全国的に緊急事態宣言が解除され、国民も日常生活を取り戻しつつある。

マスゴミの連中は街を歩く人々の様子を映し、「宣言解除後の皆さんの気の緩みが懸念されます」と文句をつけ、街頭インタビューでマイクを向けられた自粛厨どもは、「何でこんなに人が多いの?信じられない。第二波が来たらと思うと怖いですね。皆さん気が緩んでるのかしら?」と馬鹿面下げて答えている。

外を出歩く人々からすれば、今までどおりの生活を送っているだけなんだから、暇なマスゴミから“気の緩み云々”と揶揄される謂れなんて一mmもないし、インタビューに答えている当のお前こそ外をほっつき歩いてるだろ!と叱り飛ばしたい。

さて、コロナ禍で生まれたネットスラングに「コロおじ」という言葉がある。
「新型コロナウイルスに怯え、完全自粛こそ絶対善だと盲信し、反自粛や半自粛を唱えるリアリストに噛みつく自粛ゴロの成れの果て」とも言えよう。

コロおじどもは、江ノ島の人出が増えたというニュースを聞いては憤慨し、銀座に賑わいが戻ったと聞いてはヒステリーを起こす変わり者で、ヒスを拗らす者の中には、他人の車を傷つけたり、バイクのタイヤにドライバーを刺したりと、犯罪行為に走るバカもいるから呆れる。

コロナに怯えるフリをして、その実、コロナを世の中の変革に悪用しようとし、本心ではコロナ撲滅を望まず、コロナという盾に隠れ、それを印籠代わりに振りかざし自分たちに都合のよい社会に変えたいというのが、コロおじどもの本音だろう。

コロナとの共生、いや、コロナへの寄生こそ、コロおじどもの本性なのだ。

さて、大変恥ずかしいことだが、積極財政派を自称する論者の中にも“コロおじ風味”な輩がおり、くだらぬ屁理屈を並べ給付金を貶している。

「コロナ撲滅には反自粛や半自粛なんてもってのほか。完全自粛+完全粗利補償あるのみ」
「ベーシックインカム(BI)は新自由主義への降伏だ~」
「無税国家や給付金BIはハイパーインフレを招き財政破綻を惹き起こす~」
「国民全員に毎月1万円ずつ配ると年間15兆円も予算が増え、ハイパーインフレになる~」
「給付金に予算を取られると、公共投資や消費税廃止の余地がなくなる~」

これだけ給付金(BIの一種)を忌み嫌っておいて、よもや、当のご本尊は持続化給付金や特別定額給付金を受け取っていないと信じたいが、この際だから、くだらぬプライドを捨てて恭しく給付金を受け取り、その有り難味を実感するのもよかろう。

給付金嫌悪症のコロおじは、個人への給付金(BI)をハイパーインフレを招くクソ政策と貶しつつ、企業や個人事業主への給付金(粗利補償)を手放しで称賛する。

筆者は「完全なる休業補償無くして自粛無し」を是とする立場ゆえ、企業への休業補償には大賛成であり、現行の持続化給付金や雇用調整助成金、これから出てくる家賃補助制度に対しても否定はしないが、それらは給付額や助成額が少な過ぎるのと、手続きや要件が複雑で支給までのスピードも遅すぎる点は大いに改善すべきだ。

雇用調整助成金や家賃補助といった個別経費ごとに申請させる面倒くささを排除するため、すべての手続きを持続化給付金に一本化し、支給額を現行の10倍程度に引き上げればよい。
家賃だの人件費だの、光熱費だの、すべての経費は売上から支払うのだから、P/Lの最上位にある売上の減収を補填するだけの額をドンと支給してやれば、後は各事業者がそこから必要な経費を支払えばよいだけのこと。
ついでに、持続化はせっかく電子申請のみに限定したのだから、申請者が手続きの進捗状況をマイページ上で確認できるよう(クロネコヤマトの荷物追跡確認システムのイメージ)に改善すべきだ。

さて、話が少々逸れたが、コロおじくんが顔を真っ赤にして叫ぶ、「個人へ給付金はハイパーインフレを招く悪政。企業への給付金は最良のコロナ対策」という愚論のおかしさや矛盾点について指摘しておこう。

コロおじくんが、企業への給付金(粗利補償)として、いったいどの程度の予算を想定しているのか判らない。
ちなみに、日本国内企業の総売上は約1,500兆円、売上高総利益率(粗利益率)の全産業平均値は26%程度と言われているから、国内企業の粗利益は総額で390兆円ほどと推定される。

彼の云う“粗利補償”の定義が何を指すのか判然としないが、対前期比での減収に伴う粗利益の減少額だとしても結構な金額になる。
売上10%ダウンのケースでも粗利益減少額は▲39兆円にもなるし、30%ダウンのケースなら▲117兆円、50%ダウンなら▲195兆円と、個人への給付金すら軽く凌駕するほど巨額な支出が必要になる。
つまり、コロおじくんが心配するハイパーインフレや財政破綻とやらを招く経済リスクが生じかねないのではないか?

コロおじ論法として、年間の実績ではなく自粛期間分に絞って支給すればよいと言い出しそうだが、そんな中途半端な政策で大減収・大減益の荒波に攫われた企業を救えるわけがなかろう。

また、コロおじくんは、粗利補償は単年度の政策だから国家予算を圧迫しないと言い張るが、「完全自粛=コロナ根絶やし」となる保証などどこにもない以上、コロナ禍再燃は十分にあり得るし、粗利補償のお代わりをせざるをえない事態も起こり得る。
もし、粗利補償のお代わりが二杯目、三杯目と続けば、さすがのコロおじくんも「粗利補償は国家予算を圧迫しハイパーインフレを招く!」と叫び始めるのか?

そもそも、コロおじくんは、「給付金みたいな永続性のある財政政策は、他の予算を圧迫しハイパーインフレにつながるからダメ」なんて言ってるが、それと同じ口で消費税廃止(=永続的な財政政策)を賛美する矛盾を感じないのはおかしいではないか。

給付金とて、消費税廃止とて、国民の所得を名実ともに増やし内需を大いに刺激する賢策であることに違いはない。
「給付金よりも消費税廃止を論じるのが先だ」、「いや、給付金こそ先だ」なんてくだらぬ論争をするのは、内需損壊の危機感が欠如したエセ論者でしかない。

そんなものはどちらが先とかいう次元の話ではなく、どちらも大規模かつ早急に実行すべきで話は終了である。

一連のコロナ禍で政府が打った政策は、
① 中途半端な個人向け給付金
② 極めて中途半端な企業・個人事業主向け給付金
③ 別に必要もない資金繰り支援(既存の融資枠で十分に対応可能)
だけで、肝心の消費税廃止や社会保険料減免は議論の俎上にすら上がっていない。

コロおじくんは、下賤な給付金批判をする暇があるのなら、アフターコロナの日本経済をソフトランディングさせるため、消費税廃止や社会保険料の減免の実現に向けた具体的な提言に歩を進めるべきだろう。

いまだ10万円すら振り込まれず、政府に強い不満を抱く国民がゴロゴロいるこのタイミングで、“給付金は国民を堕落させる”、“BIは新自由主義の仕掛けた罠だ”といった妄想をバラ撒く己の不明を深く恥じてもらいたい。

しょーもない給付金嫌悪症を拗らす前に、経世済民を騙る論者としてやるべきことがあるのではないか?