言を聞いて、自分も元気が出てきたり、前向きになれた場合・・・その人の陽のエネルギーを受け取って、魂の陽の質が引き出された・・・ということになります。
「魂を活かし合う」の中でもお伝えしておりましたように、それぞれの魂は、お互いのエネルギーを活かし合うことができるのです。
つまり、陽の魂の持ち主は、その明るさや前向きさなどによって、自然と他者の魂に貢献できているわけです。
ただ、陰の魂の持ち主とは逆に、陽の魂の持ち主は、社会の中で特に評価されやすい傾向もあります。
もしかすると・・・自分が社会の中で大きく活躍できたのは、知らず知らず陰の魂の持ち主が自分を支えてくれていたから・・・という面があったかもしれません。
つまり、エネルギーの視点から見れば、活躍できたのはチームプレーだったはずなのですが・・・やはり見えない領域のことですので、なかなかこのことに気付きづらいケースが多いようです。
すると、だんだんと周囲の陰の魂の持ち主が疲れていったり・・・もしくは、陽の魂の持ち主に対して、不服に思いはじめたりするかもしれません。
すると陽の魂の持ち主は、陰の魂の持ち主に対して、義務や責任を感じ・・・「こうすればもっと上手くいく」など、自分の視点からおせっかいをしてしまうケースも見受けられます。
しかし実は、陰の魂の持ち主には、その人なりの奉仕の仕方や生き方があって・・・その自分らしさを活かすためには、無理をしてまで陽の生き方をしなくてもよいのです。
人の魂にはそれぞれの良さがあって、それを肯定して生きた方が、より自分らしく・・・魂の貢献をしやすくなるものです。
このような点を踏まえ、陽の魂の持ち主は、知らず知らず自分が負担をかけていないかなど、周囲の人達とよく話し合い・・・また、いつも支えてくれていることに感謝することによって、人間関係にも調和が生まれてくることでしょう。
〇陰と陽の活かし合い
お伝えしてきましたように・・・陰の魂の持ち主は、穏やかにマイペースに生き、そのようなエネルギーによって陰から人を支え、周囲の人に貢献していく生き方が合っています。
一方で、陽の魂の持ち主は、前向きに明るく自分を表現したり、元気に活躍しながら、そのようなエネルギーを周囲に届けることによって貢献していく生き方が合っています。
こう考えた時に、陰の魂の持ち主が、後方から陽の魂の持ち主を支え・・・陽の魂の持ち主が、前面に出て活躍していくという・・・一つのお互いを活かし合うスタイルが見えてきます。
これは実は、昔ながらの夫婦の在り方とも言えるかもしれません。
男性は肉体が陽のエネルギーですので、陽のエネルギーが強くなりやすい傾向があり・・・逆に女性は肉体が陰のエネルギーですので、陰のエネルギーが強くなりやすい傾向があります。
そのため、昔の日本では「女性は男性より三歩下がって歩くべし」などと言われていました。
確かに、そのような文化によって、当時の男性は社会の中で陽のエネルギーをより発揮できたのでしょう。
ただ、すでに新しい時代の中で、多くの人の魂が発揮されはじめていることを見た時に、肉体のエネルギーだけで生き方を判断することはできません。
それに、必ずしも男性が陽の魂を持っているとは限らず、女性も陰の魂の持ち主とは限らないのです。
むしろ筆者が見たところでは、現在は男性が陰の魂の持ち主であることが多く・・・逆に、女性が陽の魂の持ち主であることが多いようです。
つまり・・・それぞれ肉体とは逆側の陰陽の質を、魂として持っているわけですから、そう考えると、それぞれの生き方もより複雑になっていきます。
肉体の違いだけで陰と陽の役割を決めつけてしまいますと、かえってお互いの魂が活かされづらいので・・・それぞれのケースで、肉体のエネルギーと魂のエネルギーのどちらが強く出てくるのかによって・・・柔軟に対応していく必要があるでしょう。
多くの夫婦関係を見ると、女性は自分らしい陽のエネルギーを発揮しながら、男性はそれを微笑んで見守るようなスタンスでいることで、調和しているケースが多く見受けられます。
これはすでに、昔の文化思想とは逆のスタンスで・・・そのまま、お互いの魂を活かし合うスタンスだと思います。
ただ、それが唯一の調和というわけではなく・・・お互いに陰と陽のエネルギーを発揮しながら、役割分担をして、その都度よく話し合うことでバランスを取っている夫婦も多いように見えます。
(・・・筆者のところもそんな感じです(笑))
魂とは、心の中核です。
時に、肉体のエネルギーが強く出ると、男性は男性らしく行動的になることもあるでしょうし・・・女性は女性らしく穏やかになることもあるでしょう。
しかし、魂はそれとは別に、その人の本質的な性質ですので・・・最終的には、魂の在り方を優先した方が人間関係は調和しやすいようです。
一つ一つのことを理解しながら、消化しながら、最後に帰っていくところが魂・・・なのですね。
この内容が、あなた様らしい魂を大切にしながら・・・現実の状況を踏まえて、調和していくためのヒントになりましたら幸いです。
そして・・・新しい魂の調和の時代を、共に歩んでいけましたら嬉しく思います。
〇記事まとめ〇
関連記事⇒「心=魂+精神」、「魂について」、「魂を活かし合う」
はじめての方へ⇒「はじめに」
カテゴリーごと⇒「基本要素」、「社会の中で」、「人間関係」、「自分と向き合う」