【春をサキドリ!寒い冬の1月~2月が見ごろ】伊豆下田爪木崎水仙まつり・南伊豆町菜の花とさくら祭り

撮影日=2024年1月15日(日)・2月10日(土)
 

【1月に花見?!伊豆下田爪木崎水仙まつり】

 
 
↑伊豆は下田市にある爪木崎「水仙まつり」に行った。伊豆急下田駅からは路線バスで20分ほどであるが、例年1月に開催の「水仙まつり」期間中は増発が行われる。特急踊り子も「水仙まつり」を題した列車が走るが、車両や停車駅は”いつも通り”である。
 
↑水仙まつりのポスター
 
 
↑東海バスの爪木崎バス停。バスが転回出来るような専用道路が作られている。バスの本数は臨時便が出るとは言え決して多くない。ほぼ全てが車による来場で駐車場もあるが1回500円かかる。道なりに爪木崎に進むと行き止まりで車は転回するしかないのであるが、転回する前の場所に料金所(臨時)がありそこで強制徴収となる。
 
 
↑これが爪木崎全体の風景である。
 
 
↑「歓迎水仙まつり」の案内。「同じものを毎年使っているんだろうな」と”裏事情”を思ってしまう。社会をわかりきった「大人」はどうしてもそう見てしまう。困ったもんだ。この案内があるのは祭り期間中だけだろう。
 
 
↑辺り一面に咲き誇る水仙(スイセン)。1月とは思えないほどの温暖さで一足先に春をサキドリした気分だ。やはり伊豆の観光地でもあるので(しかも水仙まつり期間中)来場者が多いのは言うまでもない。「ええカメラ」(一眼レフ)を持った人が多く、風景や水仙をガッツリと撮影する。「スマホ鉄」(新型のiPhone15だが)にとってはここでも肩身の狭い感じがした。撮影だけで終始するのではなく、水仙の花自体をじっくりと鑑賞する。この時に何も考えない。ボンヤリするのが気持ち良いし、リラックス効果を生む。
 
 
↑太鼓があった。地元の人による太鼓演奏の実演であった。少しだけ演奏を聞いたがなんとも良いものであった。この日は「カニ汁」の無料試食会があったが用意した200食はあっという間に消えてしまい、私が来た時には何もなかった。そういうものである。
 
 
↑爪木崎灯台にも行く。「恋する灯台」と称しておりハートマークがあった。高台のため爪木崎海岸全体を俯瞰する事が出来る。伊豆七島は天気が良ければよく見えるとの事。
 
 
↑水仙まつりの会場付近に戻り食堂があったのでラーメンを注文する。案の定あっさりとした魚介系スープであった。
 
 
↑もう1度爪木崎の水仙をじっくりと鑑賞して終わりにする。時間をかけて見て回ったので滞在時間は3時間ほどであった。これは結構長い部類に入るようだ。
 

 
↑南伊豆町菜の花鑑賞については2回に分けて行く事にした。まずは1回目。1月15日に爪木崎水仙まつりに行った後に行く。国道135号→国道136号と進み、静岡県道16号との交差点付近(南伊豆町日野ひんの)にあるのが「元気な百姓達の菜の花畑」である。概ね1~4月にかけては菜の花が咲いている事が多く、車で通る事はあったが立ち寄るのは今回が初めてである。
 
 
↑菜の花をじっくりと鑑賞すると癒される。ずっと見ておきたい気分。交通量の多い道路沿いなので、その辺に路駐しては簡単に立ち寄る観光客が多い。概ね首都圏ナンバーである。大学生?のバカ騒ぎグループが「てめぇー誰の金でこんなええクルマ乗っているんや?」と言う3ナンバーの車で大挙して、菜の花鑑賞が台無しになる。長くはいなかったが、見ていて気分が悪い。花見しながらどんちゃん騒ぎは好きではない。
 
 
↑日付改めて2月10日にも行った。青野川ふるさと公園から青野川沿いを南伊豆町役場方面に向かって歩く。この時は菜の花に加えて河津桜もセットで見る事が出来る。河津桜=伊豆急河津駅周辺の河津川沿い・・・となりがちだが、南伊豆町のここの場所も結構良い。穴場スポットとなりがちなので河津駅周辺に比べれば少ないが、それでも多くの人がいる。「南伊豆町菜の花とさくら祭り」が2月1日~3月10日までの開催で、期間中周辺駐車場は有料(1回500円)になるが、実施時間は9時~16時で、それ以外の時間ならば無料である。
 
↑河津桜、菜の花、水仙が同時に見られるのは良いものだ。1時間程度歩きながら花見をしているうちに日没となった。この時期は17時を過ぎれば辺りが真っ暗となり始める。
 
 
↑近くの道の駅に行くと竹で作ったアーチがライトアップ。道の駅は無料時間帯とあり満車だ。車中泊するクルマも少なくない。
 
 
↑夜桜見物をする。iPhone15のカメラだと夜間撮影も簡単に出来るし、クオリティー高い写真が完成出来る。寒かったがなかなか良い花見が出来た。私の中では毎年のルーティンとして来年以降も2月に南伊豆町に来て花見をして、心も気持ちも癒されたいと思った。
 
 

 

【TH2109ゆるキャン△・TH2102国鉄キハ20系風車両・TH2101ニセ湘南色を撮影する】天竜浜名湖鉄道ラッピング列車がタップリ⑤

 

撮影日=2024年2月18日(日)

【再びTH2109ゆるキャン△列車に乗る】

 

↑天竜二俣15時23分発234列車掛川行きもTH2109ゆるキャン△列車であった。午前中にも乗っているものの車内をじっくり観察する事はなかった。昔ならば人がどんなに多く居ても車内撮影していたものであるが(被写体に人が写らない範囲で)、今やプライバシーや肖像権などの問題で個人レベルとは言え撮影し難い。周囲への配慮も必要で、結局は人がいないタイミングで撮れば鉄道車両としての記録的価値も高まる。

 

 

↑これが「ゆるキャン△列車」の車内。ゆるキャン△の世界が表現されている。この漫画は読んだことが無いので、具体的な話の内容やキャラクター名はわからないが、主要キャラクターの紹介もなされている。この写真は乗車後スグに撮影したものだが、数十秒としないうちに同業者がこれでもか!と言う感じで車内を撮影しまくる。ここでいう同業者とは鉄道マニアと言うよりはゆるキャン△ファンと言った感じだった。車内もゆるキャン△ファン(漫画オタク)が集まるという独特な雰囲気がした。

演出としては車内の内装・外観塗装だけで、車内放送は通常の物。ゆるキャン△声優が放送しているわけではない。

このゆるキャン△列車は2024年2月25日(日)を持って運行終了した。理由は不明だが、この手の漫画とのコラボは製作者側との契約期間の関係等「大人の事情」が絡んでいる事が多い。

234列車で帰宅する・・・予定だったが急に気が変わり、遠州森駅で緊急下車となった。

 

【国鉄キハ20風のTH2102】

 

↑遠州森駅で下車。到着直前に下車すると決めたので急いで行動。こういう事は多々ある。前途の予定は・・・到着後に決めれば良い。そのため最近は事前にガッツリと予定を組んでおいても、その通り行く事の方が少ないので、大雑把な予定だけ考えておいて、前途はその場で決めるようにしている。そういう事が出来れば「乗り鉄(旅行)の上級者」である。

遠州森駅は16時過ぎまでは有人駅。運賃精算は駅で行うとの事であったが、1日フリーきっぷなので改札口で見せればおしまい。一応は静岡県森町の中心駅と定義されているが、駅前には静岡銀行の支店とセブンイレブン(コンビニ)があるくらいで、意外と人通りが少ない。やはりロードサイド化した町の作りで、駅中心ではなく道路中心に店舗や集客施設が集中する。森町だと県道40・58号沿いである。

 

 

↑16時08分発136列車掛川行きは国鉄キハ20系風のTH2102であった。今回は乗らず。車内はキハ20の説明パネルがある。この車両は二俣線時代は主力車両だったので、そのリバイバルと言った感じだ。鉄道マニア的にはこちらの方が面白いのかも。

 

【ニセ湘南色TH2101Re+】

 

 

↑お目当てはこれだ。遠州森16時08分発235列車天竜二俣行きに乗る。ニセ湘南色だった。二俣線時代も含めて湘南色の車両は走った事がないはずだ。「Re+」と称している。TH2101である。この車両は初めての乗車となった。

 

 

↑車内はこんな感じ。座席構造こそは変わらないが、木目調の壁になっているおかげで高級感がある。利用の主体は高校生でほぼ満席で遠州森駅を発車。円田、遠江一宮、豊岡と下車が続く。この先の乗車はほとんどない典型的なローカル線の利用実態であった。人の流れとしては天竜二俣方面へのそれもあるが、その場合は列車は選択されず車一択と言うのはあるあるの話であった。それが公共交通機関の厳しい実態で、「廃線は絶対ヤダ!鉄道存続賛成!でも普段は乗らない」と言う沿線住民が多い矛盾した主張が全国的に展開されているが、結局は「乗って残そう」である。収益が取れない(人が乗らない)=公共交通としての役目を果たしていないと判断するのがフツー。「車があるならば車で移動すれば良い」と言う理論なのだ。それまでして鉄道を残す理由?それは遠くから来る人の集客装置・鉄道自体が観光地・鉄道が通る事で街がシンボルになる・街が衰退しないため・・・などの理由があるが、これ以上述べると長くなるので、今回はこれで終わりとしておく。

 

 

↑天竜二俣駅は2番線到着。反対の3番線には16時34分発335列車新所原行き(TH2103)と接続する。ざっと30人程度は乗っていたので一安心。TH2101の編成写真でも記録する。この後は留置線に移動しこの日の運用は終了となるのであった。

 

 

 

【お宝の宝庫・毎日開催】天竜浜名湖鉄道天竜二俣駅「転車台見学ツアー」に参加

撮影日=2024年2月18日(日)

【転車台見学ツアーには600円必要】

 
↑天竜二俣駅は天竜浜名湖鉄道の本社があり、車庫も併設されている。列車の運行もこの駅を基点に行われるため、天竜二俣行きが多いのもこの理由。
13時41分着の130列車掛川行きから下車して改札口へ。多くの人が集まっている。天浜線とグルメは欠かせない存在だが、天竜二俣駅に併設の「ホームラン軒」も人気店。しかし、日曜日は休業であった。平日に行ってみると昼時(11~14時のみ)の営業に関わらず、行列が出来ていた。ここのラーメンは食べてみたいが、今回は休みなので仕方なく諦める。
事務所兼売店(小さい)には天浜線グッズと駅弁(土日祝日のみ・数量限定)も販売している。
 
↑有人窓口で「転車台見学ツアー」を申し込む。とは言っても有料。600円かかる。毎日13時50分からの開催で、国鉄時代から使っている転車台や倉庫の中を見せてもらえる。昔は1日フリーきっぷがあればもう少し安い値段であったが、今はそんな事はなく、どの参加者からも公正中立に600円徴収する。列車で来る人も多いが、転車台見学ツアー目当てで車で来る人も多くて、約70台分の無料駐車場(オフロード)もあったりする。
ガイドの案内に従って改札口を通過する。最初は2・3番線ホームと連絡する構内踏切を渡り、敷地外へ。
 
 
↑そこにTH2109の「ゆるキャン△」が来た。13時48分着の227列車で運行を終えると一旦車庫に入る。
 
 
↑その後は給油であった。約1時間半後の列車から運行再開する。この場所は転車台見学ツアー参加者でないと入る事が出来ない場所である。
 

【転車台を廻るTH2104】

 
↑転車台がある。これがこのツアーの最大の見所だ。もちろん現役である。
 
↑そこにTH2104が登場。ゆっくりと転車台に載る。回転は動力で行うもので、大井川鐡道のように人力で行うものではない。転車台=人力・SLや機関車が載るもの・・・と言うイメージがあったので、何か新鮮に見える。
 
 
↑実際に回転する。やはり迫力があるものになっている。
 
 
↑TH2104は回転が終わるとそのまま留置線の方へ向かった。転車台回転は何周もするものではない。半周して終わりと言うのが基本的な運用方法である。
 
 
↑転車台がある理由としては扇形車庫が4線あるため。留置線からここに移動する際の転線として使っている。今は作業用ピットのようで4番線(画像右側)ではTH2113が台車取り換えのため整備中だった。元々は6番線まであったが、後になって5番線と一緒に撤去され、今は洗車線になっている。
 

【倉庫はお宝の宝庫】

 
↑次に案内されたのは倉庫。ここには二俣線時代の資料、天浜線で装着した各種ヘッドマーク等のお宝の宝庫。見学時間は決して長くなかったが、簡単に紹介する。
 
 
↑二俣線さようならヘッドマーク・天竜浜名湖鉄道開業ヘッドマーク
 
 
↑空襲警報発令・荷主不明荷物のお知らせ
 
 
↑2023年に設置されたNHK大河ドラマ「どうする家康」とのタイアップ企画の駅名標
 
 
↑二俣線の歴史の前には「ゆるキャン△」もある
 
 
↑運転注意掲示板
 
 
↑国鉄時代の時刻表(今よりも本数がかなり少なかった)
 
 
↑国鉄時代に使っていたサボ
 
などのお宝の宝庫であった。私個人的にはここが楽しみであった。「資料」としてはかなり貴重で間近で見る事が出来るのも転車台見学ツアーの特徴だ。
 

【故障で動けなくなったTH2106】

 
 
↑転車台と接続する線路はズレが全くなく接続している
 
転車台見学ツアーはこれで終わりだ。時間にして40分程度であったが、かなり中身が濃い内容で満足だ。他にも洗車体験が出来るツアーもあるがこれは午前中限定だ(900円)。参加者は改札口へと戻る事になる。
 
 
↑その途中でこんな車両を発見。ガイドからは「お休みしている車両」と言われたが、実の所は故障で動けなくなった車両である。TH2106である。奥のTH3501は既に引退済みの車両だ。天浜線のTH2100形は導入から20年程度しか経過していないがもう次の新車が決まっている。具体的なメーカーや仕様は公表されていないが、電気式気動車になるようだ。
鉄道車両にしては短い20~25年程度の運行で引退する車両が始まるが、その理由は故障したのに修理しようとしたらメーカーから部品が無いと言われたらしく、修理したくても修理できないのが現状だという。TH2106には「休車」の札が付いているが、事実上廃車状態の車両とも言える。今後どうなるのか?・・・は考えないとして、最後は見たくないものを見てしまった気がした。
 
 
 
 
 
 

 

【合理化と言う名の人手不足・えきねっと不便・ネット予約なのに何故か紙のきっぷが必要?MV操作が難しい・ある程度使い方を知る必要があるチケットレス】JRが「みどり窓口」を減らす理由

 
 
↑JR各社は近年有人のきっぷうりばである「みどりの窓口」を大幅に減らしている。JR東日本の場合、2021年には440駅あったが2025年には140駅程度に減らす。JR西日本も2020年には340駅あったが2030年には30駅程度に減らす。JR西日本はこれとは別に簡易委託駅の全廃もこの頃までに行う方針である。他のJR他社も同様の傾向で、中にはJR九州のように形式的にはみどりの窓口を存続しているが、営業時間が12時00分~15時00までと言ったような極端なものも出現している。
写真はJR東海の掛川駅(北側の木造駅舎側)改札口だが、左側には今でもしっかりとみどりの窓口がある。但しJR東海はそのようには言わず、「JR全線きっぷうりば」と称する。この記事では便宜上全て「みどりの窓口」に言い方を統一する。
 

【JR各社がみどりの窓口を減らす理由】

 
ズバリこれは合理化と言う名の人手不足への対応である。例えばJR東日本(本体)の社員数を見ればわかるが、2005年には約7万人居たのが、2023年には5万人を切っている。20年で社員数が2万人(率にして約3割)も減っている。同社への入社人数は毎年1500人前後なので、退職者が圧倒的に多い。その理由は人数が多かった国鉄時代入社組が定年を迎えた事、昔とは違い今は少ない人数で鉄道運営できる点が大きい。
退職者数=入社数を同じにすれば良いが、その気はないようだ。表向きでは少子高齢化で「なり手が居ない」と言われるが、少なくてもプロ職(現場の駅員や乗務員)に限って言えば、今でも狭き門である事は間違えなく、中途採用を行えば競争倍率が20~30倍に跳ね上がるのもザラにある。乱暴な言い方をすれば、入社希望者全員を採用して入社させれば、JRプロ職における人手不足そのものはありえないはずだ。
しかし、実際にはそうにはいかない。「適性」と言うのが非常に重要視されるもので、「クレペリン検査」はおなじみ。この結果が悪ければ頭が良くてもそもそも入社出来ないし、運転業務にも従事できない(運転士は3年に1度クレペリン検査実施が国から義務付けられている)。要するに「厳選採用」である。
さらに鉄道運営は「少数精鋭」が可能になったので(ワンマン運転化、駅員自体が要らない駅運営、線路設備の維持管理は外注化、昔は人がやっていたのが今は全部機械で出来てしまう等)、そもそも多く人をいる必要がなくなった。
当然だが、自己都合による退職者も少なくない。ブラック企業状態のJR北海道のように離職率が約3割もある所もあれば、逆にJR東海のようにそれが1%しかない所までさまざま。その理由については述べない。
 
みどりの窓口は「待ち仕事」である。お客が来なければ仕事がない。その間は別の業務をやるわけでもなく、単に待っているだけの事が多い。駅形態や利用実態によっては大きな乖離があるが、これが経営者にとっては「生産性が無い」と判断しても仕方ない。今の仕事は(どんな職業であろうが)「止まることなくとにかく動き回れ!無駄を徹底排除!余計な事はやるな!生産性向上だ!」と言う風土である。「タイパ」(タイムパフォーマンス)とも言われるが、「待ち仕事」自体が”時代錯誤”とも言える背景なのは忘れてはならない。
「1人の駅員でいろいろ作業させたい」と言うのは言うまでもない狙いで、JR発足後(平成初期頃から)「合理化」と言う名の下で駅員はいろんな事をやらないといけなくなった。それが今や「人手不足」と表現される後味の悪い事になっている。今や1人で窓口、改札、列車監視、地元企業や学校への営業活動等マルチスキルが求められるようになる。これが国鉄の頃だったら「窓口専業」「改札専業」と言うのがまかり通ったが、今や通用しない。1人勤務の駅も増えて、そうなれば全ての事を1人でやらないといけなくなった(特にJR東海の業務委託駅)。
そこに来て団塊世代の大量退職→国鉄入社組の大量退職と来た。JRは新たな新規補充は実施せず、人手不足の状態で駅運営を維持させようとした。そうなれば無人駅が出るのも仕方ない。でも今やネット社会。これを活用しない手はない。
今まで人が販売していたきっぷは、基本的な乗車券はSuica等のICカードに変わり、指定席券は駅の券売機やネットで買えるようにした。そうなるとどうだろうか?お客は自ずとSuicaやネットの方に流れる。きっぷの発券が必要であっても、窓口でやる必要性も無くなり券売機だけで完結できる。そうなればみどりの窓口そのものを使わなくなる。みどりの窓口の利用が低くなれば「利用者が少ないので閉鎖」と言うのも当然な経営判断と言える。
・・・↑とこれが実態であるが、それでも多くの「矛盾」を抱えている。「みどりの窓口が少なくなって不便!」と言う人は、以下の「矛盾」が許されないためだろう。
 

【矛盾①えきねっと(ネット予約)がそもそも不便だし使えない】

 
↑えきねっとで購入した「週末パス」。大前提として「えきねっと」を使うには会員登録しないといけない。これが東武特急や近鉄特急のように「会員登録不要でも特急券が買える」サービスとの決定的な違い。後者ならばネット接続出来る人ならばクレジットカードさえあれば概ね買う事は出来る。だが「えきねっと」は会員登録と言う面倒くさい作業がある。年会費や登録料は無料だが、JRを使う人が多い人ならまだしも、「数年に1回しかJRは使わない」と言う人になればそれは全く意味がない作業だ。それだったら「駅で買っても一緒だろ!」と言われても仕方ない。
基本的にはクレジットカード支払いなので(一応コンビニや駅での現金払いも出来る)、クレジットカードを持てない・持たない人(18歳以下、現金主義者・ブラックリスト登録など)にとっては不利である。スマホが普及しているので今や極めて少数だが、そもそもインターネットに接続出来ない(使い方を知らない、スマホやパソコンを持った事がない・持ちたくない・持てない)人は最初から「蚊帳の外」である。
「えきねっと」ログイン後の操作がやりやすいか?と言われるとこれが非常にわかりにくい。「スマートEX」や「e5489」ではそうには感じないが(個人の感想)、「えきねっと」は日付・駅名入力後、検索結果表示までの時間がかかり過ぎるし(動作も重いし)、「1本後の列車」と言う選択をしたいときに次の列車にスラスラと転移できない。「えきねっとの不便さ」は他にも山ほどあるが、ユーザー目線で設計されたシステムとは言えない。そうなればお客だって使おうとはしない。こんなのはソフトウェアを変えれば済む話なのに(カネはかかるが)、なぜそれをスグにやらないのか?JR東日本の姿勢が問われている。
 

【矛盾②ネット予約したのに何故か紙のきっぷに発券しないといけない】

ネット予約して、決済もクレジットカードならば、実際に乗車する時はスマホを改札機にタッチするか、有人改札で画面を見せるだけ・・・とはなっていない。何故か紙のきっぷを発券しないいけない。「ネット予約しているのに何故紙でないと乗れないんだ?」と言う理屈は到底理解できない。この辺は九州で大きな問題になったが、抜本的な解決には至っていない。
理由を説明すると長くなるので省略するが、スマホの画面をタッチ(または見せる・QRコードをスキャン)するだけで乗れるようにしないとこの矛盾と言うか「いらだち」は解決しない。自動改札機を通さなければ良い問題で、「画面を見せるだけ」であれば一部のMaSSアプリ(WESTERbyTabiwa等)で既に実装済みである。そういう柔軟な運用を考えてほしい。
 

【矛盾③券売機(MV)の操作が難しいし買えないきっぷが存在する】

 
 
↑では指定席自動券売機(MV)だったら「どんなきっぷでも買えるか?」と言うとそうではない。買えないきっぷが目立つ。例えば一筆書き乗車券、経路が複雑な乗車券、単発的に運転する臨時列車の指定席券、寝台特急サンライズ出雲・サンライズ瀬戸のきっぷ、私鉄との連絡きっぷ、芝居・舞台・テーマパーク等の入場引換券、一部のお得なきっぷ(金額0円の指定席券発行のタイプなど)、障がい者割引、ジパング俱楽部、団体乗車券など。その逆に払い戻し(但し2024年4月から出来るようになった模様)、乗車変更は後術のAMV型のオペレーター対応以外は出来ない。
あくまでもMVは「定番商品」だけで、例えば新宿→甲府の特急かいじ××号の指定席特急券とか、単純な片道(往復)乗車券・名前の知れたお得なきっぷ(18きっぷ等)に限られる。えげつないものだとJR東海静岡駅のMVでお得なきっぷを選択すると、日付を聞かれた後に強制的に「休日乗り放題きっぷ」に誘導するものもあったりする。これはお得な商品がこれしかないためである。少なくても同駅のMVで静岡~東京の新幹線自由席回数券は買う事が出来なかった(窓口のみでの販売)。結局はみどりの窓口でないと販売出来ないきっぷも一定数存在するため、MVが万能とは言えない。
 
さらには操作が難しい。鉄道マニアの私でさえも「う~ん」と頭を抱える事も珍しくない。最初のトップ画面でどこを押してスタートしたら良いかわからない。「指定席」「自由席」「時刻表検索」などの大きな括りはあるが、そもそも指定席や自由席の意味が分からない人(滅多にJRは使わないし、そもそも鉄道が嫌い)もいれば、漠然と「特急かいじ××号のきっぷ」としか考えない人も多いので「??」となってしまう。駅によっては操作方法が券売機横に設置の場合やJR各社のHPに記載はあるが、そういう駅は全国的少ないしHPを見てでも買うお客はかなり少ない(そこまで熱心にきっぷを買いたいのは鉄道マニアだけ)。結局は駅員を呼び出して直接聞くか、操作してもらうかのどちらかである。
 
最近はアシストマルス(AMV)と言うものもある。各社愛称が違っており、JR北海道は「話せる券売機」、JR東日本は「話せる指定席券売機」、JR東海は「サポート付き指定席券売機」、JR西日本や四国は「みどりの券売機プラス」、JR九州は「なんでも私に聞いてください!ど~ぞ」と言う意味不明な名前もあったりする。
どの社もこれを積極的に入れており、「有人窓口の事実上の代替手段」とアピールしている。駅によってはAMV=無人駅化したケースも少なくない(例えばJR東海の稲沢駅など)。お客がタッチパネル操作できっぷを買う事も可能であるが、「オペレーターを呼び出す」と言うボタンを押すと券売機の画面にオペレーターが映し出されて、話ながらきっぷを買う事が出来る。
その仕組みは、ある1か所の事務所に専属のオペレーターを配置し遠隔操作で対応するもの。業務委託の事が多く(直営ではない)、JR四国のように自社ではやらずJR西日本に丸投げと言う事もある。オペレーター対応ならば「一応ほぼ全てのきっぷが買える」事になっている。
しかし、輸送障害による払い戻し・変更等で対応出来ない事もあり、そうなれば「近隣のみどりの窓口でやる」となる。面倒だ。その駅から近隣のみどりの窓口がある駅まではタダで行けるきっぷを発行する(JR西日本)、一度正規の運賃を支払いみどりの窓口でその分を返金(JR東日本)と対応もさまざま。
AMVの評判は良くない。まず待ち時間が長い事。複数の駅から呼び出しがかかっており、待ち人数・待ち時間が表示されるが、その数が多い事も珍しくない。オペレーターが現れるまでに30~60分もかかったという事はザラにある。そんなに待っていられないのである。
オペレーターがその駅付近の地理に必ずしも詳しいとは限らない。JR四国の場合、JR西日本に委託していると前述したがではどこで?となるとそれは大阪。業務知識としては四国に限らずどこに何線が走っていてどんな特急があるのか?と言うのは知っているはずだが、「大浦」とか「中田」と言うローカルな駅名を言われた所で何県何市にあるのか?と言った細かい所までは知っていない。四国特有のローカルルールとかお得なきっぷの情報も持ち合わせていない事が多い。そのため、「定番商品」だけの案内(発売)とするだけとして、実際に利用する経路が実はお得なきっぷの方が安かったとしても、それは最初から案内しないとしている。
 

【矛盾④ある程度使い方を知る必要があるチケットレス】

 
 
JR東日本管内のチケットレス対応の特急券はえきねっとから買える。Yahoo!乗換案内アプリからもリンクが飛んでいるので購入は可能(要えきねっと会員・要ログイン)。駅で紙のきっぷを発券しない場合は定価から100円引きである。これがe5489だと200円引き(JR西日本のクレジットカードを持っていると最大640円程度安くなるがここでは詳細は述べない)。
チケットレス特急券は必ずしも割引があるのかと言うとそうでもない。JR北海道、東武特急、近鉄特急では定価が基本だ。あくまでも特急券なので乗車券が別に必要。概ねSuica等のICカードが使えるのでそれで代用するのが一般的である。
新幹線になると事実上1つに完結していて、スマートEXだと自分が持っているICカード(事前に登録が必要)を新幹線改札口にタッチすればそれで終わりである。いろいろと割引もあったりする。えげつないものだと静岡~東京の自由席利用でも定価の450円引き(1日前までに購入等の諸条件はあるにしても)もあったりする。今まで新幹線・特急の自由席利用(お得なきっぷを除く)で割引すること自体がなかったので、これは相当画期的だ。
しかし、チケットレス特急券を使いこなすには「ある程度使い方を知っている」必要がある。それを何も知らない人が使うのは過酷である。私だって飛行機のチケットレス利用の方法は正直言って知らない。
 

【まとめ】

 
以上の事が主な理由であるが、MV(AMV)やチケットレス推進によってお客も「使い方を知る必要がある」のだ。「一見さん」が使うにはあまりにもハードルが高い
JR西日本は表向きでは「グランドサービスの向上」と称しているが、要は案内係を現場に多く配置して、案内が必要なお客に対しては個別にじっくり説明するが、そうではないお客には案内しない(悪く言えば「検索すればわかるでしょ」的な感覚)対応に移行している。その表れが車内放送でJR東海や西日本の列車内では、乗り換え駅で乗り換え列車の時刻と発車番線を車窓が放送する事は消えた。「ネットで調べてくれ」である。「ネットが出来ないならば社員が直接教える」としている。鉄道業界全体がこういう動きで、昔は定期券利用客が「お得意さん」であったが、今はそれに加えて自社のネットサービス利用者も「お得意さん」。ある意味「お得意さん」に磨きをかけたと言えばそれまでだが、「一見さん」に対しては昔以上に冷たくなる印象があると言わざるを得ない。
 

 

【甘い誘惑TH2110ぶんぶん号・奥浜名湖駅近くの人気店「長坂養蜂場」とのコラボ】天竜浜名湖鉄道ラッピング列車がタップリ④

撮影日=2024年2月18日(日)
 

【乗り鉄あるある🤣終着駅に着いたらスグに折り返し列車に乗る】

 
↑天竜浜名湖鉄道天浜線の終着駅は新所原駅。豊橋方面に行くのであれば、そのまま東海道線乗り換えで良いのだが、この日は天浜線を乗り歩く事が目的のため、結果的には戻る事になる。新所原駅付近で少しぶらぶらする・・・とも思ったが、気が変わって11時04分着117列車→折り返し11時23分発128列車掛川行きに乗る。新所原駅滞在時間はわずか19分。終着駅に着いたらスグに折り返しに乗るのは、乗り鉄あるあるであった。同じ車両(TH2103・#私のキャタライナー)なのは言うまでもない。
 

【知波田駅には「駅舎内歯医者さん」がある】

 
 
↑128列車は知波田駅で下車する。新所原駅を出発すると、アスモ前、大森は列車交換が出来ない。最初にそれが出来るのは知波田駅で、例によってここも「対向式ホーム」。128列車との交換列車は存在しなかったので、私1人を降ろすとそそくさに出発する。
 
↑ホームはこんな感じ。やけに有効長が長い。駅名標には「Hamano Station」とある。これもネーミングライツだと思うが、どういう意味なのかわからない。調べれば簡単にわかるが、特に調べる事もしなかったので、そのままにしておく。
 
↑駅舎内にその名も「知波田駅歯科」と言う歯医者さんがある。だが日曜日なので休診日なのは案の定そうで、来院者らしき人も当然居ない。この歯医者さんは案外有名で30年以上前から存在すると思った。今や「エキナカ」と言うカッコいい言葉で言われるが、天竜浜名湖鉄道の主要駅ではその言葉が登場する以前から存在するもので、歯医者さん以外にも、ラーメン屋、蕎麦屋、弁当店、喫茶店などある。それらは今に始まった事ではない。ネーミングライツの方が全然最近だ。
 
↑一応これが駅舎であるが、「知波田駅」と言う看板よりも「知波田駅歯科」の方が目立ってしまう。天浜線利用者向けの待合室はあるものの暗い。昼間でも電気が欲しいほど。そこに女性が1人ずっと座って書類に目を通していたが、どうやら列車利用者ではないらしく、列車が来ない時間に駅を去った。休憩所代わりか?
知波田駅前は国道301号沿いで交通量も多い。駅の外に公衆トイレ、ジュース自販機(ダイドーとサントリー)がある。3分ほど歩けばローソン(コンビニ)があるので、そこで昼食を確保して待合室で食べる。それ以外特にやる事はなかったので、次の列車が来るのを待つ。
 

【甘い誘惑🤤TH2110ぶんぶん号に乗る】

 
 
↑知波田駅11時54分発119列車新所原行きが来た。何が来るのかな?と思って待っていると黄色い車両が来た。可愛らしいハチ(蜂)が描かれている。側面には「BUNBUN TRAIN」とある。スマホで調べてみると奥浜名湖駅近くにある「長坂養蜂場」が出しているラッピング列車。GoogleMapsで詳細を見ると人気店で浜名湖界隈では有名な観光地。ハチミツ製品が多数販売されており、これは行きたくなる。しかし、この日はその暇がなかったので次回行くときに必ず立ち寄る事を決める。
 
↑40分後折り返し列車が到着。12時31分発の130列車掛川行きも「ぶんぶん号」。既に20人弱乗車しており見た感じは混雑している。相席になるがボックス席の通路側に座る。それにしてもあちらこちら「ハチミツ」だらけだ。「甘い誘惑」である🤤
 
↑奥浜名湖駅に到着。ここが「ぶんぶん」の地元。長坂養蜂場はこの駅から歩いて行ける。130列車からも10人程度が下車し、帰り客と思われる3人が乗車した。
 
↑車内は「ハチミツの世界」。乗っているだけで「甘い誘惑」に誘われる。良い気持ちになれる幸せな車内だ。「ハチミツソフト」が食べたくなる🤤でも今回は我慢だ。
三ケ日で121列車新所原行き(TH2101・Re+湘南色)と交換する。10人程度が乗り降り。浜名湖佐久米駅はやはり大人気で撮影者が殺到。気賀で5~6人乗車と細かい流動が続く。
 
↑金指には13時08分に到着し15分発車となる。その間に327列車新所原行き(TH2102・キハ20色)と交換する。ヘッドマークの位置に来る「ハチ」(蜂)がトレードマークで何とも愛嬌がある😊
車内は?と言うとどんどん混んできた。金指では10人程度が乗車し空席が少なくなる。この先も乗車が続き立ち客も出てくる。盛況な利用状況に一安心する。やはり大きく動いたのは遠鉄接続の西鹿島で15人程度が下車した。ほとんど遠鉄乗換であろう。
 
↑天竜二俣駅でも「ぶんぶん号」を記録(撮影)する。やはり形式写真(1両全体)や編成写真(列車の前から後ろまで全部・天浜線の場合は1両主体なので形式写真となってしまうが)を好んで撮ってしまう。「ぶんぶん号」掛川行きなので、少し止まった後に出発してしまった。
こんなに気分が良くなった車両には久しぶりに乗った。次は奥浜名湖駅で下車して列車ではなく「本物のぶんぶん」に会いに行きたい。どうしても長坂養蜂場のハチミツ製品を食べたいと思ってしまった。
 

【西気賀駅えんちゃんのプリンス岬・ネーミングライツに積極的・黄色い光線🤩奥浜名湖駅・ウナギ弁当がある新所原駅】天竜浜名湖鉄道ラッピング列車がタップリ③

 

【カモメが飛んでこない浜名湖佐久米駅で列車と絡めた写真】

撮影日=2024年2月18日(日)

 

 

↑浜名湖佐久米駅は「カモメが飛んで来て列車と一緒に撮る」のが有名だ。しかし自然の摂理。カモメが飛んで来るのはその時のカモメの気分による。人間がコントロール出来るわけではない。私が居た時間帯カモメが飛んで来ることはなかった。

そこに9時33分発322列車天竜二俣行きが来た。これもラッピング列車。TH2105ヤマハの自転車。地元企業の宣伝もしっかり行って鉄道利用者アップと広告主の商品を売れるようにするのは、今や大切な事なのだろうと思う。その姿を次に訪問した駅でしっかりと見る事になる。そのままホームでボーっと次の列車が来るのを待つ。こういう時間が好きである。

 

 

↑10時01分発124列車掛川行きに乗る。109列車新所原行きの折り返し運用でTH2108であった。天浜線の車両運用は車庫のある天竜二俣駅を起点に掛川~新所原を往復する事が基本である。中には昼間に新所原駅側線で昼寝する運用も含まれているが、掛川、遠州森、西鹿島、宮口、新所原行きは到着後すぐに折り返すのが基本だ。金指行きは主に夜間に設定の列車で到着後は翌朝まで「マルヨ」する。

「1日フリーきっぷ」なので行ったり戻ったりするのも自由自在。単純に行って終わりではないので(私は)、どこの鉄道でもそうだが乗り放題タイプのきっぷは積極的に買うようにしている。鉄道会社側もそれが「商品」であるので、積極的に販売したがる。

 

【「えんちゃんのプリンス岬」西気賀駅】

 

 

↑西気賀駅で下車する。ここも対向式ホームである。

 

 

↑西気賀駅の駅名標はオリジナルデザインだった。「えんちゃんのプリンス岬」と言う副駅名標がある。

「えんちゃん」とは何?と思って調べてみると「遠州信用金庫」の事であった。同信金は浜松市内のみに店舗を持つため、市外から来た人にとっては存在すら知らない事が多いかも。私は初めて同信金の存在を知った。「勉強不足」と言われればそれまでだ。

「プリンス岬」とは西気賀駅にある浜名湖を見る事が出来る”ちょっとした岬”で観光地でもある。この時は行く事が出来なかったが、後日現地調査しようと思った次第だ。

これはネーミングライツによるもので、天竜浜名湖鉄道の収入アップ策と言うのが本音の見方であるが、地元企業や観光地の宣伝をすれば、鉄道利用も広告主も潤う事になるのは前述のTH2105の所でも述べた通り。天竜浜名湖鉄道はネーミングライツに積極的で、いろんな駅や車両に宣伝がある。第三セクターと言う「官的な様相の強い会社」であるものの、お役所的な「民間企業の宣伝はしない」と言う古臭い考え方を捨てて、沿線企業や観光地とのタイアップを積極的に図る姿勢が見えた。最近どこもいう「地域共生」「田舎の生き残り」の一環であろうか。

 

 

↑改札口もなかなか味わいがある。レストラン(現金のみ)があったが11時~14時の営業のためこの時は開店準備中だった。

 

 

↑立派な駅舎である。隣には公衆トイレとダイドーの自販機がある。駅前は国道362号沿いで交通量も多い。路上販売(キッチンカー)による食べ物販売(何の食べ物かは失念・美味しそうだった)を買おうかどうかで迷ったが結局買わず。今思えば買っておけばよかったと後悔する。

 

 

↑掛川行きホームからも撮影(記録)する。ホームが微妙にカーブしている駅はなんだか好きである。有効長も何気に広かったりする。歴史の証人とも言えようか、元々は国鉄二俣線としての開業で東海道線のバイパス機能であった。それがいつしかローカル線になって、いわゆる赤字83線区になって国鉄線では生き残れなくなり、JR発足直前に三セク化された。国鉄時代は列車編成も長かったのだろうが、今は単行の気動車が行き交うだけと言うのも何とも寂しい。

 

【黄色い光線🤩奥浜名湖駅】

 

↑西気賀駅10時30分発117列車新所原行きに乗る。TH2103「#私のキャタライナー」であった。段々と同じような車両に何度も出会うようになる。車内の記録(撮影・もちろん人は写さないようにして)はしたので、ノンビリと乗るだけだ。

前列車が1時間以上前だったためそれなりに混んでいる。25人程度は乗っていた。浜名湖佐久米駅は熱狂的雰囲気になっており、ホームにはざっと50人程度待っていた。ほとんどがスマホや一眼レフ片手に撮影に熱中だ。

しかし、117列車から下車したのはたった5人で、乗車はゼロ。「撮影して終わり」である。それだったら少しの区間でも良いので天竜浜名湖鉄道に乗れば…と思ってしまう。私ならば積極的に乗るが。

三ケ日駅には10時44分で126列車掛川行きTH2109ゆるキャン△列車と交換。やはり大人気で立ち客が数人いた。有人駅のため運賃精算は駅で…である。117列車には約10人乗る。

 

 

↑奥浜名湖駅から「黄色い光線🤩」

あちらこちらに蜂(ハチ)が居て可愛らしい。15人程度下車した。「こんなに下車する駅だったか?」と疑問に思ったがその謎はスグに解けた。天浜線に沿って浜名湖が見える車窓だが、浜名湖沿いに大きな駐車場と「黄色い光線🤩」がする建物。これは「長坂養蜂場」と言う観光地で、その名の通りハチミツ製品を販売する。いかにも美味しそう🤤ここに行く事目当てで奥浜名湖駅の下車が多かった。

 

【新所原駅ホームからも美味しそうなニオイ🤤】

 

 

↑新所原駅に到着。天竜浜名湖鉄道天浜線としてはこの駅まで。国鉄時代は東海道線直通で豊橋までキハ20が直通運転したが、今は必ず乗り換えである。今でも線路がつながっている…と思った。なお掛川駅は今でも線路が繋がっており、年に1回JR東海の「ドクター東海」が天浜線の線路検測のために入線する。

天浜線のホームは1面1線の極めてシンプルな構造で終日有人駅。駅舎も縦長で極めて狭くスグに外へ出る構造だ。駅舎内にはきっぷ売り場(有人窓口)と「ウナギ弁当」を売る店があった。ウナギの香ばしいニオイがする🤤食べたくなる🤤

しかし‼安くない‼ウナギ1匹だと弁当が1600円、2匹だと2800円もする。やはりウナギ弁当となればこんなような値段になるのも納得であった。その他みかんが1袋300円で販売していたが「三ケ日みかん」は有名である。なお、店の撮影は禁止で、ウナギは注文があってから焼き上げるため提供には少し時間がかかるとのこと。

 

 

↑JR新所原駅は2016年に橋上化された駅舎である。それ以前の駅舎しかイメージになかったので新装開店した新所原駅に行ったのはこの時が初めてであった。東海道線の南北を通り抜ける事が出来る自由通路がある。

資産上は新所原駅の豊橋方にある信号機までがJR東海静岡支社の管理でちょうどそこが静岡県と愛知県の県境。その先は同社東海鉄道事業本部の管理下に入る。なお列車の運行上は豊橋までが静岡支社の担当である。

駅業務は東海交通事業(TKJ)が受託する業務委託駅である。10時30分~11時30分は休憩時間のため窓口は閉まっていた。

天浜線とは反対側にある駅舎(要するに南側)に出るとここが新所原の街である。県道3号線が近くを通り交通量が多い。新所原駅から鉄道利用を想定した駐車場もある。腹が減ったので何か食べたいと思い調べると近くに杏林堂(ドラッグストア・弁当の販売もある)があったが、この時は我慢してそそくさに天浜線の駅に戻る。乗り鉄あるあるで折り返し列車で新所原駅を後にする。

 

 

★【意外に少ないオリジナル色はどの列車で来るかわからない・ゆるキャン△列車に乗る→観光地(聖地)と化した浜名湖佐久米駅へ】天竜浜名湖鉄道ラッピング列車がタップリ②

【珍しくオリジナル色の列車が続く】

撮影日=2024年2月18日(日)
 
 

 

↑天竜浜名湖鉄道天浜線桜木駅から7時23分発109列車新所原行きに乗る。TH2108で天竜浜名湖鉄道天浜線オリジナル色だった。この車両は今や14両中3両しかないので意外に乗る事が出来ない。しかも同社HPで公表している車両運用情報には非掲載のため「いつ来るかわからない」のである。逆に言えば「来るまでのお楽しみである」。

 

 

↑車内と運転席はこんな感じ。ボックス席とロングシートが混在する。これで輸送力を確保。1両ワンマン運転なので車掌は乗らない。運転席は半室でツーハンドルマスコン。後ろ側の運転席は使わないので、スピードメーターの右側にあるタッチパネル式の画面(空調設定等が出来る)は「天竜浜名湖鉄道・静岡県のマーク」が表示。どうやら新潟トランシス製の地方路線向け気動車(NDCシリーズ)はどの車両もこう言う画面が出せるらしい。

 

 

↑遠州森駅で7時39分~43分まで止まる。先ほど乗ったTH2103「#私のキャタライナー」が止まっている。折り返し掛川行きになる。

 

 

↑改札口付近でTH2108の編成写真を記録していると109列車の運転士が出てきた。「きっぷを見せてください」であった。109列車にはそのまま乗車する事と写真撮影の旨を説明する。どうやらこの場合であってもきっぷを確認しないといけないルールとのこと。遠州森駅は有人駅だがこの時間帯は駅員不在のため、通常のワンマン扱い(車内で運賃精算)である。きっぷの確認を厳正にやっているのは良い事である。

 

 

↑交換列車が到着。7時43分発112列車掛川行き。これもオリジナル色でTH2112であった。こんなに連続して天浜線オリジナル色が見られるとは思わず。

 

【遠江一宮駅を現地調査(駅訪問)する。趣のある駅舎で途中でカーブした対向式ホーム】

 

↑109列車は遠江一宮駅で下車する。

 

 

↑遠江一宮駅を現地調査(駅訪問)する。対向式ホームなのは桜木駅と同じであるが、ホームがカーブしているので「画」になる駅だ。駅名標は国鉄時代からのホーロー板が使われてきたが、最近になってそのデザインをベースに駅番号を入れた新しいタイプに変わった。「遠江一宮駅」と言う横書きの駅名標は国鉄時代からのそれを再利用のようで「とおとうみいちのみや」と言う表記が薄っすらと見えていた。

無人駅である。駅舎は趣がある雰囲気で、こういう駅が私は好きだ。そば屋があるものの朝8時では営業しているわけもない。昼頃まで待った方が良いだろう。「小國神社」は遠江一宮駅が最寄りであるが歩くと20~30分はかかる。初詣の時期はクルマが多く道路が渋滞するので、天浜線で来ることがオススメだ。

 

 

↑8時11分発114列車掛川行きはTH2104でこれもオリジナル色だった。これで3両あるオリジナル色を全て見た事になる。

 

【大人気のTH2109ゆるキャン△列車】

 

 

遠江一宮駅8時11分発111列車新所原行きはTH2109ゆるキャン△列車であった。これは天竜浜名湖鉄道HPに運用情報が公開されており、この列車を狙って乗る事にした。なおゆるキャン△列車は2月25日で運行終了。今は乗る事が出来ない。どうやらオリジナル色になったらしい。

 

車内は案の定ゆるキャン△ファン、乗り鉄、観光客だらけ。恐るべしゆるキャン△

座席はほぼ埋まっている。とりあえずボックス席の通路側が空いていたのでそこに座る。

8時19分発の豊岡駅からは3人乗る。

天竜二俣駅には8時25分~29分で、ここも有人駅だがこの時間帯は駅員不在のため運賃精算は車内で。さらに7~8人乗って来る。その間に116列車TH2110ぶんぶん号と交換して発車。

西鹿島駅には8時33分~37分。棒線駅にも関わらず4分も停車時間があるのは驚いた。遠州鉄道乗り換えはわかりきっている事だが、有人駅としての管理は遠鉄側のみ。天浜線は無人駅扱いである。それなのに机を出してどこかの駅(天竜二俣駅だと思うが)から派遣された駅員が運賃精算していた。どうやら臨時で実施のらしい。あとで調べたらこの日は天竜浜名湖鉄道主催のウォーキングイベントがあり、その対応のためであった。

 

 

↑宮口駅で8時42分~47分まで停車する。その間にゆるキャン△を撮影する。この駅も例によって対向式ホーム。

 

 

↑交換列車の118列車掛川行きTH2107花のリレープロジェクト号が来た。

宮口を発車してさらに西へ進む。特にこの日は車窓写真は撮らず。ゆるキャン△列車でノンビリと過ごす。

金指駅には9時01分~02分、有人駅であるがこの時間帯は駅員在中のため運賃精算は駅で…であった。120列車掛川行きTH2101Re+と交換する。気賀駅では4~5人下車したが、実は棒線駅であることを思い出す。ここも結構良い駅だ。

 

【ゆるキャン△で観光地(聖地)と化した浜名湖佐久米駅】

 

 

↑浜名湖佐久米駅は浜名湖に面した駅だ。奥にはE1東名が通る。東名だと浜名湖SA~三ケ日IC間であるが、防護壁に隠されているので東名走行中は見る事が出来ない。

何ら変哲の無い棒線駅であるが、どうやら「聖地」らしい。これは「ゆるキャン△」で描写されたことが理由か?この辺の事はわからないので、これ以上述べないとする。

ホームは4両分程度の長さがあるが、実際に使っているのは2両分に過ぎない。ホームからはカモメが見られるとの事がこの時はおらず。カモメ+列車が良い被写体とされるが、自然の摂理なのでジャストタイミングでカモメが飛んでくるとは限らない。

ホームと駅舎の間は段差がある。駅舎内は言うまでもなく「ゆるキャン△」だらけであった。

駅舎の隣には「かとれあ」と言う食堂が9時過ぎなのにすでに営業中。相当な繁盛店らしく既に店内はお客でいっぱいだ。

浜名湖佐久米駅は国道362号沿い(この地域では比較的走りやすい道路)で交通量も多い。浜名湖佐久米駅目当てにクルマやバイクで来る人も多い。

トイレは駅舎の隣にあるが、牛の形をしていた。これも浜名湖佐久米駅の名物らしい。

★標準色の方が少ない!1日フリーきっぷの種類がいろいろある。天竜浜名湖鉄道ラッピング列車がタップリある①

 
↑東海道線727М浜松行き(6時38分発・211系LL16編成・クハ210-5039)に乗り掛川駅に着いた。天竜浜名湖鉄道天浜線をこの日1日乗り歩く事にした。昔は「似たような車両」しかなかった鉄道だが、気づいてみたら「標準色」とも言えるカラーをまとった車両は極少数と気付いた。ほとんどが企業や商品等とコラボしたラッピング列車がタップリだ。1両ごと違う独特な魅力を追いかけながら掛川~新所原を往復した。
乗車日=2024年2月18日(日)
※時刻・金額等は全てこの日の内容
 

【「1日フリーきっぷ」の種類がいくつもある】

 
↑掛川駅天浜線のホームは東海道線と隣り合っている。と言うか東海道線ホームからフツーに見える。天浜線直結の改札口があるためJR1番線ホームを歩く。ICカードをタッチすれば出場完了。逆に天浜線→東海道線乗換の時も同様であるが、天浜線側の駅ではJR紙の乗車券は販売していない。その場合はJR正規の改札口(歩いて約2分)に出向く必要がある。
 
↑天浜線ではICカードは使えない。普通乗用車ならば券売機で購入可能だ(現金のみ)。有人駅で朝始発から夜終発まで駅員が要る。天浜線でこういう形態は非常に珍しく他に東海道線接続の新所原駅だけだ。遠州森、天竜二俣、金指、三ケ日も有人駅だが昼間での駅員が要る。それ以外の駅は無人駅だ。
 
↑「1日フリーきっぷ」(1750円・4月1日からは1900円)を窓口で買う。たかが一日乗車券と言っても、天浜線ではいろいろ種類がある。効力(全線乗り放題)と金額こそは変わらないが、きっぷのデザインが3種類程度あった。「定番」が1つ、「ゆるキャン△」が2つ、他にもあったと思った。「どちらにしますか?」と窓口氏から聞かれたので「ゆるキャン△」にしておく。一日乗車券はスマホアプリでも買う事が出来る(詳細は天竜浜名湖鉄道HPで)。
 

【TH2103・私のキャタライナー】

 
↑6時52分発601列車の遠州森行きに乗る。「横須賀ベースボールクラブ2023準優勝」のヘッドマークが付いている。
 
 
↑車内は至ってフツー
 
 
↑TH2103の写真とXへ誘導のQRコードが付いていた。シンプルなデザインだ。スマホでスキャンするとどうやらこの車両に対しての写真コンテストのようだった。「#私のキャタライナー」と言う名前があるらしい。
 
 
↑桜木駅で下車すると前側(遠州森駅方面)は別デザインのヘッドマークが付いている。今度は「三島ゴールデンイーグルス2023CHAMPIONS」とある。どうやら「ヘッドマーク単品」(後で貸切列車運用のためかもしれないが)らしく「私のキャタライナー」のラッピング列車とは関係ないらしい。
 

【頻繁に列車がやってくる桜木駅】

 
 
↑7時00分発206列車掛川行きと交換。TH2108であった。これが天浜線の「標準色」である。結論から言ってしまうとTH2100形は14両あるが、稼働中の標準色はたった3両しかない(使用停止中のTH2106を除く)。天竜浜名湖鉄道のHPには概ね2週間先までの車両運用表が掲載されているが、対象になるのはラッピング列車のみ。標準色の車両運用は公表していないので(ラッピング列車の方の運用が多いからじっくり調べれば必然的にわかるが、それなりに大変な作業)どの列車になるのかは現場に行かないとわからない。
桜木駅は相対式ホーム。掛川方と新所原方に車両の停止位置がずれているので(進行方向に向かってホームの後ろ側に停車)、このような形態を「対向式ホーム」と言って良い。これは蒸気機関車があった時代の名残で、天浜線の交換駅はこれが標準である。
 
 
↑桜木駅を現地調査する。味わいのある木造駅舎だ。駅舎内部はいろんな花やイラストが飾ってある。住民や利用者から「愛された駅」であることが伝わりホッコリする。トイレは駅舎を出た外にある公衆で「天浜線で2番目にきれいな駅を目指します」とあった。「1番きれいな駅はどこなんだ?」と思ったのが自分でも「野暮ったい」と。こう言うような「良い雰囲気」の駅は長く居たくなる。
 

【TH2109・ゆるキャン△列車】

 
↑大人気の「ゆるキャン△列車」が来た。桜木駅7時22分発208列車掛川行きで運転だった。この車両は後で乗るので最初は「さわりだけ」。細かい事は次回以降の記事で述べる。形式写真の一丁目一番地的な写真を記録しておく。

 

【収益目的による列車内撮影禁止!YouTuberを対象にしたものだが…既存マスコミや鉄道雑誌も例外なし!JRが現場取材拒否?】鉄道ジャーナルの記事の質が低下の件について

 

 

 

↑JR北海道の公式サイトによると、「列車内や駅構内の撮影は出来ますか?(映画・ドラマ・CM・SNS・動画共有サイトへの投稿など)」と言う質問に対して答えはこうだ。
「個人の営利活動における駅や列車内など弊社の保有する施設内での各種撮影はご遠慮をいただいておりますが、法人としての撮影でしたら内容によりご相談をお受けすることが可能です」とある。
 
同じ質問でも「~(収益性のある動画共有サイト投稿など営利活動を除く)」と言う場合はこうだ。
「収益性のある動画共有サイト投稿などの営利活動を除いた個人的な趣味等での撮影については、安全上の問題がなく、他のお客様のご迷惑にならなければ、特に禁止をしているということはございません。
列車の運行に支障をきたすような行為(運転中の列車に向けてのフラッシュの使用、ホームでの脚立の使用、立ち入り禁止区域での撮影など)や列車運転中に運転の妨げになるような撮影行為(運転席近くでカメラ本体から光を発する、運転室内にカメラを入れての前方撮影など)はおやめください。
また、他のお客様との間でトラブルになるような行為にも、十分ご配慮いただきますようお願いいたします」とある。
 
実はこのような記述は他の鉄道会社でも存在し、私が確認した範囲ではJR東日本やJR九州にもあった。いずれも公式サイトの「よくあるご質問」の中にこの質問と答えが書いてある。
 

【旅行の記念に・趣味目的で撮影するならば問題ない。但し列車の運行妨害(フラッシュ撮影・線路内立ち入り等)をやらない・プライバシー配慮が出来れば】

 
鉄道写真撮影そのものを禁止しているわけではない。
そもそも車両や駅や線路は鉄道会社と言う私企業の私有資産である。フツーの会社であれば許可も無く、私有資産を撮影するのは原則禁止と言うのが暗黙のルール。鉄道は軍事物資の輸送等の目的で「軍事施設」と見られることが今でも多い。戦争状態の国や社会主義国を中心に、車両や駅と言った「鉄道そのもの」が撮影禁止で、撮影したら逮捕も当たり前である。
しかし、日本ではそんな状態ではないし、そうなった時は「平和な国」とは言えない情勢と言って良い。「平和憲法」がある中でその情勢になる事は現実問題として非常に考えにくい。
そのため今の日本では鉄道撮影については「自由に行って良い」となっている。但し列車の運行妨害や利用者等へのプライバシー配慮をすればと言う前提条件は付きながらも。
 

【プライバシーの問題】

問題になるのは「撮影後の取り扱い」についてである。昔は「マイコレクション」としてアルバム等に収納すればそれで終わりで、中には雑誌や書籍等への投稿で公になる程度であった。
しかし、今やネットで誰でも簡単に公にする事が出来る。スマホで撮影すれば、即座に公に出来る。公にした画像が即座に多くの人に伝わるという既存マスコミ以上の速報性を持ち合わせる。端的に言えば「スマホとSNS(X・インスタグラム・Facebook等)のせい!」である。
プライバシー(個人情報)の侵害はネットが普及した頃から指摘されていた問題だ。撮影者は意図して人を撮影していなくても、偶然写り込んだ人が自分の許可も無く、勝手に他人のSNSページ等で公にされるのは非常に気持ち悪い。自分の行動や姿がわかってしまうと言うのは嫌だと思う。
この事はマスコミでも言える話で、街頭撮影した通行人がそのままテレビ(番組形態はどうであれ)で放映されるのは…気持ち良い気分ではない。その種の苦情は昔からテレビ局に来ていたのだろうが、2020年前後からコンプライアンス等の問題もあり非常に厳しくなり、ニュース速報でもない限りは本人から許可を得ていない人は、最初から放映しないか、放映するならばモザイク処理するようになった。
これはテレビ局と言う企業だからできる事で(それをやらないと企業姿勢を問われる問題となる・無視すれば今後生き残る事は出来なくなる世の中だ)今の時代当然求められる「倫理観」と言えよう。
しかし、これが個人だったらどうなるか?…これは完全に各個人の判断に委ねられる。プライバシー侵害云々と言われた所で、「モザイク処理が面倒」「ノーカットで公開したい」「プライバシーなんて関係ねぇ!」と考える者も居る。例えば鉄道系YouTuberスーツ(藤田ね)に至っては視聴者数が多いにも関わらず、2021年頃まで偶然映り込んだ利用客はモザイク処理は一切していなかった。視聴者からの苦情が多くなり、いやいやモザイク処理を始めたようだ。
今やプライバシー・個人情報については非常にシビアで、その取り扱いを誤れば(情報流出等)企業の倒産にもつながる問題だ。
個人レベルでも然りで、撮影者(投稿者)が特定出来ればその者を相手とって裁判(プライバシー侵害等)だって出来る。その場合裁判では負ける事が多いのかと思う。そうすれば撮影者(投稿者)は「謝罪と賠償」となるのだ。もうそうなっている事をしっかりと認識しておくべきである。
 

【列車の運行妨害をしない事】

簡単にしか書かないが、それは当然の事である。列車に向かってフラッシュ撮影しない、線路内は立入禁止、ホームでは黄色い点字ブロックの外側を歩く(厳密に言うと黄色い点字ブロックを踏まない)、発車ベルを勝手に鳴らさない(主にJR東日本管内)などである。
「線路内立入禁止」はグレーゾーンの所もあるが、要は私有地(その線引きが難しい事も多いが)に入らない、バラストに足を踏み入れない、踏切の内側(線路側)には入らない、レールの真横に立たないなどである。「ええ写真」はその事をしっかりとクリアした上で迫力のあるものを撮っている。
 

【旅行の記念に・趣味目的ならば】

上記の問題をクリアした上であれば、鉄道撮影は何ら問題ない。旅行の記念に何人も一緒に写る事はあろう。ただそれは旅行した人全員が「自分は写っても良い」と承諾した上で撮影しているはずだ。仮にそれをSNS等に公の場合も、承諾の上で行っているのが当然である。その承諾が取れない人だけモザイク処理かそもそも公にしないか。但しそれでも「常識の範囲内で」と言う条件は付いて来る。
趣味目的であれば、「形式写真」と言う具体的な車両番号(モハ××-××××)を記録する目的とか(それは余程の鉄道マニアがやる事だが)、サクラと列車、風景と列車、駅と列車、鉄道施設そのもの(橋・トンネル・架線・線路配線・レール・マクラギ等)、車両単品…などいろんなバリエーションがある。要するに自分が好きな構図で鉄道撮影するには問題ないという解釈なのだ。
 

【その上で収益化しない】

事が条件である。公にして誰かから「掲載料」「原稿料」「広告料」「出演料」等の名目で金銭を受け取る事は禁止としている。金銭の額の大小の問題ではない。1円も受け取るな!と言う事だ。1円でも受取ればそれは「収益化した」とみなされる。
なのでアメブロでさえもそう簡単には書けない時代になった。とは言ってもアメブロの場合、個人的な日記の延長のような物なので、トップブロガーでもない限りは実際の金銭を受け取る機会も少ないし、極めて少額(1万円も無い)なので大きく問題にされる事でもない。そこまで制限をJRが始めるとそもそもコントロール出来ないし、今の時代はそんな事を言っても「言う事を聞く人」なんて誰も居ない。特にZ世代は。
さらにこの点を業界関係者に聞くと、鉄道施設外(沿線の公道などから)撮影したものを商業誌や収益目的のYouTube等のネットに公開した場合は「そこまで規制できない」とのこと。つまり何が何でも収益目的による鉄道写真撮影禁止と言う事は出来ないという事だ。

【最初から収益目的であれば許可が無い限り、JRをはじめ鉄道会社は撮影自体を禁止する方向である】

今やそのような方向に傾いている。鉄道系クソYouTuberスーツ(藤田ね)みたいに、視聴者数が多くフツーに1本動画投稿しただけで50万、100万と視聴される場合、それは「儲かる」「ええ商売」である。YouTubeの仕組みに云々…についてはここでは言及しない。直接的な解釈をすれば、スーツ(収益化しているYouTuberならば誰でも)がプライベートでフツーに列車内や沿線で鉄道撮影して公にする事自体が禁止である。公にしなければ特に問題ない。公にしたいならば「広報を通せ」と言う話で、その場合はもちろん広報担当者への対応は概ね有料である。むしろ鉄道会社側がスーツ等のYouTuberに対して出演料を支払い自社の宣伝をする「案件動画」を出す始末で、その手のものに消極的だったJR東海ですらこの有様である。
これは既存マスコミ(テレビ番組・鉄道や旅行雑誌等)であっても例外ではなく、昔はテレビの旅番組で列車内の描写が放映されるのは、それこそが番組の面白さ(魅力)であった。
しかし、JR東日本は2020年頃から、JR西日本は2021年頃から列車内における既存マスコミの撮影や取材を原則禁止した。西日本は広報担当者同行が条件(有料)ならば、JR北海道(と確かJR九州)は子会社と一緒に制作ならば(もちろん有料)可とした。JR四国は特にそのような事はないらしい。JR東海はかなり昔から(遅くても2003年以前から)原則禁止である。
また最近は従業員の個人情報保護を目的に、駅員や乗務員、担当者(主に非現業職)の氏名や立場を公表する事も禁止の傾向だ。JR東日本のように名札に役職名すら書いていない会社だって現れている。
 

【その上で鉄道ジャーナルの記事の質が低下。JRが直接取材を拒否?!ライターが足で稼いだ情報をまとめて記事にしたものが目立つ。客観的な裏付けが乏しいものも目立ちだす】

 
4000文字も書いた非常に長い前置きだった。ここからが本題。とは言ってもまだ4000文字はある。
鉄道ジャーナルと言う老舗鉄道雑誌を20年以上毎月欠かさずに定期購読している。ここ最近(2023年以降)の記事の質が低下していると感じる。2020年6月号まではJR現業機関(駅員・駅長・乗務員・列車区・車両区・車両工場等)を紹介する記事は多数あった。それが「鉄道ジャーナルの十八番」とも言える記事であった。当然の事ながらJR各社の協力が欠かせない。
昔は取材するためのコスト(鉄道ジャーナル社が支払うコスト)がどれだけだったのか知らないが、恐らく国鉄時代は無償だったのだろう。それがJR発足しても「なわなわ」に無償だったような気がする。
それがCOVID-19でJRも収益が悪化し取材対応は無償から有償に切り替えた所が多いと思われる。それに加えて鉄道会社のセキュリティ強化(表向きにはテロ対策と言うが)、従業員の氏名や立場を安易に出すべきではないという「時代の変化」、列車内や駅構内だと利用者が写り込んでしまうので、既存マスコミと同様にプライバシー侵害の問題が出てくるし、トラブル発生もさせたくない…と言う思惑で鉄道ジャーナル編集部はJRへの直接取材を控えるようになったのではないか。そうする前にJRが直接取材を拒否?!するような感じにもなっている。それは有償であっても。
 
鉄道ジャーナルの誌面の変化として、2020年8月号頃まで(JR東日本E261系まで)は、鉄道会社の製造部門の人が書いた車両の構造説明と設計図は新車が登場する事に掲載があった。しかし、これ以降この種の記事が事実上消えた。新車が出る場合は編集者による文章による要約説明に留まる。その場合、読み手(我々読者)としては車両の基本的な構造が理解できなくなっている。細かな構造説明や設計図があってこそわかる事も少なくない。専門性が高いので、難しい内容であるのも確かだが、新車の構造をしるためにも絶対必要な情報で「鉄道専門誌」と謳う以上は掲載するべき情報である。要約説明だとプレスリリースからの引用であったり、編集者個人の主観や感想に基づくものが目立つ結果で、編集者自体が車両構造に精通していないとそれは情報としてかえって不正確になる。
では鉄道会社が新車の構造説明と設計図を公表しなくなっているのか?と言うとそうでもない。別の鉄道雑誌(鉄道ファン・鉄道ピクトリアル等)には今でもしっかりとあるし、私が鉄道友の会の行事で撮影会を行った際に「お土産」として非売品の車両カタログや設計図をもらう事が通例となっている。中にはそういうものを作らない社も少なからずあるが(主に中小)、JRや大手はそういう物を使ってしっかりと宣伝して、その車両(=列車や路線)の集客につなげたい狙いがあるのは言うまでもない。
これは単に鉄道ジャーナルの編集方針の変更で掲載しなくなっているだけの理由である。それは読者の要望なのか?編集部の考え方の変化なのか?紙幅削減の一環なのか?は知らない。鉄道ジャーナル自体は値上げ(1冊1200円、昔は1020円や980円だった)しているが、その分誌面の構成は薄くなっている(ページ数が減っている)。
 
取材した時の内容も客観的な裏付けが乏しいものが目立ちだしている。そもそもJR(対外的な窓口は第一に広報室、第二に関係部署だろうが)に直接問い合わせていない。各社・各機関のプレスリリースを引用した内容を参考に「上手く書き換えている」内容が目立ち、役所の公的データ(統計など)を使う事もあるが、関係者にしっかりと話を聞かずに主観・推測・待望論・個人的な感想だけで記事にしている事が最近目立つ。それに関しては種村直樹氏が居た頃からそれなりにあったが、それでも関係者にはしっかりと話を聞いていた。
今や鶴副編集長や鉄道ライター土屋武之氏・岩成政和氏による「個人的な知識の品評会」状態になっている。それだと客観性もクソも無い。2024年5月号の土屋氏の北陸新幹線敦賀開業時のダイヤ記事は非常に酷いもので、2023年12月にプレスリリースされた時刻表を基に、開業前の利用状況(実際に乗った上での・要は過去の経験上)から推察されるものをそのまま記事にしていた。こんなのは商業誌としては終わっている。品質が低い。並の鉄道マニアならば誰でもこれ程度の品質の記事は書けてしまうという「駄作」であった。本人はこのブログ見ていないのだろうが。また同号の副編集長による越美北線の記事も同様で、実際に1本列車に乗って利用状況の描写、地理的な説明とただそれだけである。情報としては新鮮味とか裏描写がなかったのが残念であった。
さらに2024年6月号の「没落のメインライン~東海道本線熱海~浜松」の岩成氏の記事も地元民としてなんか納得出来ない内容が目立つ。まず誤植が多い事。80ページ「静岡鉄道の主力バス事業を静鉄ジャストラインと言う別会社に…」とあるが正確には「しずてつジャストライン」、同じページには「駅ビルsenova(セノバ)となっている」とあるが正確には「cenova」(写真の掲載があるのになぜ間違えを見抜けない!?)である。
81ページには「2024年度中に静岡地区の211系が全廃と報じられた(2024年1月25日付け交通新聞の記事による)」とあるが、これについては複数の業界関係者に話を聞くと「むしろ正式レベルで発表している内容」との答えだった。
さらに313系300番台が大垣から静岡へ転属となったが、この号が発売開始の時点で営業には就いていない。それなのに編成番号が「K」になったと堂々と書いてある。その旨はJR東海は公式発表していないはずだ。これはX等のSNSの目撃情報が主体でそれを鵜吞みにし(特に裏付け取材するわけでもなく)そのまま「商業誌」の記事として作り上げてしまう事は…ハッキリ言って終わっている。それならば「K」編成になった事が明確に分かる情報源をしっかりと書くべきことではないか?
この号でも簡単に読んだだけなのに、文句を言いたい所が多々あるが、そもそも鉄道ジャーナル編集部はライターから投稿された記事を単にコピペしただけなのでは?表現方法や誤字脱字チェック・事実情報の確認・英文ならスペルチェックをしっかり行うもので、これが「関所」となり一般人の記事寄稿は難しいもの(仮に鉄道ジャーナル編集部に私が記事を投稿しても却下される)と思っているが、記事のクオリティーをみれば「こんなもんか」と思ってしまうので、結局は特定のライターや写真家の物しか使わないののでこの人たちに対して「忖度」しているようにしか見えない。少なくても鉄道マニア全員参加型とは言えず(鉄道ファンや鉄道ピクトリアルはその傾向)、特定意見の押し付けであれば、昔はそれでも通じたが、多様性の時代である今では通じない。編集方針事態を大幅転換するべきである。
また特集もマンネリ化しており、JR西日本新快速、直通運転、首都圏や近畿圏の私鉄、北海道ばかり。例えばこれが名古屋~豊橋・岐阜・四日市の輸送、岡山~高松、長野~松本、静岡~浜松、群馬、新潟、仙台~東北各地、岡山や広島~中国地方各地、九州(特に南九州)、四国、まるごと名鉄特集などなど地方の鉄道についてはトコトン興味がない。こういうのも定期的に取り扱うべきではないか。
 
鉄道雑誌は今までは、直接JR・私鉄各社に問い合わせて、それを基に記事にして読者に広く知らせるのが魅力だった。しかし、こんなにも「規制」だらけで問い合わせを拒否はしていないが、答えは表向きの当り触りない内容が目立つようになっている。例えばJR東日本だと駅組織+乗務員組織の合体=統括センターなるものが出来ているが、例えば車掌が「担当は木更津統括センターの〇〇でした」と放送された所で、一般客にとっては「何それ?」と思ってしまう。では「統括センターとは具体的にどんな仕事をしているのか?」と言う事を昔の鉄道ジャーナルだったら現場取材して誌面にしていたはずである。
しかし、今やそれすらも許されないというのは、セキュリティや個人情報保護を盾にしたある種の「閉鎖社会」状態となっているのはいかがなものか。Wikipediaを見れば大まかな情報は出てくるが(情報源が誰かは不明としても)、具体的に何をしているのかについては社員でもない限り知らない。だからXでは変な噂が多い。「例えば運転士だと1日目は運転業務、2日目は車掌、3日目は駅員で改札業務、4日目は事務所で事務仕事、5日目やっと休みと畑違いの仕事を毎日こなしているから、最近のJR東日本は意味不明な事故が多い!社員はみんな会社に不満がある。現場は疲弊している。だから退職者も多い」と書かれる始末である。この事が本当かどうかは知らんが。
鉄道ジャーナルはそれが昔からの十八番なんだから、組織改正があればそれをしっかりと報じてもらわないと。それがこの雑誌の使命と感じる。
ただ業界関係者に聞くと、鉄道ジャーナルの場合は事前に鉄道会社側に「今回は御社の鉄道について〇〇線と〇〇系の記事を書く。〇〇駅構内の写真(人が写った場合はモザイク処理する)を使う」と通告する事が多いという。その事については特に掲載拒否を要求する事も無いという。他の鉄道雑誌も同様の対応かと思われる。これが個人レベルで活動のYouTuberはそんな事やるわけもなく、JRが収益目的による撮影禁止と言うのは、むしろその人たちの行動を問題視しているのだと思う。
 
無償で取材したいが…有償取材はコスト的に難しい。仮に有償であったとしてもJR側が取材に応じてくれない
これが実態なのであろう。鉄道ジャーナルのクオリティーが低下するのはまだまだ続く。似たようなライターしか使っていないので、決まった見方しか出来ていない。鉄道ピクトリアルのように多種多様なライターで構成している雑誌ほど読み応えがある。鉄道ジャーナルに華があったのは種村直樹氏が居た頃までで、以後は花が枯れた状態になっているのは、読者としては極めて残念である。なんとか出来ないんか!

 

★超人気で乗れない!大井川鐡道井川線星空列車2023年度冬

 

大井川鐡道(大鉄)と言えば本線の「SL急行」や「きかんしゃトーマス号」を思い浮かべる人が多いだろう。

どうも埋没気味な井川線。それもそのはずでJR東海道線から接続する金谷駅からは遠く、まずは大井川本線で1時間半程度電車に乗らないとたどり着けない。

しかし、2022年9月の台風災害で川根温泉笹間渡~千頭は不通のまま。公共交通機関による輸送では、金谷~家山間は大井川本線の電車(またはSLかEL)に乗り、家山駅で川根本町が運行するコミュニティーバスに接続。町営(実際の運行は大鉄の子会社大鉄アドバンスが受託)のため運賃も安く抑えられているが、本数が満足にあるわけではない。結局本線が不通である今、千頭への交通手段は事実上自動車だけとなっている。E1A新東名の島田金谷ICからでも1時間弱はかかる道のりである。そのため井川線に乗る場合、前提として「自動車で来る事」となる。その点は大鉄も強調せざるを得ない状況だ。

撮影日=2024年2月11日(日)

 

【井川線星空列車に乗るには乗車日のみ販売の専用乗車券が必要。先着150名まで】

 
 
↑静岡県川根本町にある道の駅音戯の郷に来た。2月の1回目の3連休の中日2月11日で、15時過ぎに到着したが既に駐車場は満車状態。「星空列車」のノボリが目立つ。
 
 
↑人が消えたタイミングで千頭駅の駅舎を撮影したが、到着した15時過ぎには多くの人で賑わっていた。SLが来ない今にとっては井川線以外駅を利用する目的すら果たしていない。
井川線星空列車は千頭17時00分発→奥大井湖上駅18時08分~19時15分(この1時間で星空観察・川根本町は「日本で二番目に星空が見える町」として知られている)→千頭駅20時20分のダイヤである。途中駅からの乗車と下車は出来ず、乗車には専用のきっぷが必要である。このきっぷは当日千頭駅窓口のみで販売される。事前予約(ネットや電話)は受け付けていない。乗車出来る人数にも限りがあるため「先着150名限定」である。
川根本町は静岡県でも高齢化率が高く過疎化が進む町。人口は5,000人台と静岡県内では少ないが、北海道、長野南部、山陰、紀伊半島、四国、九州にある極端に人口が少ない町村(2,000人以下もザラではない)に比べれば、まだまだ多い方であるが、「田舎」そのものであるには変わりがない。
一体どこから人が集まるんだ?と考えた時にそれは観光客である。奥大井と言われるこの地域は接岨峡温泉や寸又峡温泉等の温泉があり、大自然あふれる。都会には無い非日常体験をするために遠くから来る人が多く、関東や関西方面のナンバーの車も少なくない。井川線そのものが「観光地」なのだ。
星空列車は2023年度の場合、2023年11月から2024年2月末までの土日運転(年末年始は除く)である。そのため祝日となる月曜日には運転しないのだ。
 
↑しかし、私が来た時(15時40分)には既に完売であった。その事を知らずに来る人が絶えることなくいたので、この日の実際の乗車希望者はざっと300人はいたか。近くにいた案内人に何時に売り切れたか?聞くと15時30分だったという。前日(2月10日)は15時15分だったという。フツーの日曜日(月曜日がド平日の場合)16時台でも買う事は出来るという。
2023年度の井川線星空列車は乗車出来ない事が決まった。ならば自動車で星空列車を追いかける事にした。
 

【堂々の編成!星空列車9両で運転】

 
↑千頭駅のホームに入る。有人駅なので入場券150円が必要だが、いちいち紙の入場券は発行せず、改札口に置いてある箱に150円投入すれば誰でも自由に入れる仕組みだ。井川線ホームは6番線のみで大井川本線ホームと比べて低い位置になっている。冬らしく雪だるまが出迎える。星空列車の乗車改札は16時30分過ぎからなので、星空列車乗車のお客は駅舎内で開始まで待つ事になる。私はそれは関係ないので人が誰もいないうちに撮影しておく。
 
 
↑千頭駅の「トーマスフェア」は常設展示のような形になった。「きかんしゃトーマス号」の運転が無い時期は高い柵で隠されていた。台風で被災したため元南海21001系(21003+21004)が取り残されて1年半が経過しようとしていた。塗装は完全に剥げており無残な姿になっている。陸送しない限りは車庫がある新金谷駅にいつまでたっても帰れない。
 
 
↑井川線の定期列車が到着。この車両が折り返し星空列車になる。専用のサボも早着された。この時点で編成は編成は5両(ディーゼル機関車1両+客車4両)である。
 
 
↑後ろには3両(客車2両+ディーゼル機関車1両)も待機
 
 
↑これも連結して9両(客車7両+ディーゼル機関車2両)となった。井川線で9両と言うのは堂々の列車である。この日の車両は下記の通り
井川方からクハ602+スロフ302+スロフ305+スロフ314+スロフ309+DD205+スロフ304+スロフ301+DD201
 
↑DD201とクハ602に星空列車ヘッドマークが付けられる。発車10分前には客車は満席状態であった。
 

【アプトいちしろ駅でアプト式電気機関車と連結し合計11両の列車編成に!さらに2種類のヘッドマークがあった】

 
↑自動車で先回りしてアプトいちしろ駅に着いた。道が整備された県道から約2キロは「悪路」そのもので、GoogleMapsでさえも正確に案内出来ない「秘境」である。決して広くないスペースに同業者(撮り鉄)と思われる3ナンバーの自動車が2~3台止まっていた。ナンバーを見れば大宮・浜松で地元の人ではないことがわかる。
 
 
↑既にアプト式電気機関車ED90が待機していた。「ほしぞら」と言う見慣れないヘッドマークが付いていた。千頭駅を発車した星空列車の到着を待つのみであったが…
〇〇さん(運転士)!ヘッドライト点けてください!
↑撮り鉄がこんなお願いをする。フツーは「運転士さん」なのだが、この撮り鉄は担当運転士の名前を知っていたらしい。一般に撮影向けにヘッドライト(しかもハイビームで)点ける”サービス”は車庫貸切の撮影会でも無い限りやらない。ましては撮り鉄がそういうお願いをすること自体がご法度と言うのはこの世界では暗黙の了解のはずだが。
 
↑結局はヘッドライト(しかもハイビームで)点けた。「秘境」なのでこのような事が許されたのか?定かではないが、そこまでして撮りたいか?撮ったら何に使うんだ?公開せず「マイコレクション」で終わらせるというのは何とも許せない。ブログやSNS等で積極的に公開するべきではないか。それもノーカットで。こういう「迷惑な撮り鉄」を目の前見たのでイラっと来た次第。
あっざす!申し訳ないです!
何とも軽いノリで担当運転士に挨拶した撮り鉄であった。あー非常に後味が悪い。
 
 
↑千頭からの星空列車が到着。ED90の連結作業中お客はホームに出る事が出来る。公衆トイレがあるのでその間にトイレを済ます事が出来る機会でもある
 
 
↑ED90がホームに向けて移動する
 
 
↑ホームでは連結作業中。多くの人垣が出来るのは言うまでもない。アプト式区間は堂々の11両運転だ。
 
 
↑ED90の後ろ側は「星空」と書いた別のヘッドマークになっていた。前は「ほしぞら」のヘッドマークなので、この違いに気付く一般客は少ないだろう。撮り鉄にとってはこれは格好な撮影材料となるのは間違えない。
 
 
↑星空列車乗車のお客にとってはアプトいちしろ駅も重要な観光地のひとつ
 
 
↑ED903とDD201の連結が終わり車掌がホームを見る。トイレ休憩も兼ねていたためトイレに残っている人がいないか確認する。約10分程度の停車で発車する。この時点でちょうど日暮れだ。
 
↑星空列車乗車が発車すると完全に静寂となる。そこに残るのは熱心な?撮り鉄だけ。今回撮影した内容についてあーでもない、こーでもないと話す。私は基本的に「集団」で行動する事はない。作品を競い合う、SNSウケするようなものを撮ろうとも思わない。人が撮らない構図から鉄道を記録するのが好きだからだ。
 
↑30分ほど自動車の中で休憩する。ED90は隣の長島ダム駅で星空列車を切り離した後、回送でアプトいちしろ駅に戻ってきた。そのまま星空列車が戻ってくるまで長島ダム駅で待機かと思っていた。やはりこの事を知っていた撮り鉄が「待ってました!」かのように撮りまくる。真っ暗なので沿線撮影は不適と言う事がわかっていたためか、明るい駅での「車両単品」の撮影が主体であった。
 

【長島ダム駅から見る星空はまるでプラネタリウムのような感じ】

 
 
↑長島ダム駅に移動する。道路事情が良くて片側2車線の道が付近には通っている。千頭からだと急な坂や曲線もあるが決して「険しい道」では無い。
星空列車の編成は、奥大井湖上駅到着後はお客を全員下車させる。発車時間まで待機する事はなく、回送で1駅先の接岨峡温泉駅へ向かいここで折り返す。19時過ぎに帰りの千頭行きが到着し、お客が再び乗車し帰るのだ。当然アプト式区間ではED90が必要なため、長島ダム駅で連結、アプトいちしろ駅で切り離しがある。
 
 
↑アプトいちしろ駅から回送でED90が到着。やはり「待ってました!」かのごとく撮り鉄が井川行きホーム(車両すぐそば)から「ええカメラ」で撮影する。
 
 
↑星空列車が長島ダム駅に到着
 
 
↑ED90と星空列車が連結する。これを撮影するお客が集まる。連結方法について車掌が説明していた。
 
 
↑車掌の誘導でED90が少しずつ進み連結器とかみ合う。この瞬間は大量のシャッターが切られる。今のiPhone等のスマホならば容易な操作で夜でもキレイに撮影出来る。
 
 
↑11両の編成が出来た。今度は90‰の急坂を降る。
 
 
↑周囲は暗闇であるが、長島ダム駅付近は明るい。ED90のヘッドライトも頼もしい。車掌の合図で星空列車は発車。暗闇の中で独特な走行音が山々に響く。
星空を眺めるとキレイだった。カメラでは撮影出来なかったが、細かい星まで細かく見える。まるでプラネタリウムのような感じだ。時期によって差はあるのかもしれないが、川根本町にじっくりと星空を眺めに再び行きたい。